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いくつかの朝と夜が
一日を切り分け
昼間を結ぶたび

あるようで
ないものを
数えていた

いくつ数えても
増えないものを
数えていた

いくつかの朝と夜が
泥のような一 ....
しらない国から
風が吹き
しらない国へと
わたってゆく

鳥でもこうは
とべません

しらない国から
雲がきて
しらない国の
滝となる

鯉でもこうは
のぼれません
 ....
まつげが
長いから
ほかのひとよりも
うす暗い世界で
生きている

ときどき はっ として
息をとめている
チェリーを吸ってた
女の子

思い出すように
生きるから
死ん ....
にっこり笑う
目じりと頬のしわ ふけた
働きものの手指はかわりなく ただいまといって

にっこり笑う 目が やっぱりビー玉みたいにすこしひかっていた
わたしがあなたの下着を干しているあいだ
あなたはわたしのために歌をうたっている

わたしがにんにくの皮を剥いているあいだ
あなたは二人分のコーヒーを落としている

わたしが玄関のタイル ....
見あげた鉄塔は
汗もかけずに
さむざむと鉄色をしている

足もとの濃い影が
すこしだけ揺れて
ふりむいたすべてはあかるすぎて見えない

あかるすぎて
見えないなかで
あなたがあ ....
愛していると
水に沈めるようにしか
言えなかった

おもたいものほど
きちんと遠くへ沈むので

うみがめが
なみだを分泌するように
水のなかで
愛しているを
沈めている

 ....
むかし熊だったころの話をすると
わたしの手あしの毒虫に噛まれたところがどくどくと痛むので
これはむかし熊だったころにも同じところを噛まれたのだろうなと
予想できる

それくらいの頭で
 ....
陽のしたで
わらっている子ども
泣くとき大声あげるん
だろうな

ひざをかかえて
血をなめている
わたしのもとへ来る蛾は
どいつも羽が
不揃いで

うまく飛べるように
たか ....
押しだされる
水はつめたい

書物は
ため息のようにぶ厚い
きみのまぶたは
蝶の羽のようなかすかな運動をつづけている

空気は遠くなりすぎた
青はためらい
黄色は純情
うす紫 ....
みて
水曜日が
からからに
干上がっている

じょうずに染まってみても
ここには誰もこない
いいから、早く
あぶらまみれの手を
さしだしてみろよ

たじろぐ君のうら側で
折りたたまれた意味が
つぎつぎと辞書へかえってゆく
ノックを待たずに
こちらからドアーを開ける

いつも
だれか にとっての だれか のかわり

ドアーが開いて閉じ
もういちど開いて閉じるまで

種火がはげしくなり
さかい目をも ....
今日がなかなか終わらないで
あしぶみする明日がくさっている
あたたかいのは
泥だった

あたらしいものを食べたくて
舫いをはずしたのに
気がつけば
泥をさがしている

これは
 ....
きょう一日をやりおおせた
とおもうのは
はげしい気もちをした日とか
ふかく考えをした日とかでなく
よっぽどの働きをした日でもなく

さるすべりの花の咲いてあるのを数えたり
五つからな ....
さか立ちして
空でおよいだ

ふようの花が
あしたしなびるのに
ぱあ とひらいてみせたりするさまが
頬紅とにている

あるいはいつものぼる太陽と
にているかもしれない
あしたし ....
あかぐろい肌をして
山盛りの雲をあおぐ
雨を待つわずかの間に
なんども恋におちる

季節はぎしぎし言う
発情のおわらない猫が
前足で引き留めている
濃緑が
少女を溶かしてしまった ....

