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坂の途中で電車を眺めたあの頃の独り
緩やかなカーブで、芳ばしい匂いのするwindsを過ぎて
ブランコのあるLEMONが見えてくる
手前の鞄屋のおばさんに声の要らない挨拶をして
少し早い時期に紅 ....
{引用=もし、もしいつか自分が子供を持つことになるのであれば
まずはじめに、土を踏ませてやりたい}

親鳥のもとを離れ旋回する羽は
ふわりふわりと人の波に襲われ
海は、海はまだかと
空は、 ....
ひかりの反射を免れて曇り空の跡
つめたい水を浴びて閉じてゆく肌と
つめたい川に隔てられた母子
幾度も破かれては繰り返す眠りのうちに
再生されてゆく喉

結末の骨より吹きすさぶ逃げる月の速度 ....
かげろうの人、その人は
ある日には草原で笛を吹く羊飼いだった
ある日には西の国の白髭の王様だった

かげろうの人、その人は
ある日には一日じゅう涙を流す未亡人だった
ある日には一日じゅう戯 ....
同じベンチで話していたはずなのに
いつしか君は二階の窓辺に立つようになった
僕は君に逢いに窓の下へと通うようになり
見上げるかたちで君と話すようになった

やがて君は窓辺に立つこともなくなり ....
君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから
また蝶を結ばなきゃならない

気泡が溢れた街は少しばかり辛い
栓をあけたまま数日もすればそれはもう飲めたもんじゃないが
今日の街はコークのように黒くて
 ....
{引用=とある列車事故から彼女は生まれた。
これは突拍子もないことに感じられるが、その他の誕生となんら違いのあるものではなかったのだ。}


-1-

とある小さな町で、列車の脱線事故が起 ....
最後のひと粒まで絞り出したと思っていた
種袋の中から再び種はとめどなく溢れて
私の足下を濡らします

蔓はのびて再び身体はとらわれ
私は動脈をあずけ蕾をひらくことに専念します
この柔らかい ....
綺麗を飾ればコサージュのような言葉
オーガンジーにシフォン、ローズの多重層
華やかなだけならば、脈がなくても事足りる

赤褐色の壁の向こうへハンマーを打ちつけて
さあ腹の底から泣いてみなさい ....
世の中が 世の中がって捲し立てるけど
蜂にさされたのは君じゃないだろう?
今の君は世界の不幸も届かないほど小さな楽園なんだよ

いざ、君が獅子のような蜂と対峙した時に
ようやく半径2mの世界 ....
伝書鳩がやってきて、クルックと一言

窓辺でギターを弾かないでください
そこから落ちるなんてもってのほか
宙に浮く、それは林檎の役目でしょう
風に揺られて雨に打たれて
ある時ぽとりと落ちる ....
からん、と通る 落ちる
瓶の口の正円 艶やかな曲線の裸体を抜けて
からん、と{ルビ生=な}る 
手足の生えた魂のような両手をひろげて
隙間なく横たわる 底
から見える瓶の口の正円
の正体は ....
{引用=決して君には映らないのに
何故君は私に映るのだろう}

林檎の皮を剥こうとも君ほどの素顔はない
時の奥にみる廃虚のように
冬の底に横たわるマグマのように
不謹慎ながら、なんて君の炎 ....
星の数だけ浮かんだそれぞれ孤独なロダンと
それぞれ頭の中で試されるモダニズム
泣きべそをかいた子供が唯一カギを持つこの城で
誰も知らない自分だけの
誰も知らない自分だけの
宇宙へと旅立ちます ....
人知れず錆びていく駅の鉄の柱達
開線当初の嬉々とした輝きは
今や夕暮れに溶け込んであまりにも静か

僕らを囲むすべてが知られることのない歴史を持ち寄って
今日を構築してる
遡ればほとんどの ....
星を喰う獅子が落ち
彼方燃える夕刻に
寄る辺ない足取りは
今にも崩れそうな橋を想定した
白線を辿る

鼻歌が頭蓋に響いては
鞄を持って耳から逃げてゆく
使い物にならない両手で耳を塞ぐと ....
{引用=死して尚も取引される彼
死を回避しながらも墓石に値をつける詐欺師の群れ
安らかな終焉にまだ続きがあったなら
それでも彼は穏やかに旅立っただろうか}

