すべてのおすすめ
  あの時のきみがずっと
  ぼくの傍でねむっている
  少しだけ、雨の匂いをさせて

  笑いながら喋りつづけた
  言葉はむなしい闇にのまれた
  若く優しいだけでいられた
 ....
  昼過ぎまで 魂をみていた
  ローソンに車を停めて
  海辺の商店街で

  わたしに友達はもういなかった
  腐った犬などがわたしの腕だった
  わたしの歯が彼らの瞳だった
 ....
  花弁 さるすべりの
  あおい昏さにあかるみ、
  わたしたちは愛した 確かに
  弱さのかげにしおれた また一つの
  どうしようもない弱さ・ひとらしさを
  愛した 確かに  ....
  戯れに
  たまを投げ
  くれないの崖
  に、蜥蜴たちが{ルビ円=まる}
  い、女らから、嵩張る
  ち、をさそわれ、しらないまちの
  下水管にしたたっている師走の月の ....
  しろいつららが
  落ちてきそうで 落ちてこない午後


  まぬけな顔で 口をあけて
  なんの涙か 涙さえうかべて
  あなたがその 錆びた屋根をみている


  ぼ ....
  驚くに値しない
  あなたの指のなかに
  古い町がひとつ埋まっていようが


  青い部屋でわたしは 静かなチーズを齧る
  散らばっていた 丸い 悲しみの粒を
  一列に ....
  冷えた三角形がピアノ線で
  夜に吊るされ 波打っている
  白いチョークで昼のうちに引かれた
  いびつな線路をたどり その女は
  むかつくほどきらいな男に会いに行くところだ
 ....
  敷布に押しこまれた
  あなたのからだは私が
  思ったよりはるかに固かった
  きたない床をつま先でやりすごす
  垢のういた日々が私たちの居場所だから
  言葉のなかにかくさ ....
  せめて、
  あなたには桃を食べていてほしい
  朝のかなしい光のなか 窓のあたりに椅子を置いて



  それ以外なにも望まない
  古い歌があなたの心に絶えず降ってくる
 ....
  玉蜀黍よ、わたしは考えていた
  家にのこしてきた洗濯物のことや
  背広にしのばせた セブンスターの空き箱のこと
  やがて都市は赤く染まり
  猿はどこまでも愚かに
  皺が ....
  透明な石になりたかった
  あなたのからだを
  ただ
  通過するだけの



  暴かれることのない
  巧妙な嘘になりたかった
  ひとのこころのくらがりに
   ....
  月が
  奏で、
  室外機が歌う



  実直な夜
  君が
  眠りにつく頃には



  風が
  そっと
  欄干を滑り落ちて
  夢の水へ沈む
 ....
  祖母の家で
  祖母と話す
  昔ながらの広い居間
  たっぷりの朝日が射しこんでいる



  通っている盆栽教室のことを
  嬉々として話す
  新しく入った若い女の ....
  きみの洗ってくれた
  白いシャツ
  お茶をこぼしちゃったよ



  二つの椅子が
  笑っている
  名前もしらない駅で
  通過待ちをしているような午後


 ....
  風が細り
  土が痩せる
  人の心は落ち葉のように
  秋には秋のかなしみ
  寄り添いあって焚き火をする



  闇が冷え
  光がけむる
  静かな予感で街は煌 ....
  二人で
  ふとんをしこう
  最後のニュースが
  かなしい話を終えたなら



  丁寧に
  ふとんをしこう
  僕らを責めたてる
  光たちにつかれたなら

 ....
  この星は太陽にとっての駅なのだろうか



  疑わず
  次の便を待っている
  何かの手違いで
  一日ほど遅延しても文句は言えまい



  夜風と目が合った

 ....
  いっせいに
  電気がきえたので
  きょうは
  星がみえた



  痛みは
  たくさんあるけれど
  間違いは
  ひとつもない
  かなしむひとには
   ....
  シロい空を研いで、
  そのままで問う。
  コトバの後に何が来るのか、
  やさしさに終りや、
  始まりはあったのか。



  セカイ、きみは素っ裸だ。
  ぼくは ....
  日曜日の
  台所
  きみは皿を洗う
  その手はぼくから見えない
  春の水はきっと
  未だつめたいだろう



  形のないものは
  流れる
  痛いほどの ....
  冬の肌
  そのうえに
  人生という
  響きを
  かるがるしく
  載せる



  石油の
  まるい匂いが
  通学路を
  行進している


 ....
かんなさんの草野春心さんおすすめリスト(21)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海からの光- 草野春心自由詩719-7-21
- 草野春心自由詩419-5-11
sarusuberi- 草野春心自由詩416-2-26
tama- 草野春心自由詩316-2-26
tsurara- 草野春心自由詩4*16-1-23
並べる- 草野春心自由詩16*15-5-23
冷えた三角形- 草野春心自由詩315-4-30
雑巾- 草野春心自由詩514-10-13
望み- 草野春心自由詩514-9-28
誰が誰かもわからない人だかりのなかで- 草野春心自由詩513-10-31
Being- 草野春心自由詩713-3-28
欄干- 草野春心自由詩712-7-12
祖母- 草野春心自由詩711-7-22
午後- 草野春心自由詩3*11-7-20
かなしみの四季- 草野春心自由詩4*11-7-17
ふとん- 草野春心自由詩9+*11-3-31
駅_4- 草野春心自由詩311-3-27
停電- 草野春心自由詩7*11-3-23
十一℃、曇天- 草野春心自由詩1*11-3-7
日曜日の台所- 草野春心自由詩509-4-19
冬の香- 草野春心自由詩2*08-12-18

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する