すべてのおすすめ
重ねた足跡は
ガラス越しの瞳に
醜く映りましたか?

放せなかった冷たい手を
懐かしんではいけませんか?

見上げた空から降る雪
ずっと昔別々に見た白

続かなかった足跡でも
消 ....
およいでいる、ということに
気がついてしまうと
溺れはじめる


 わたしが
 わたしを忘れることも
 たいせつな息継ぎ

 うまれもった、すべ



音色、という文 ....
昼寝から覚める夕刻に
酷く冷たい床に身を縮めて
温い膝に唇を当てた

ふぅと
吐きだされた息は床の上
ずずずと
滑るようにあちら側へと
流れていくのが見えたから
私なんだか
一 ....
雨をひらいて いくつもの声のその中へ
飛び込んでいければいいと思った
軒下からしたたる雫が はねて、
とりとめない心に降りかかる
泣いているの、とたずねる人の
声がしたような気がして
振り ....
灰とむらさき
雨の上の火
かわいた光
海と曇
午後の髪
見つめる目


はざまの冬
まばたきの子
すぎさる たなびく
包み紙の旗
変わりつづける
足跡に降る
置 ....
 
僕から君へ
それは届かないかもしれないけれど

届いてしまったなら
ごめんなさい
僕は
それが届いてしまった
世界であやまってばかりいた

ねえ、おかあさん
ここはどこなんだ ....
君のことを描くたびに
ひとつずつ言葉を失っていった
すっかり軽くなった水彩箱には
たったひとつの「ありがとう」が
隅にこびりついて震えている

―――ありがとう。

それだけで ....
駆けて来る
駆けて来る
薄氷を割るように
静かなギャロップで
はるかの足並みで


銀のたてがみをひるがえし
地上へと駆けて来る
お前の目の中で火が燃えている
お前が見つめると
 ....
身のまわりの色彩が不思議と淡くなる夜
胸のうちに浮かぶ
いくつかの
花の名

鍵盤をやわらかに歌わせる指たちの幻

夢のうちを
あるいは予感のうちを
あえかにかすめていった 星のよう ....
せせらぎは 
言葉を濁すことを知らない

そこはかとない波のゆらめきに
疲れた手を浸し 剥がれてしまいそうな
うろこか言葉かわからないようなものを
さらさら、と流し
そして しぐさを落と ....
月を遠ざけるものを捜して
迷い込んだ森

薄紙で封印された
わたしを引き裂いて
生まれてくるものがある
皮膚がわたしを押さえつけていた
だから、だ

破りとられて流し続ける
温かい ....
分からないことが
きみの
口に
つめこめれて、むきだしにされた
まま、きみは運ばれていった、

夜には、
わたしの口に、きみの死が
押し込められて、
何もできないということの ....
(1)

明日と言う日の訪れを恐れるときがある
気を紛らわすことさえままならず
早々に床についたとしても
考えるのは埒のあかないことばかりで
苦し紛れの寝返りを打てば
人の気も知らず目覚 ....
すこしだけ怖いことを考えたくて
夢の中で君を消した
白い朝がやってきた
さよならが乾きたてのころ



机の上に散乱する単語帳
角が折れてめくれてゆく
覚えることと忘れないこ ....
それは
見覚えのある目
はっきりとは覚えておらず
覚えておけるはずもなく
覚えておいては
いけない
気もする



或いはそれは
鳴りやまない声
 欲しがるように
 さげ ....
 *灯台

   かすかにまだ
   光っている
   間違えたままの、
   やさしい思い出
   わたしの幸福な思い違いを
   あなたは
   そのままにしてしまったから
 ....
とおいとおいむかしから
ほしぞらの中に
ぼくたちは住んでいて

三年にいちど
地上へ水を飲みに降りる時は
ロープを一本垂らし
それを垂直に降り
まる三日間かけて
水場に到着する

 ....
さようならの準備を
あなたがいなくなって 私がいなくなって
おそらくそこに愛は残らないでしょう
さようならの準備を
怖がりはしません 前から知っていたから
幸せな日々と 永久のさようなら ....
握り締めたのは 
あの日の青
解いたのは
いつかの夕焼け

ねぇ 
時さえ許せば
気の遠くなるあの日まで
歩いてだって行ける

朝が来て 
夜が来る
不変の真実ばかりを
抱き ....
ノートに書いた文字が
はしから消えてゆくのと
あなたは不思議そうに
ペンを見つめていました

言葉がかわいそうだから
もうこれ以上は言わないのと
あなたはすっかり黙って
消えた文字を追 ....
りっしんべんに 新字体の
柔らかくなる きみのかたち
なぞらえる 次ぎにくる列車の電報

