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雨つぶと雨つぶは
出会っても うたわない
分身だったから
うたう必要がないから
うたわないけど
静かに溶けて
ひとつになれる
みずたまりは
世界で一番平和で小さな海になった
雨つ ....
メスザリガニが
身籠った
腹に何百もの卵を抱え
絶えずゆらゆらと揺らして
新鮮な酸素を送っている
まるで
大切なものをあやしているように
ハハザリガニが
出産した
小さな赤ちゃん ....
死を拾う 空に斧振り上げたまま腹見せて転がっている
詩を拾う 弔いもなく涙なく乾いて虫の命逝く夏
そら
くう
から
空
変換キィで
世界は変わる
くうですか
くうですね
ひとしくみんなくうになってゆきました
昨晩はよくふりましたなあ ざんざばらん
おかげでからっ ....
ほぼ体温と同じくらいに
熱せられた夏が
発火点を探しあぐねて
彷徨いの果て
私の絵の具を溶かしていた
指で透(なぞ)写る
あらかじめ決められていたように
螺旋状に滑り出すその先で捉え ....
日々の習慣こそ愛おしい
扉を開けてただいま、と言う
杖は手摺に立て掛ける
靴を脱いで右端に寄せる
一人前の惣菜を冷蔵庫に入れる
白い手拭いを
四つ折りにして
赤い糸で等間隔で縫う ....
いくぶん体温の高い
あなたを胸に抱けば
心の真ん中にある
バターが溶け出し
私は
ホットケーキになった
ふくらんで
ふくらんで
痛いほどふくらんで
あなたに与える
ちょっとのほ ....
時々
じょうごがあったらなぁとおもう
たとえば
砂の粒を透明なびんにあつめる時
たとえば
湖水を小分けして胸にしのばせる時
{引用=いちみりも
こぼさずに
うつくしく
やりとげな ....
とうめいの
とじひもが
ゆるむ
午睡から目覚めきれない
漠とした意識のなかで
たとえば
カムチャツカ半島からの
かえりみち
{引用=わたしはだれであったのでしょう}
とうめいの
....
ばーばに手を引かれ
ゆるい坂道をてくてくいけば
「コカ・コーラ!」
わたしは畑に捨てられていた瓶を指さして叫ぶ
ママ、という言葉は知っていたけれど
ママ、と呼ぶ対象がいなかった
日 ....
腕がある
脚がある
カラダがあって
心臓はこの辺だろうか
洗濯物を干しながら
幸福感に包まれる
よれてしまった襟だとか
落ちきれてない染みだとか
ゴムの伸びたパンツだとか
新品で ....
病院の待合いの長椅子で
おじいさんがあくび
おばあさんがあくび
その隣のおにいさんもあくび
くたびれた私もあくび
うっかりもらっちゃったけど
あくびの正体は知りません
からくりがあっても ....
撹拌されて
まじりあう
フラスコの中の
時間が
わらわらと踊っている
次第に
重さを帯びた幸せは
底で沈殿する
浮かびあがる
透明な
うわずみ
プロペラから
風が生まれる
その中心を
つかんで
風を止められるかどうか
幼いきょうだいが
度胸だめしをしている
扇風機の首振りボタンで
風を分けあって
涼と熱を共有していた
....
夕暮れても
大地の熱は
冷めやらず
もうすでに
花も穂も枯れ
ただの茎となったすすきは
すとろうとなり
土に埋まる子らは
それを吸って
生き返る
一本であったら
孤独に揺 ....
枝豆を茹でる
さやには産毛がひしめいて
そのあおい膨らみに
おまえが未成熟のまま
刈り取られてしまったことを
想う
夕立は夏の序曲
塩をふって
硝子の器に盛り
冷蔵庫に冷やしてお ....
パチンと弾けとんだ
洗濯バサミ
ひらいて、はさむ
どんなに風の強い日だって
あなたがいいというまで
ただもくもくと
しがみついてきた
のに
繰り返されてきた
しごく簡単な仕組みが ....
水中花は
水がある限り
生き続けます
におい
こえ
てざわり
ある種の予感
見えはしないのに
確かに在ったものたち
次は
何に生まれ変わりますか?
一秒に
『チョモラン ....
ここに
コンクリートの破片がある
砂と水を固めて
作られた人工の石たち
人が集う会館になり
公園の遊具になり
学校の名を刻む門となり
新しい道となり
駅となり
小さな島に架かる橋 ....
圧縮された白い時間が
空に取り付けられた
タイマー仕掛けで吹き出した
入道雲
あなたが使うシェービングクリームみたいだ
毎日せっせと伸びるヒゲ
剃っても剃っても
誤作動せずに
めげ ....