たとえば
装填されていない銃ほど
うつくしいものがあるか

街、
羽を抜かれた鳩が飛ぶ

仰向けで泳ぐ魚
黒鍵のないピアノ


引き金を引くときは
かわくほど目 ....
谷底に
毛布を敷いて
300日まえの
ことばを聞いている

気の遠くなる
甘やかさのなかで
遺書のような
うたを編んだ
花が咲いて
枯れるくらい
自然なことなら
実も成ったかしら

わたしたち
日も浴びず
水も貰わず
季節を泳ぎもしなかった

朝焼けを閉めだして
つくった夜に
プラスチックで ....
よるに
向かいあって
ぎざぎざした

あさが来てもまだ
ぎざぎざした

こころが
溶けあわないので
せめて
からだだけでも

寄りそってみても
ぎざぎざした

月が
 ....
こころが
あまりに泳ぐので
からだは
すっかりさかなのようになった

くらやみで
もの見えず
熱のほうへと泳ぐこころに

からだは
ぴったりよりそい
もとめるものをもとめてい ....
愛と詩はべつものよ
花瓶の花と荒野の花とに
どれほどの貴賎があるだろう



ただ咲くように咲け
それをときどきやさしく飾るのが
詩の役割だろう
あるいはこれが
さびしさなら
まだ よかったね

線路のわきの
姫女苑
のこった青に
境界を引き

のばした先に
ぬれた鉄柵

あるいはこれに
なまえがあれば
なぐさめ ....
ひかりがあふれすぎて
窓が溶けている
高速道路のインター、
群れ、群れ、群れ、群れ

むこうのほうに少し風が吹いているのが見える。

川沿い、
はんたい側には
ささやかな川
流 ....
とくべつかたい
ピスタチオのからは
男の子に剥いてもらうべき
力みながらも丁寧な
あかく膨張する指さき

そんなふうに
やわらかい衣服もおんなじように
色っぽく剥けばいいって思って ....
そのほうがいいよ
世界を
つくるよりも

目を
とじて
そっと
ふたをする

そのほうがいいよ
血のたりない地面に
なめまわされた夢を
よこたえる
きれいにつみかさねた夜でできたお城
ぴかぴかに磨かれた言葉たち
いい匂いのする分厚いカーテンをくぐって
しらじらしい朝をくぐって

いくつものいくつもの
いくつもの肌をふみにじって
 ....
ゆらして
ほどく手つきが
りぼんをあつかう様で
とてもうつくしい

はさみでしごいて
カールをつくる手もと

わたしは
でも
りぼんでも
贈りものでも
ない

はやくこ ....
夜がながれております
黒です

いっぽんの
さむざむとした白が
なぶられるように揉まれております
黒です

それ以上のことが
なにか目の前でおころうとしているのに
ただたちつく ....
殿上 童さんのはるなさんおすすめリスト(484)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いくつかの- はるな自由詩212-9-8
しらない国- はるな自由詩412-9-7
チェリー- はるな自由詩612-9-7
ビー玉- はるな自由詩212-9-3
抱きあう動物- はるな自由詩512-8-28
鉄塔- はるな自由詩312-8-28
産卵- はるな自由詩712-8-25
美しいひと- はるな自由詩412-8-24
- はるな自由詩212-8-24
するどい時計- はるな自由詩912-8-18
からから- はるな自由詩712-8-15
辞書- はるな自由詩212-8-11
娼婦- はるな自由詩212-8-11
ゆめ- はるな自由詩512-8-7
やりおおせる- はるな自由詩312-8-5
頬紅- はるな自由詩212-8-5
丘の魚- はるな自由詩912-8-4
撃鉄- はるな自由詩512-8-2
谷底- はるな自由詩812-7-27
- はるな自由詩412-7-27
ぎざぎざ- はるな自由詩512-7-25
さかな- はるな自由詩612-7-22
愛と詩は- はるな自由詩412-7-22
鉄柵- はるな自由詩512-7-20
はめごろし- はるな自由詩412-7-19
ナッツ・ケーキ- はるな自由詩812-7-16
地面- はるな自由詩212-7-13
きれいなお城- はるな自由詩6+12-7-13
りぼん- はるな自由詩112-7-13
反転- はるな自由詩212-7-4

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