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幕開けに
ことばを持たずに臨みたい
髪を切って女という味を色濃くしたなら
フリックで弾いた間奏で涙をながして
愛をいただく年の瀬に助走する
底には濁りがある
ひとさじ掬ってわた ....
木々があいする木漏れ日のこと
川がめでるせせらぎのこと

雨が求めるつちの渇きのこと
太陽がほしがる水溜まりのこと

夕日があこがれる水平線のこと
朝陽がのぞむ暗やみのこと

 ....
ゆうぐれどきに
しらない風景にであう
いちにちの終わりとか
あしたの始まりとか
そういうことばでは言い表せないような
じかんのこどく

わたしはちらと時計を確認し
じかんという概念 ....
この頃 奴のことを思い出す
十代
という壊れそうなほどの
脆くできた日々を共にした奴のこと

わたしが幸せになったから
「君もそろそろ愛すべき人を
 手に入れたかい?」
そう思うの ....
ポケットから
手帳を取り出す手が冷たい
ことばを整理する
その過程で
冷えてゆくものも温まるものもある
あられが窓をしきりにノックする
冬が訪ねてくる深夜

うまれてきたことに感謝し
 ....
きょう
きみがうまれたひに
たどりつきました
ふたりでいっしょに
そのいみをすこしかみしめたい

いきかたは
ひどくつたなくて
そのすえに
きみにであったような
きがした

 ....
しをかいている
ゆうこくの
まどべで
しをかきむしって
ちがすこし
にじんでいる
いたくはないので
うたいます

にじがでていた
ひるまの
なまぬるいくうきを
ぬぎさって
 ....
生ぬるいカフェオレを飲んでいた
あめが
ぽつりぽつりと
窓を叩いて
私に何かを伝えていく
内容などわからない
感触のない
あいのようなものだろうと考えていた

君が
冷たい氷の ....
透明な絵本を
じっと見ている子供がいて
クレヨンを持って
かがやいた笑顔をみせる
 (これは何色なの?
としきりに尋ねてくるので
答えに困って
好きな色で塗ってごらんと
うなず ....
草野春心さんのかんなさんおすすめリスト(9)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩忘(しわす)- かんな自由詩15*15-12-29
君に触れるということ- かんな自由詩24*15-4-30
じかんのこどく- かんな自由詩8*13-9-29
そうやって君のやさしさであるように- かんな自由詩3*13-7-21
冬が訪ねてくる深夜- かんな自由詩16*11-12-3
りょう/うまれたひ- かんな自由詩21*11-9-2
しいている- かんな自由詩7*11-8-20
あめとあい- かんな自由詩7*11-8-2
透明な絵本- かんな自由詩33*11-3-16

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