この肉体が僕の名で呼ばれている不思議
思うが侭に動かし
あるいは歌い
横たえ
歯の並びにさえ
造化の神の丹念な
作業のあとを見ることが出来るのだから
この精密さには祝福が与えられて ....
自殺が話題にされると
じぶんの引き出しに
自殺が入り込んで来る
まさかじぶんが
そんなこと
今は有り得ない
この実感が曖昧なことに
しばらくして気づく
自殺よ、忍び寄らないで
....
部室に転がっていた雑誌の表紙は手塚治虫だった
手にとって眺めていたら
女優の田中裕子のエッセイに目がとまった
もう20年以上まえ、平成元年のことだ
エッセイの内容は
ライトアップされた東 ....
孤独でもないのに
孤独のふりをして
俺いまカフェで暖められています
○○さん、裏切られましたね、あいつら○○さんに、感謝ってないんですかね、
そんなんないやろ、でも、裏切ら ....
泣いているの?
きみが破り捨てた祈りが
わたしの掌にうずくまって
ぽろぽろと涙を溢している
こっちにおいで
抱き締めてあげる
温かい体温で
全てをのみこんであげよう
子供の頃見 ....
しゃぼんだま
しゃぼんだま
まるくて
ふわふわかぜにのって
とんでいくのよ
まって
まって
おいかけて
つかまえて
はじけちゃって
にこにこ
たのしい
おかあさんがわらって ....
この夜明け
街は忘れていた形を取り戻していく
影が生まれ
新しい気配が景色を横切る
一番透明な時間に
一番透明な予感が
僕を通り過ぎる
寄りかかった壁のその冷たさだけが
まだ夜に属 ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12