ひたひたと
ありったけの水を吸い上げ
あおく
あかく
丸く
咲く
装飾花は結実しない
ただ
水をひたらせる
小雨
大雨
さみだれ
にわか雨
夕立ち
根拠のない憂鬱 ....
連れてってというものたちは
刺をもつ
過ぎ行く時間のすそに
そっと
刺をさす
──エクサンチウム ストルマリウム
野山で遊んだ私たちは
君をくっつき虫と呼んで投げ合った
いつか ....
ぷらすちっくの小さな筒型の編み機には
五つの突起がついていて
人造絹糸を星のかたちに結わえたら
それが
りりあんの始まり
食べ散らかした夏蜜柑の皮
白黴の生えた白パン
蟻の住処は大洪 ....
──わしが死んでも
この時計は捨てんでくれよ
親父はよくそう言っていた
死んでから
それがたったひとつの
遺言らしきものだったと思い当たる
祖父がやっていた
はんこ屋の店先に ....
人は
はぎとった他者に
記し
記してきた
鳥は記さない
慈しみあう
つがいの声は
白い森に響き
溶けて消えていくだけ
{ルビ草子樺=そうしかんば}は
カバノキ科シラカバ属 ....
閉じられた瞼は
眼球にやさしくかけられたさらし布
或いは
フリンジのついた遮光性の高い暗幕
時折
なにかに呼応して
波打つように
揺れる
ベビーカーのハンドルに止まったちょうち ....
おそらくは
やわらかな春の香り
おそらくは
かぐわしい早乙女のような
おそらくは
この世に用意された
おびただしい
喜びと悲しみのあわいで
おそらくは
それは
幻の香り
さく ....
浴槽の栓を抜く
しばらくは何事も変わらない水面
さざ波のそぶりさえない
今 渦中では
見えない引力に導かれ
出口へと
まさに水が
わあわあ殺到しているというのに
ことの始まりは
....
ゆくすえは
どこまで見まもることが
できるのだろう
吃音のことで
それほど悩んでいたなんて
知らなかったけれど
親は子の悩みを
まるごと肩代わりすることはできないし
してあげたいけ ....
「ママ、なんでみどりなのに、あおっていうの?」
信号を指さして
そう問う
まだ乳くさい我が子を
天才だ! と思った遠い日
わたしは
なんと答えたのだろう
仮に
みどり、と名づけ ....
壮佑さんのそらの珊瑚さんおすすめリスト
(216)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
子守唄
-
そらの珊 ...
自由詩
19*
13-8-31
水槽という宇宙の中で
-
そらの珊 ...
自由詩
24*
13-8-28
蟷螂
-
そらの珊 ...
短歌
17*
13-8-24
あおいそら
-
そらの珊 ...
自由詩
24*
13-8-21
デカルコマニー
-
そらの珊 ...
自由詩
13*
13-8-18
運針/千人針
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
13-8-15
食べさせる
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-8-13
遠い日_おもちゃのラッパでした
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-8-12
【とじひも】詩サークル「群青」八月のお題「漠」から
-
そらの珊 ...
自由詩
11*
13-8-10
もらい乳
-
そらの珊 ...
自由詩
24*
13-8-6
【ベランダに吹く風】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-8-4
うつるんです。
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
13-8-2
うわずみ
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
13-7-29
【凪】詩人サークル「群青」七月のお題「風」から
-
そらの珊 ...
自由詩
20
13-7-21
すとろう
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
13-7-16
枝豆
-
そらの珊 ...
自由詩
15*
13-7-14
プラスチック哀歌
-
そらの珊 ...
自由詩
23*
13-7-11
ねがえり
-
そらの珊 ...
自由詩
11*
13-7-10
破片
-
そらの珊 ...
自由詩
18*
13-7-4
アンテナ
-
そらの珊 ...
自由詩
16*
13-6-27
水の器
-
そらの珊 ...
自由詩
17*
13-6-25
さみしんぼう
-
そらの珊 ...
自由詩
14
13-6-21
りりあん
-
そらの珊 ...
自由詩
21*
13-6-18
親父の遺言
-
そらの珊 ...
自由詩
17
13-6-16
【草子樺】_詩人サークル群青_6月の課題『慈』から
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
13-6-11
おさらい
-
そらの珊 ...
自由詩
26*
13-6-8
花まんま
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-6-4
うず
-
そらの珊 ...
自由詩
22*
13-6-1
ゆくすえ
-
そらの珊 ...
自由詩
21*
13-5-29
【仮にみどりと名づけてみる】群青五月のお題、緑から
-
そらの珊 ...
自由詩
20*
13-5-25
1
2
3
4
5
6
7
8
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