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さくらの歌が
眠りにつくころ
駅がわたしを呼びにくる

路線図上の
きれいな文字は
すっかり古く、穏やかで
長く対峙することが
むずかしい


線路脇には
意味のあるものた ....
まだ去り切らない
冬を踏む

春の
躊躇をたすけるように
前向きに踏む

それが出来たら
夏は自分を裏切らない

秋の実りも
訪れる


最後の最後まで
冬を踏む ....
ため息を
つきたいがための
ため息に、くもる窓

渦巻く言葉の上辺には
夢を、
夢らしいものを、
夢と呼んで安らぐものを
もとめた日々が
静寂している



ゼロにも満た ....
言葉は
わたしに降りてこない

わたしを選んで
降りたりしない

だから
わたしは
降りしきる

言葉がわたしを拒んでも
言葉がわたしを拭っても

一途な
まよいに
 ....
あながち
間違いでもなさそうな
傾斜みち

おおきく
眼を閉じたまま
ひとつ、ひとつ、を
よく噛み砕いたら

背中に負うのは
真っ赤な約束
瓜二つ、
みたい


 ....
夜明けに向かい
風は吹いているか

夜の
深淵に向かい
風は吹いてはいまいか


晴天に向かい
蒼穹に向かい
風は吹いているか

雨雲に向かい
霹靂に向かい
風は吹いて ....
わたしに出来る
精いっぱいは
信じること、
です

だれの目にも
やさしく映るだろうほほ笑みを
信じること、
です


かなしい言葉は
もう、たくさんと
言い捨てる言葉は ....
見えないものに
なりたいな

癒えないものに
なりたいな


光らぬものに
なるもよし

至らぬものに
なるもよし


切れないものに
なれるかな

消えないもの ....
逆手にとられて
すまし顔

ちいさな指さき
ふんわり
帽子

空のふしぎは
まつげに揺れて

きらら、と
さよなら

あしたの
吐息

せせらぎの


 ....
おだやかな海

荒れ狂う、



語らない海

激昂の



揺りかごの海

黒い海


汚される海

奪う、



果てのない海

唯一の ....
旗を介して
風を視る

枝葉を介して
風を聴く

人の心を視るならば
何を介せば良いのだろう

人の心を聴くならば
何を介せば良いのだろう


船を介して
海を描く ....
やさしいひとの
翳りを見つけた日は
こころに羽が
生えるのです

軽くなって
軽くなって
どこへも辿り着けない
わたしになるのです

落下は
とても重たい手段だと
そうして ....
しずかに、

嘘へと
そっと染みたいのなら
おしずかに、



優しさは
まもられるもの、です

まもらなければ
すぐにも途絶える
希少な形なのです

傷の起源、 ....
かわいい鳥を囲うため
さくさく柵を
取付けて

だいじな獣を囲うため
さくさく柵を
取付けて

ときどき
強度が気になって
ときどき錆が気になって
色や模様も
気になって
 ....
こわれる為に
交わした約束が
あるとするならば

それは
しずかに
花の名のなかに
忍ばせておきましょう



生きものはみな
根を持ちます

水を吸い上げて
空にこ ....
打ち上げられた
鯨みたいに

疑問符は
すべもなく
空の青さを映しだしている



怒号も慟哭も、祝福も
みな同じ音ならば

この
広い世界に満ちるものは
みな同じ水だ ....
風を
えらべるはずもなく

帆船は
風にはこばれて

船乗りの
陽気なうたや哀しみが
だれにもえらべぬ
風となる

帆船をはこぶ
風となる
車窓からみえた
数羽の白鳥

つめたい水に
ああしてきれいに
浮くまでに
どれほど
ためらったことだろう
どれほど
しつけられたことだろう

わたしの知らない習わしが
見慣 ....
どんなに痩せた
棒切れも

地に
突き立てれば
影をなす

どんなに痩せた
影だとしても

それは確かに
日を浴びて

それは確かに
時を告げ

どんなに痩せた ....
今夜の雨は
いつもより遠い