ドタンド タン カッタカッタカッタ ア ゴー 

コウヒイの煙 たちのぼる屋根
スウ ....
君を傷つけたくなかったんじゃない

傷ついた君を見て
自分が傷つくのが怖かったんだ

君を傷つけたくないからと
自分に言い聞かせては

君に伝えたかった一言を
どれだけ置き去りにし ....
静脈を流れていった
幾度かの夏がありまして
網膜に棲みついた
((ただそれだけの))海があります

無人の駅舎―――ああ、思い返せば
入り口でした この仕掛け絵本の


 ....
{引用=ただいま}
毎年の
「ただいま」
が年々ぎこちなくなってゆくのを
自分で感じているのに


{引用=おかえりなさい}
あなたの
「おかえりなさい」
は年々なじんで
小川の ....
夕暮れ、薔薇は香っていた
まだ残る夕光の中で
私は花びらをそっとむしりとる
指先がいとしくて
何かを待ちわびて


ふっと夏の透き通る波が
心に押し寄せて来て足先を濡らし
すべてを呑 ....
糸を手繰り寄せたら誰もいなかった

箱庭の底で空洞の心を
横たえて寝台で眠る
かつては赤い花が咲いていた
幻想に魅せられ
悲しくも切なく踊れば
時は流れ枯れ

散らばった破片の
そ ....
まだらな午後の嗚咽を受け
震える水の膜の指
またどこかへ連れ去られ
またどこかに立ちつくす


ゆうるりと巡る音がある
出口を持たない入口がある
飾られすぎた光を燃して ....
抱きしめるのだ
抱きしめられたように
ときには
生涯をかけて抱きしめるのだ
そのことにより
水は底まで澄み
風はふたたび生まれて流れはじめるのだ
抱きしめるものの眼にかわり
月は
修 ....
可哀想な兄弟
鎖に捕らわれて
狭い部屋で
声を重ねて歌うよ

昔に聴いた子守唄
眠れよ眠れ
静かに眠れよ
響き合う声は透けて
やがて光を呼ぶ

兄さん、聞いて
僕たちは
呪わ ....
昨日から降り続いていた
雨が上がった

灰色の雲の切れ間から
太陽が俺に申し訳ない
とでも言ってるのか?
半分だけ顔を出している

部屋には雑に干してある
服の展示会だ


ポ ....
水島芳野さんの自由詩おすすめリスト(128)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鏡花水月- 衿野果歩自由詩2*08-12-20
水の器- 千波 一 ...自由詩12+*08-12-11
冷たい床- いのせん ...自由詩208-12-10
雨をひらく- 石瀬琳々自由詩15*08-12-10
- 木立 悟自由詩508-12-10
ごめんなさい- 小川 葉自由詩408-12-10
セルリアン- Rin K自由詩2708-12-10
冬の馬- 石瀬琳々自由詩22*08-12-4
ひそやかに- 塔野夏子自由詩9*08-11-9
深い森- さくら自由詩17*08-11-9
あわせかがみ- たりぽん ...自由詩22+*08-10-19
分からないことがきみの口につめこまれて- こもん自由詩1708-9-18
遠ざかるひと- 恋月 ぴ ...自由詩38*08-7-23
環情線- Rin K自由詩37*08-7-20
底なし沼- 千波 一 ...自由詩5*08-7-15
海辺の詩集- 嘉野千尋自由詩49*08-7-13
きんの羊- れんげ自由詩3*08-7-3
さようならの準備を- 自由詩208-6-30
飴色のすたるじゐ- 三上あず自由詩9*08-6-30
「満たされたいと思うとき」- ベンジャ ...自由詩6*08-6-30
Cepheid- あすくれ ...自由詩3*08-6-30
僕の優しさ- small hands自由詩6*08-6-28
仕掛絵本- Rin K自由詩33*08-6-27
ムラサキサギゴケ- AB(な ...自由詩23*08-6-20
夏至- 石瀬琳々自由詩23*08-6-19
箱庭に糸- AKiHiCo自由詩308-6-14
ひとつ_まよう- 木立 悟自由詩608-6-14
- Etuj ...自由詩208-6-11
犠牲- AKiHiCo自由詩408-6-8
日常の日常- 赤澤るろ ...自由詩2*08-6-8

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5