最初は平凡なライトフライだと思った。
しかし、白球は八月の太陽に吸い込まれると、思いのほか、その滞空時間を伸ばした。
右翼手がスローモーションでそれを見送る。
やがて、白球が静まり返った観客席中 ....
意味なき意味を詩人往き
あとにつづくは詩人のみ
素材の味はそのままに
繁る葉食うも便にそのまま
渡る連々 わずかに空

意味なき意味を詩人往き
あとに残るは意味ばかり
砂利も詰草ものけ ....
俺は残酷だから
ダメなものにダメと言わない
そんな親切なことはしない
世の中と同じようにしてるだけだぜ
掴みかかった二階建てのバスに
白子が汗をかいて座って
手をふりもせず故郷との別れを惜しみ
心臓の嘆きも三角巾の純白も
一緒に連れ添っていました
その速さ時速60キロ

真っ白なビーズクッ ....
ふわりとしたなかに
グワリと揺れていく内耳を
参拝

泡が散らばる空中に
飛んでいける浮力は
いつも心臓で作り出されているね
白ゴマを口にいれ
たくさん喋りだす骸骨は
人類愛の ....
哀愁を
 助手席に乗せ Jazzを聴く

  将軍塚へ

   深夜ドライブ
空にたつ少年
キャンバスを粗く擦ったような
雲をみあげる
銀色の髪
長袖Tシャツとバスケットシューズ
細い骨の孤独を
風に{ルビ晒=さら}している

視界に収まらない空
どこからがは ....
 公園の水のほとりで
 老人が自爆している
 ソフトクリーム胸に突き刺しながら


 芥子色のニット帽が
 つぶれて落ちている
 喘ぐ声は、聞こえない


 だ ....
人間を演っていると
大切なことを忘れてしまう
俺たちはもう
鎖を千切ってしまっている

もう一度
方舟が迎えにくることはない



?.

詭弁を操るマリオネットが
お前の冷 ....
今、線路の上に横たわっている
硬いレールの上に、手、足、背中、後頭部
知覚するには充分な、支える点の数々
小さな振動を感じている
少し浮き上がる体、そして着地する
少し浮き上がる体、そして着 ....
煙草の匂いが服に染みて
肖像を形成してゆく
悪魔の箱が崩れた隻眼の
ガラス玉の輝きは失われたろう

黙って世界を怨むことにしたよ

褒められたいから 飼われたオオカミは
心臓に噛み付い ....
秋晴れに
人に求めしカットソー
ふわりとかぶり雲と交わる

顔を上げる 上着の裾がふくらんで
脚から髪まで揺らす風の音

体のびて 力が抜けて 夜も更けて
彼岸の君に会いに行く 今
「今四条通りに居るし出てきいひん?昨日の喧嘩は白紙に戻して」


「なら広隆寺で泣き仏像でも拝む?」「今どこにいる?」「外語大前」


バスよりも歩きが似合うこの気持ち 天神川を静かに下れ ....
黒鴉
濡れ羽艶めく
雨上がり

冷たき雫も
光にかえて
私は電気椅子に座って
頭をケーブルで繋がれ
闇の世界を支配している
一つの生贄は
民衆の意思によって
何時でも処刑する事ができる

暗闇の中
力なく項垂れた女の
十メートル後ろをつい ....
屋上では映画がひっきりなしに流れている
でも誰もいない
わたしひとりしかいない

屋上から見る景色の半分は空で
誰かが火をつけたみたいに
スクリーンは赤く燃え上がる

こつ ....
わたしは怠け者であるゆえに 
連休前に風邪をひき 
おまけの休みの時間のなかで 
らんぷ一つの寝台によこたわり 
両手に持った本を開いて 
在りし日の 
詩人の哀しみを読む 


  ....
彼女の瞼は、ある種の確認に満ちた、
10000本のクラリネット。
消えゆくランプの影を踏み、
ゆるやかにダンスすることを好む。

降りてきなさい、光よ、降りてきなさい。

痙攣する、
 ....
煙あげ無情に焦げるアタリメの曲線に似た情けない意志


「ザル通り越してお前はもう底の抜けた筒抜けの樽か何かだ」


鶏なんこつ ねぎま 鶏もも 豚カシラ つくね 手羽先 タレより塩で
 ....
世界がひっくり返ったのか
あたしがひっくり返ったのか

そんなのどっちだっていいけれど

空までのぼっていくような晴れた気持ちは
はちんとはじけて

水溜りがはねて汚しちゃった
 ....
詠めへんわ

北大路橋 好きすぎて

三十一文字に まとめきれへん
目の前に横たわる死体から
なにを手に入れた

喉を縊ったその手は失ったはずだ
束縛を解いたその心は手に入れたはずだ

保存エネルギーを

{引用=
電柱の上にとまった黒い少女
クス ....
無いものねだりをするよりはと
秋の白い雲流れる堤防で
ひとり
清貧ということばの意味に思いを馳せる

それはあまりにも懐かしいことば
仄かなランプの灯かりを頼りに
見果てぬ夢を追い続けら ....
油をひいたばかりの床に
児らの笑い声が散らばっていたので
つまんで手の平にのせたら
ころころとふるえて弾けた
遠き山に、日は落ちて
白墨を移した袖口に
西日との混濁を見る

小さな胸に ....
   いさり火の あかく燃えたつ 秋の暮れ



いっぴきの蜘蛛は、
自分の領分をわきまえて
一心に一糸の糸を張りめぐらす。
それはそれは正確で絶妙に

果して、
わたしはどう ....
聖なるかな

聖なるかな




この世を地獄と見極めて

この世の苦しみを解き明かさんと

苦しみの中に向かってゆく者は












聖な ....
信号が赤になり 
車を停めると 
予報外れの雨粒を拭う 
ワイパーの向こうに 
頭を霧に覆われた
高層マンション 

霧のちぎれる間に覗いた 
バルコニー 
干されたままの布団がひと ....
 老婆はいた
 透明なアトリエに
 少年とともに

 パレットの上ではいつも
 色がつくられている
 新しい色は
 ひょっとしたら 美しい色
 かもしれない

 ふたりはひとりで
 ....
悲喜(ヒキ)とりどり
色鮮やかな
あの日の絵画

ただ「アリガトウ」と
隅に書き添え
かなしくはないと云ってよあおい檸檬
    軽く齧ったあなたとわたし


黒髪が胸にまつわり痛くって
    あなたを睨むそろえ前髪


爪を噛むしぐさを憎むいっそすぐ
    指を ....
榊 慧さんのおすすめリスト(607)
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TITLE- 000自由詩207-10-6
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統制- 狩心自由詩4*07-10-4
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Note- んなこた ...自由詩207-10-4
酒場で- 町田アキ ...短歌4*07-10-4
くるり- 蒼依自由詩207-10-4
平安ブルー_11- 北大路京 ...短歌5*07-10-4
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銭の花- 恋月 ぴ ...自由詩34*07-10-3
上手な家への帰りかた- 日向夕美自由詩4*07-10-3
曼珠沙華- こしごえ自由詩14*07-10-1
せいなるかな- 相良ゆう自由詩1*07-9-30
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少年と老婆- かとうゆ ...自由詩307-9-30
『ムカシバナシ』- しろいぬ短歌3*07-9-29
あおい檸檬- 石瀬琳々短歌13*07-9-29

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