すべてのおすすめ
上手になりたいわけじゃない
練習なんかしたりしない

だけど、
いいわけしなきゃ
守れない暮らしがある

逃れる
技術のなさが
致命傷になることもある



上手にな ....
悪い噂は
広まりやすい

それが
己の護りになるなら
悪い噂はなお広まりやすい


悪い噂は
曲がりやすい

だれも
ほんとを求めないなら
悪い噂はなお曲がりやすい
 ....
多いので、

声高らかに
わたくし万歳、と
うたえるひとが多いので

練習中です。

眠りの床で
だれもきいていないところで
ありったけの小声で
練習中です

わたく ....
なにか
あたらしい生命を宿したように
ある種の覚悟を
はらんだようにもみえる
鮮やかな紅の群れ

陽をあびて
風にながれて
堅くも軟らかな血脈として
秋を運んでいる


そ ....
そのままでは
苦みが目立つだけ、だけど
他と交ざり合うことで
やわらかい香りの
洗練された甘みに
なる

涙もそうかしら
偽りもそうかしら
ため息もそうかしら

今す ....
ぬけがらは
掌の不浄に砕かれやすい

ぬけがらも不浄も掌も
やがては土へ帰す
全くの異種

ぬけがらを砕く枝は
融合であり
ぬけがらを砕く雨風は
融合であり
ぬけがらを砕く掌 ....
わたしの知らない
誰かの食事

わたしの知らない
誰かの寝息

そんなこと
知らないなら知らないで
なにひとつ困らない

そもそも
知らないことのほうが
はるかに多い
 ....
あまりに大きな世界の
ほんのひと粒ずつにすぎない実りは
そのささやかな色づきに
すべてを聞き取り
すべてを見届けたつもりで
素描します

