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雪の上に残る
踏みしめた足跡
一つ増えるごとに
私は素直な心を
取り戻していきます
小さかった手が
だんだんと大きくなるにつれ
大きな愛情から
逃げるように
離れた強がりの私は
....
姉さんが嫁ぐ日
外は真っ白な雪景色
綺麗な白無垢姿は
雪の中に輪郭を溶かし
唇にひいた
紅の色だけが際立っていた
姉さん
私の憧れの姉さん
なぜ悲しそうなの?
雪を被った椿に
....
空からおはじきが降った日
小さなうさぎが
震えていました
太陽の光を反射して
おはじきはキラキラと
七色に輝き
まるで
世界中の命のようです
皆は我先にと
おはじきを一つ受け ....
耳を当て 君の鼓動を 聞いている 唇重ね 一つになろう
夜空見て 雲間に覗く 暗闇に 星の瞬き 生きてるようで
降り注ぐ 雪に音は 吸い込まれ 大地の鼓動 春までお預け
寝ても覚めても
同じ夢を見てるような
そんな気だるい日は
カーテン越しの
光を浴びて
寄りかかる
ソファーは悲しくて
奏でるはポロネーズ
今の気分は
ショパンの「別れ」
目 ....
遠い過去への手紙
もう読む事もない
悲しくも
霧雨に霞む道は
落ち葉で満たされて
凍えた指先だけが
取り残された
君の影に触れた
うやむやにしてきた思い
今更になって
胸を締め ....
曇りガラスの向こう
聖なる夜に
何処かの教会から
響く讃美歌
荘厳で美しい歌は
街を優しく流れ
街角の隅で震える
黒猫を包む
暖かいキャンドルを囲むテーブルに
浮かぶ笑顔はどれも ....
砂に埋もれていく
記憶の再構築
あなたの悲しげな瞳が
頭の片隅に
何度も巻き戻していたかった
擦りきれたテープのように
ぼやけても色褪せても
あなたの肌の感触は
鮮明に
時間 ....
樹から落ちる枯れ葉も
雨に震える風も
街角に咲く小さな花も
名前を付けたら
全て私のものになる
無機質に広がる
ビルも交差点も
輝きを放ち
愛しいものに変わる
私の指を握り返す
....
深い木々の合間を縫う
足元は落ち葉
日は放射状に
するすると駆け抜ければ
布は余韻を保ち
風が戯れる
鳥が鳴いている
羽ばたく音が響き
風が落ち葉を舞いあげて
見上げれば
目眩 ....
青い空
うろこ雲
空の端で
太陽はオレンジ色に染まり
今日にさよならを
告げる
歌を口ずさむ
随分冷たくなった空気と混ざり
微かに香る
金木犀を辿って
道路沿いの並木道
....
あれは風の強い日
鳥たちは身を潜めて
星は口をつぐみ
月が涙を溢して
小さな命が産まれた
静かに響く
祝福の歌
力強く鼓動を刻み
生きている証を記す
温かく差し伸べられる手に ....
くちびるをとがらせて
こいしをけとばす
りょうてはせなかでむすび
あかねぞらにあかとんぼ
こころはくすぶって
やりきれないりゆうが
くちをついてこぼれだす
きのうはだいすきなあのこを
....
いつか夢を見ました
キンモクセイの香る
穏やかな季節で
私は大好きな貴方と
肌の触れ合いを
望んでおりました
貴方は悪戯に
耳元で囁いては
無邪気に笑い
何とも言えず私は幸せで
....
私の体は
とても小さい
両腕をいっぱい広げて
君を抱きしめる
君の広い背中
君の大きな手
君の優しい声
君の暖かい心
全てが好きで
とてもいとおしくて
私の小さな胸からは
....
赤い月が見てる
私の背中を
じっと見てる
後ろめたさの滲む背中を
突き抜けて
隠した本音を
見透かしている
君たちの笑顔を飲み込んで
今日も私は
死んでいきます
真実はいつ ....
僕は青い空が好きです
雲一つ無い澄んだ空が
それは小さい頃から好きで
よく晴れた日は
いつもウキウキしていました
本当の僕は
ネクラなので
青い空を吸い込んで
真っ暗な心に
パス ....
帰る場所を
見失ったのです
後悔を口にするのは
容易い
でも
君が帰って来る
訳でもないし
元の幸せな日々に
戻る訳でもない
いつまでも
本音を言えず逃げる私に
素直な
....
ねぇマサユキ
あたしを抱いてよ
傷だらけの
体をかわいいと言って
あたしねあなたが嫌いなの
嘘つきだし
遊ばれてるのに
気づかないなんて
本当にバカね
気だるい夜に
ベッドに寝 ....
貴方の居ない夜は寂しい
ベランダで
夜風に吹かれて
お酒を飲んでも
貴方が隣に居なければ
どこか味気ない
初めから分かってた
叶わない恋だと
いくら私と
シーツの波を作っても
....
私は夜が好き
静かで
虫の声が聞こえて
眠れないときは
月明かりの中で
散らばる星座を
ひとつひとつ
確認するように数えていた
私は夜が好き
星の光が薄れる程
月の明かりが強い ....
あなたに会いたくて
あなたを忘れられなくて
わたしは海へ
でもあなたは
だんだんと薄らいでいた
さようなら
と優しく呟いている
わたしの涙は
風にさらわれて
赤い太陽も
どこか ....
音楽を聞かせてよ
深みに嵌まりたいの
甘い時間を舐めるように
流し目で誘惑して
耳元で囁いて欲しい
どんな意地悪な言葉でもいいから
吐息混じりで
音階をなぞって
うっとりするよ ....
囁く言葉は
いつしか熱い吐息に変わり
君が隠した赤が
熟れゆく速さで熱を帯て
教室と体育館の裏側で
目眩が生じれば
僕はそれを侵し
正しい世界がにらんでいる
やがて窓から陽が差して ....
眩しい朝日に目を覚まして
窓を開けると
冷たく澄んだ空気が
まだ開けきらない
僕の目を
優しく撫でていきました
外の町は
少し霧に覆われていて
近くの山は
かかる霧に朝日が反射し ....
レシピが載ってる小さな冊子は
もうすっかり秋でした
外はまだ夏を残しているというのに
お店には
もう秋刀魚が並んでいて
レシピには
栗にキノコ
鮭に鯖が踊り
美味しいお米と
デザート ....
真夏の道
揺れる蜃気楼の向こうに
君が見えた気がして
通り雨
子供達の笑い声が
吸い込まれた雲
秋の気配を
忍ばせた空気に
形を変えて流れてゆく
夕暮れ
空の色が紫に変わる ....