シャーマン達が今日も街中で炎を焚 ....
半透明な一日の中の朝が溢した
色のついたある一点を探しにいく

近況、そんな穏やかな毎日です


晴れた日の傘のように
言葉たちは眠っています
だから私はペンを置いて
モールス信号の ....
コン コン と叩けば

コン コン と骨の音がする

君は何処? と問えば

私は此処  と返ってくる

部屋はまるで君の肺のように
さりげなく わざとらしく
君の空気に満ちている ....
{引用=1

2

3

4

5


僕が赤ん坊だったように
君がまだ若葉であるように
真っ白なキャンバスでさえ
絶えず変化をしている

広大な土地も
同じような ....
{引用=疲弊を逃れるための読書の
薄くなったアイス珈琲の
ひと雫がおちる

または
五本目のホープの
味気ない六mgの
崩壊して灰が
おちる

または}


椅子の下へ目をや ....
ひどく疲れた時ほど
眠るのが怖い
このまま孤独の名前を
受け継いでしまうんじゃないか、と
そのまま全てが書きかけのまま
止まってしまうようで

帰りに知らない店に足を向けて
名前もわか ....
{引用=まだ、私の夢に虚無は訪れていない}

スロウで駆けてくる
馬の筋肉の躍動が
私の夢を横切る

霧のように潤ったこの部屋で
枯れたダリアが
二、三枚の葉を落とす

紙風船のよ ....
{引用=私達はそれぞれの製造番号を握り
はじかれる弾のように一列に並び
火力と素材を試されるべく
黒塗りの砲台へと歩一歩
天国と地獄は人間そのもの
私達は高層の屋上から
空が燃えるのを眺め ....
数千億の水の龍が
大地に嫁ぐ音で
安らかに{ルビ微睡=まどろ}む
頭蓋の裏窓から眺めるよ
天よりただその為に落ちる
水の龍達よ
すまない
君らを救えないが
私は救われた

頭蓋の裏 ....
{引用=ある時期が訪れると私の肌は、銀杏のように黄色く色づくのです}


銀杏のように色づくのです

オリンピックや、ワールドカップの時にだけでなく
箸を扱うときや、
ひとりこの畳の上で ....
{引用=人類は、まだ生まれたばかり}


時の口がガラスの乳房にぶら下がり
刻々と私の砂丘は完成されてゆく
埋もれゆくさなぎは薔薇の衣を纏って眠る
彼が(もしくは彼女が)飛び立つのを目にす ....
ユーフラテス川
という川の名前が
何故か印象から消えないのは
ユーラシア
ユグドラシル
など
ユから始まる名前が
好きだから
なのかもしれない
もし世界がユから始まるなら
僕はなん ....
お帰りなさい
お疲れでしょう
揺り椅子にでもおかけになって
紅茶でもいかがでしょう
お下げを{ルビ解=ほど}いて
ブーツを脱いで
銃を置いたらいかがでしょう

母親らしくなんて
似つ ....
太陽が
沈むまで
君のために祈ろう
あと40゜
君に祈るのに
残された時間は
あと40゜

君は
死ぬのかもしれない

それとも
ただ
立ち去ってしまう
のかもしれないし
 ....
夏嶋 真子さんの瑠王さんおすすめリスト(99)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
マロニエ通りを歩いた頃- 瑠王自由詩7*10-2-25
本当のことを知りたい- 瑠王自由詩12*10-2-18
逃げる月の速度- 瑠王自由詩7*10-2-16
かげろうの人- 瑠王自由詩3*10-2-12
そのベンチに置かれた一対の革靴について- 瑠王自由詩8*10-2-11
君が僕の靴紐を踏んでばかりいるから- 瑠王自由詩5*10-2-10
星の子_(1)- 瑠王散文(批評 ...2*10-2-5
vespertine- 瑠王自由詩5*10-2-4
break_reform- 瑠王自由詩6+*10-1-29
本能- 瑠王自由詩3*10-1-29
伝書鳩がやってきて- 瑠王自由詩4*10-1-21
よるのそこ- 瑠王自由詩5*10-1-20
ゆらめき- 瑠王携帯写真+ ...13*10-1-8
toilet- 瑠王自由詩8*10-1-5
骨達- 瑠王自由詩8*09-12-24
獅子と兎、声- 瑠王自由詩6*09-11-27
鳩の多い街- 瑠王自由詩4*09-11-26
水槽の中の日々- 瑠王自由詩9*09-11-11
可愛い秘密- 瑠王自由詩9*09-10-23
その二分間のための詩- 瑠王自由詩5*09-10-17
足下を照らす光の中で踊っている- 瑠王自由詩6*09-10-15
anyone,anywhere- 瑠王自由詩5*09-10-11
顔のない夢- 瑠王自由詩5*09-10-9
そのもの- 瑠王自由詩5*09-10-8
水の龍の嫁ぐ音- 瑠王自由詩6*09-9-30
銀杏の心- 瑠王自由詩5*09-9-24
薔薇の衣を纏って眠るさなぎ達のための詩- 瑠王自由詩5*09-9-23
もし世界がユから始まるなら- 瑠王自由詩11*09-9-9
ドーラの休日- 瑠王自由詩1*09-9-7
40゜- 瑠王自由詩5*09-9-6

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