そして素描は
素描の域を出ないのです

 ....
大人の期待を裏切らぬよう
寡黙な少年を演じきりました

大人のあいだに流れる噂と
その発信源である
個々の大人の評判を傷つけぬよう
物言わぬ少年を守り抜きました

こころを開け、と ....
かぜが
黄色味を帯びてきたから
わたしは防衛じみて
厚着をはじめる

何処とはいえない確かな弱り火の
冷まされゆくのが
伝わりはじめる

決して消させやしないと
言葉を選べば選 ....
断らずに済むのなら
だれも傷めず済むだろう

自分だけが傷めば済むだろう



弱音を吐かずに貫けば
士気は下がらず貫けるだろう

自分だけが背負う重みを貫けるだろう


 ....
太陽の手に編まれゆく

野山も風も
岩肌も

一気に編まれる日があれば
やすみやすみ
覚えたての音階のように
編まれる日もある

太陽の手に編まれゆく

波間もひかりも
 ....
春になったら
冬は死んじゃうのって
おまえがあんまり悲しそうだから
ひとつ、翼をあげよう
冬とおんなじに
翼をあげよう

どこへでも渡っておいで
時が満ちるまで
空がめぐるま ....
さほど
離れてはいないところ、の夏

されど
懐かしさがにじみ始める、夏



夕暮れを
言葉で描いてみるけれど

この手に握る貧しさが
あらわになるだけ



 ....
夢、を
にぎり締めたつもりで
ひたすら走った

走るしかなかった



懸命に汗をかいたら
報われるのだ、と信じた



吹く風は
流れる汗を連れ去って
清々しい ....
たちのぼる
言葉と夜の境界へ
金魚がゆらり、にげてゆく

すべからく
広がりはじめる黒の祭に
あらがう手立ては
浅瀬にある

鮮やかで
にぎやかな
喪失のなかに
ある
 ....
ほんの
小指のつめほどの
ささやかな背に
滑らかに乗る
勤労の
まる

悠長に
せわしげに
その身に負わされた太陽の名を
あちらこちらへ
振りまいて
唐突に
発つ

 ....
読みかけの本を開くと
こぬか雨の匂いが
した

ひさかたぶりの文字たちは
指さきにそっと、重たい


夏の終わりはいつも、そう

ひっそりと濡れて
いる


空高く ....
夢に向かって
突っ走るのは
れっきとした賭けごとですが

かけがえのない勝負なのです
一度きりの人生の

大いに得るか、失うか

自分の意志では
選べない結末だとしても
 ....
人を許すには
とても勇気が必要

一度は拒んだはずだから
ありったけの勇気を
もって



人を喜ぶには
とても痛覚が必要

麻痺しているはずだから
人が苦しみ悶 ....
割り切れたなら
気持ちがすっきり

それは事実


だけど
割り切れないことは
気持ちを強くしてくれる

それも事実



割る側を責めたり
許したり

割ら ....
もう二度と
会うことのないであろうひとを
思い出させるように、蝉時雨

誰、と決めず指定せず
つぎつぎと浮かんでは消えてゆく
顔と名前と時と場所

じっくりと、はっきりと
立ち止 ....
ほたる、を一つ
いかがです

わずかに手もとが明らむほどの
灯りを欲していませんか



ほそぼそと
消え入りそうな日々でしたらば

懸命に
頑固さを貫きとおす日々でしたら ....
はるか一等星に
わたしは及ぶべくもない

けれどもそれは
かの一等星とて同じこと

わたしには
わたしだけにしか放てぬ光と影がある

かの一等星にはない
幸いと慎ましさがあ ....
その一滴を
くちびるに運んだならば

あなたもわたしも
同じ生きもの


潤いの程度に差はあれど

却ってそれが
証になる

あなたとわたしを
等しく結びつけられることの ....
嘘をつくのなら
貝殻がごとく



言葉にしても
言葉にしなくても
おなじ結果なら

貝殻がごとく



傷つくことには、もう慣れた

冷たいことにも、もう慣れた
 ....
約束は
果たされないことの方が多いから
寂しそうに微笑むんだね

きっと、だれしも
去りぎわに

けれど

約束は
全く果たされないわけではないから
なおさら人は微笑んで ....
ぶれた背景と

ぼやけた輪郭

笑うのならば笑いなさい

ただし、
カメラワークを笑いなさい

わたしじゃなくて

カメラワークだけを笑いなさい






 ....
愛を語るにふさわしい
距離がある

夢を語るにふさわしい
距離がある

それゆえ
あなたとわたしには肉体があって
ときどき、響き合う

過去も未来も現在も
その伝播のなか ....
月のひかりを浴びながら
つめたくなってゆく
花たちの夏

大樹の枝に
かぜは寄り添って
静かに通過してゆく

静かに
静かに
無かったことになる

命あるものの
頼りなさ ....
殿上 童さんの千波 一也さんおすすめリスト(258)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いいわけ- 千波 一 ...自由詩514-11-20
悪い噂- 千波 一 ...自由詩314-11-18
わたくし万歳- 千波 一 ...自由詩414-11-1
紅葉群- 千波 一 ...自由詩614-10-12
バニラ・エッセンス- 千波 一 ...自由詩314-10-11
空蝉- 千波 一 ...自由詩214-10-10
祈りに似ている- 千波 一 ...自由詩314-10-9
愛をめぐる素描- 千波 一 ...自由詩214-10-8
そういう子でした- 千波 一 ...自由詩414-10-7
クール・ダウン- 千波 一 ...自由詩214-10-4
傷つくための選択肢- 千波 一 ...自由詩414-10-2
紡ぎうた- 千波 一 ...自由詩614-9-29
冬の翼- 千波 一 ...自由詩814-9-23
長月にすむ- 千波 一 ...自由詩514-9-19
風をさがして- 千波 一 ...自由詩414-9-18
金魚- 千波 一 ...自由詩814-9-17
てんとう虫- 千波 一 ...自由詩1314-9-16
贅沢- 千波 一 ...自由詩714-9-7
かけ算- 千波 一 ...自由詩314-9-6
条件- 千波 一 ...自由詩414-9-3
わり算- 千波 一 ...自由詩7+14-9-2
蝉時雨- 千波 一 ...自由詩514-8-30
ほたる屋- 千波 一 ...自由詩614-8-29
はるか一等星- 千波 一 ...自由詩5+14-8-28
一蓮托生- 千波 一 ...自由詩414-8-27
貝殻が嘘- 千波 一 ...自由詩514-8-19
優しいひとへ- 千波 一 ...自由詩314-8-18
カメラワークを笑いなさい- 千波 一 ...自由詩214-8-17
あいだ- 千波 一 ...自由詩714-8-15
真珠- 千波 一 ...自由詩414-8-14

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