心臓を撃ちぬかれ邦人記者の身はミャンマーの路に倒れたりけり
夕されば高き帳に望月の影透けて咲きよいやみを待つ
ゆくへなき水だに君に恋すてふ命のなごりに青霧となる
秋と言ひ長き夢路を眩ませし霧は瀬に立つ蒼き陽炎(かげろ ....
桜島
あいつは
男だ
フルボリュームで
ヘッドホンを聞き
エコーバリバリ
エレキは叫ぶ
ピアノの音
癒してくれる
短調の物悲しさ
丁度良い周波数
明日も頑張るぞ
エンジン全開
順風満帆
苦しみ ....
兎だった頃に住んでいた 詩の檻を残らず焼き尽くして
密度の無い灰と残響で鳴く骸を抱えて 地平を見据える
先にぼやけて見えるのは 何だっけか 名詞も忘れてしまったようだ
カフェラテを飲み ....
早朝、床に坐り
瞳を閉じるマザーは
今日の路上で出逢う飢えた人と
お互いの間にうまれる
あの光で
幸福につつまれるように
無数の皺が刻まれた
両手を合わせる
身を包 ....
コンクリートの壁に囲まれた
独房のような病室のベッドの上
路上に倒れていた男の
ふくらはぎに密集して肉を喰う
すべての虫を布で拭き取る
白い服の老婆
「 マザー・・・
....
アカ抜けた紫式部 連れ出して 都上空 歌詠みデート
芸術が権力を持ったとき
自ずと芸術性を失うだろう
ジャーナリストが権力を監視するように
芸術も権力と反目
成功した芸術家が
安全な場所で表現したところで
何の感動もない
目に染みるよ ....
殆どの人間が
近視か遠視だ
もしくは目がない
目が飛び出して
破裂しそうな奴もいる
無論、私もその一員である
私達と世界の間には
電子機器の画面や書物
カメラのファインダーがある
....
良い国は波が攫ったあの砂が積もってできるどこか遠くに
クレパスで描いたお城に住んでいるあの日の私あのときの夢
ヒーローと悪役だけだと思ってた世の中全部白と黒だと
花の名も虫の名も全部 ....
星、吸う'p カ-rテンレール越しの 灯り アルカリの
吐露 'Eの汽車の 或る一室に看る夢は揺り篭の 姫林檎
rin-音/g-0の鈴と フルートの寝息/fldの 緋化学的な'r ....
眠れないからもう諦めることにして
空中に浮かんでいる音階を拾い集めては
群青の彼方へと放り投げている
あれがいつか星になればいいとおもう
店内に置かれた
壊れた自転車の傍らに
しゃがんだ青年は
工具を握る
「 本屋さんはどこですか? 」
歩道を通るわたしの声に
こちらを見上げた青年の
汚れた頬に
....
シロとクロは
相反する色をして
だけど、寄り添い
補っているようで
二匹はいつも
空き地の隅に
重なるように眠っている
実際は交ざることなく
無造作に生えた緑から
シ ....
緑の苔
青い水
赤い鯉
黄の竹
黒い岩
白い礫
茶の軒
紫の薊
白い息
丸い心
甘い飴
母の声
自分が否定されない場所に逃げ込んだあなたは
人に干渉しない場所に逃げ込んだ
特に些細な事では感動しなくなった
今にも崩れ落ちそうな自分を
冷静であるかのように装った
あなたは文字を書き始 ....
雨音はうるさく感じない。
胎内にいた頃の音に似ているのだろうか。
本を片手に聞き流すラジオのように
傍らでそっと邪魔をせずに正座している。
垂直に降る水の簾をかい ....
{引用=それは
真新しい譜面から
厳かに音があふれ出すように}
昏々と眠っていた東の山が目覚め
肌を震わせ鳴り始める
金色に燃える音をかき鳴らす
ほの白い月は
裏旋律を歌い上げる
....
僕らはいつまでこうして悩み、
こうして苦しまなければいけないのか
朝日が昇る時、
それは本当に変わるのか
僕らはいつまでここにいなければいけないのか
僕らはいつまで繰り返すのか
....
小さな丘の上
僕ら
家を建てた
誰もいないそこは
僕らだけの世界
見上げると
小さく光る
真っ黒のキャンパスに
光る雫が零れる
輝く絵の具
笑顔をくれる
真っ黒のキャンパ ....
焦点をぶれさせるため朝はある 指のすきまに宿る色彩
眠り明け 耳鳴り低く響くので 夢のはしから余白を殺す
むしられる前のつぼみに似たひとの、首をしずかに傾けるさま
唐突に遠さ ....
僕の最期は いつまでも拍手が鳴り止まなければ良いな
バラバラなオレの個性を
一点の輝きと恍惚の色合いとともに
谷水(こくすい)の流れ
まさに澄み切った
この気持ちとともに
源流をたどる ....
出だしのことばにつまったままの僕に
アルフレッドの声が聞こえてきた
日常を越えられない世界で
はいずり廻る者達のための
優しい歌が好き
この世 ....
むかし
海に砂糖を入れたら甘くなるかという事を
思ったもんだ
発展した技術屋かなんかが
科学的に
科学的に証明したのでつまらない
詩人が持つことを許されたピースが
また1 ....
注意・・・あくまでも私の主観ですから、笑い飛ばして下さい。
ズバっと言ってしまう系が苦手な方はお控え下さい。
ノークレームでよろしくお願いします。
毒舌指数★★☆☆☆☆
第一 ....
性能は読み違えた
解体処理は返品された
変形された甲殻は
背骨から突き出た石の傘
平行して過ちを犯す
A、B、の角度を測る
私はシーソーの上に立っている
その中心で子猿が
母親の骨をぶ ....
あいつらは俺に言った。
この両手が何のためについているか、知ってるか?
知らないなら教えてやろう。
目の前にいる人を、抱きしめて離さないことだ。
愛する人に、さよならするために振るものでは ....
悪魔さえも棄てた地を目指しては歩く 一つ目の兎
月の代わりに道化師の髑髏を抱え 赤茶けた朽木を踏みつける
こうも詭弁に塗れた世界では 死に追いつかれないだけでも
目の奥が燃える
サーカス ....
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