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世界が揺れはじめる
そして
ぼくたちは
気づくのだ

ここが
氷山で
わずかに海面から
突き出した
ほんの一角にすぎないことに

世界が揺れはじめる
そして
ぼくたちは
知 ....
ゆるゆると解凍されて泳ぎ出す初夏のひざしに冷凍金魚

てのひらに埋め込まれた鉛筆の種 いつまで待っても芽が出ませんが

捨てました古い日記も捨てましたあとかたもなくみじん切りして

虎猫と ....
古代飴のような
琥珀の中に
小さな虫が
羽ばたいたまま
閉じ込められている

時が止まったままの
小さな宇宙を
私は
手のひらで
そっと転がして
スイッチをさがす
親心を
揺らしながら
春の野に立ち尽くしている
子どもらは
既に
旅立って
再び逢うことは
叶わないというのに
心配の種はつきないのでしょう

親心を
揺らしながら
じっと耳を ....
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【帰還】

 声帯を飛び出していくコトバ達コマクを抜けてワタシに戻る

【流行り病】

 時節柄恋には注意下さいね 四月の空に青いエアー ....
人は
自分のテリトリーに
侵入者が
入ってこようものなら
たちまち
不機嫌になって
どうにかして
追い出そうとする

そのテリトリーさえ
誰かからの
借り地だというのに
赤ちゃんをあやす
なんとか
笑わそうとして
百面相など
繰り広げる

赤ちゃんが笑えば
私も笑う
私は赤ちゃんにあやされている

【あやされる】とは
どういうことだろう
ココロ ....
赤信号で
一台の自転車が止まる
重そうなブレーキ音
それはそのはす
後ろの荷台には
補助シートに乗せた幼子
お母さんはハンドルを
ぎゅっと握って
足をつく
背中におぶわれた赤ちゃんは ....
上り坂が続く

坂道が
「ごめんね、坂道で」
という

ギアなんてついてない
ママチャリですので
傾斜が上がるたびに
スピードが落ちていく
ペダルが
どんどん重くなる
後悔が
 ....
【確信犯】
 
 ちょっとづつちょっとづつ間違っていく伝言ゲームのように、今日も


【からかい】
 
 本気かと問えばするっと逃げていき 遠くの空で春雷が鳴る


【三面記事】
 ....
大人になって
出来なくなった

逆上がり

夕暮れのポストに
転送されてきた

手紙

差出人は
さかさまになった

世界

天をけりあげて
ポケットから落ちた

 ....
アマゾンという
喫茶店の水槽で泳いでいる
あの魚はピラニアだと
まことしやかに
客の間では
ささやかれていた

根拠といえば
そこに
張り紙がしてあった
「指を入れないでください」 ....
いくつもの
さみしい
たましいが
夜のツバメさながらに
ひらひら
とびまわる

生きている
人間は
なぜに
あんなにも
桜、桜と騒ぐのだろうと思い
やってきて
白いはなびらの ....
まどろみのなか
わたしは
今朝も
ひとり
つり糸を垂らす

湖面は心を映す鏡
澄んでいれば
すいぃーーと泳ぐ
ひらがなの鱗さえ
見えることもある
濁っていれば
口笛など鳴らし
 ....
次の
風をつかまえて
兄弟たちは
ひとりぼっちの旅に出る
誰にも頼れない冒険
もう二度と
会うこともない
その
さようならは
白いの光のなかで
美しい羽になる

ダン・ド・リオ ....
壊れてしまったレコード
もしくは
石のように固いバームクーヘン化した父
その口からは
絶えず呪詛がこぼれる
隣に住まう
父の兄上との確執が
幼い頃から
絵巻物のようにまた綴られる
も ....
死にたての顔は
愛する人にだけ
見せたいと思う
それは最後の贈り物

だから
病院ではなく
家がいい

生まれたての顔だって
昔は
家で見られたのに

ほかほかの湯気をたてた ....
長いこと
なにかを探しながら
生きてきたけれど
とりたてて
見つけたものは
何もないような
気がする

わたしは
よくばりだったのだろう

長かった夜が明ける
昏い空に
ひと ....
私たちが
毎日利用していたO駅は
すっかり様変わりし
駅ビルが隣接
広々と立派になっていた
女子高時代の友らと
改札口で待ち合わせる

あの頃
ここには
伝言板があって
「00ち ....
桜が降ってくる
雪が降ってくるように

その時
人は
空を見上げずには
いられない
人は
命の終わりに
気づかないふりなど
出来はしないから

空から降ってくる
ひらひらと
 ....
    摘まれるのならあなたの指先で摘まれたいとささやく、
    生まれたばかりの黄緑色の新芽は、ニンフの羽のよう
    にやわらかいけれど、たちまち老化する残酷な御伽話
    を内包して ....
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やっとこ咲いた
桜の前で
人々は
デジカメやケータイの
シャッターを切るのに忙しい
かくして
ひとひらに宿る
いのちの姿は
小さなSDカ ....
窓辺にやってきた
小鳥が泣く
さも かなしそうに
おまえもひとりなのかい
世界はこんなにも
広いというのに

庭のとまり木で
小鳥が啼く
さも たのしそうに
うたをおぼえたんだね
 ....
入れ子だよ君は僕のマトリョーシカ
    金環蝕キーンカーンキーン

みかづきがぼんやりうすい場所がある
        爪工場で働くこびと
消毒薬で洗った
白い部屋は
どこまでも
清潔で よそよそしい

菌という菌は
すべて
死滅し
有機体は私ひとり
お見舞いにもらった
ガーベラが
いつのまにか
造花に変わる
( ....
入ってくるものが
多すぎる
出ていくものは
少なすぎる
残ったものは
結晶化し
塩辛い粒となる

時々こうして
泣いてみるのは
心の塩を
涙にまぜて
捨てているからなんだ

 ....
海の底の
とある場所に
海亀の墓場があるという

大海原を
潮流にのって
悠々と回遊していく
海亀は
死期を悟ると
特別な流れをつかまえる

それに乗り
終焉を迎えるために
 ....
金持ちも
貧乏人も
健康な人も
病んでいる人も
希望に燃えている人も
絶望の淵に座り込んでいる人も
お気楽な人も
深刻な人も
白い人も
黒い人も
満たされた人も
飢えた人も
か ....
森林公園のなかに
それはそれは
長いすべりだいがあった

ゆるい
傾斜のそれは
すべると
ローラーが
カラカラと音をたてて
人をすべらせていく

ゆっくりと
ゆっくりと

 ....
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野に集えよ
きんぽうげ

小さき
いつつの
花弁ゆらし
 ....
壮佑さんのそらの珊瑚さんおすすめリスト(216)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
アイスバーグ- そらの珊 ...自由詩812-5-2
ウワバミの中の象- そらの珊 ...短歌9*12-4-29
仮死- そらの珊 ...自由詩17*12-4-27
蒲公英草子- そらの珊 ...自由詩912-4-26
メビウス- そらの珊 ...短歌6*12-4-24
借り地- そらの珊 ...自由詩8*12-4-23
あやとり- そらの珊 ...自由詩17*12-4-21
自転車でいこう!_Ⅱ- そらの珊 ...自由詩9*12-4-19
自転車でいこう!- そらの珊 ...自由詩23*12-4-18
春雷- そらの珊 ...短歌11*12-4-17
返信- そらの珊 ...自由詩16*12-4-15
ピラニア- そらの珊 ...自由詩20*12-4-14
夜間飛行- そらの珊 ...自由詩11*12-4-13
あさつり- そらの珊 ...自由詩8*12-4-12
たんぽぽ- そらの珊 ...自由詩11*12-4-11
石蕗の家(改題しました)- そらの珊 ...自由詩12*12-4-7
プレゼント- そらの珊 ...自由詩11*12-4-7
美しい朝- そらの珊 ...自由詩11*12-4-7
冷凍保存- そらの珊 ...自由詩8*12-4-6
- そらの珊 ...自由詩20*12-4-5
茶摘み- そらの珊 ...自由詩10*12-4-5
カード型記憶装置- そらの珊 ...自由詩19*12-4-4
さえずり- そらの珊 ...自由詩16*12-3-24
ほぼ等身大- そらの珊 ...短歌10*12-3-24
戯言- そらの珊 ...自由詩10*12-3-22
Salt_water- そらの珊 ...自由詩9*12-3-22
海亀の墓場- そらの珊 ...自由詩11*12-3-21
星のこども- そらの珊 ...自由詩8*12-3-19
長いすべりだい- そらの珊 ...自由詩11*12-3-18
きんぽうげ- そらの珊 ...自由詩10*12-3-17

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