気がしたのです

たぶん
わたしが降って
いたのでしょう

だれにも
干渉されまいと
狭いわたしが
いたのでしょう

他人はそれを
ときどき ....
わたしの指が
風にふれる、と
ふたたびページが
繰られます

偶然に
呼び起こされるまで
目ざめることの
なかった物語
でも、

待つことを
つづけてくれた
約束たち ....
海鳴りを背に

せめて
我が腕だけでも
遠ざけようとするように

防風林の枝はみな
左右の均衡を著しく
乱されて

ことしも
冬を受け流すため
寡黙に
されど着実に
葉 ....
星明かりの駅が
ひとつずつ滲んでゆく

瞳は
乾いてなどいない
まったく逆だ

夜から
いちばん遠いところが
すべてを飲み込み
夜を生むための
夜になる

そこに
ある ....
描ききれない、シンプル

単体のような集合体の
単体として

重厚に、
繊細に、
幸福に、

横顔の個性とやらを
際立たせる

まぼろしみたいに
贅沢に
ことばを選んできた

いいえ、
ことばに選ばれてきた

いずれにせよ
日は進んでゆくけれど

なにかしらの軽重に
傾かざるを得ない

そらを仰いで

いいえ、
そらに仰 ....
てのひらに
乗らずじまいの鳥でした

だから
わたしを探すなら
むこうの風の
枝あたり

落ちるともなく
揺られ続ける
木の葉の
ような

ささやかに
確信めいた一枚の ....
つき立てたスプーンは
さながら銀嶺

氷寒は、あまい
あまくて
ぬくい


だれかの失くした王冠と
つとめてしずかな
舌鼓


ありふれた脱ぎ捨て方で
癒しのすべが
 ....
あやうげな尖塔

さびしさの鼓舞

きらびやかなのは、包囲の目

負よ、閉じなさい

無が緩やかに解かれてゆくまで
むらさき色に
宇宙がのびていくのを
見た

小さな
わたしの夕暮れ


家々の窓には
サーモンピンクが
反射して

遡上の川を
わたしは想う


街灯がともるには
 ....
逆らいたいのに

敗訴、
愛想、

棚から大賞


ポチっと
ボタンを押したのち、
もちもち
ねばって

独りぼっちに
なれない
ぼっち


あやまち気味に
 ....
殿上 童さんの千波 一也さんおすすめリスト(258)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
記憶- 千波 一 ...自由詩4*12-4-18
春踏み- 千波 一 ...自由詩3*12-3-28
空に消えていく- 千波 一 ...自由詩4*12-1-31
- 千波 一 ...自由詩5*11-12-16
こしらえる花- 千波 一 ...自由詩4*11-12-14
風は吹いている- 千波 一 ...自由詩2*11-12-12
スマイル・アゲイン- 千波 一 ...自由詩1*11-12-7
うてな- 千波 一 ...自由詩5*11-11-30
白雪- 千波 一 ...自由詩2*11-11-29
姿なき海- 千波 一 ...自由詩3*11-11-23
心仲人- 千波 一 ...自由詩3*11-11-22
切り捨て難い暗がりへ- 千波 一 ...自由詩3*11-11-18
ハンカチーフ- 千波 一 ...自由詩4*11-11-17
柵のお手入れ- 千波 一 ...自由詩2*11-11-14
花瓶- 千波 一 ...自由詩2*11-11-12
花散る里- 千波 一 ...自由詩6*11-11-9
帆船- 千波 一 ...自由詩3*11-10-31
秋冷- 千波 一 ...自由詩5*11-10-30
日時計- 千波 一 ...自由詩5*11-10-28
合縁奇縁- 千波 一 ...自由詩4*11-10-27
しおり指- 千波 一 ...自由詩3*11-10-26
防風林- 千波 一 ...自由詩2*11-10-25
水底- 千波 一 ...自由詩6*11-10-20
シャンデリア- 千波 一 ...自由詩3*11-10-19
シーソー- 千波 一 ...自由詩4*11-10-18
枯葉- 千波 一 ...自由詩3*11-10-17
モンブラン- 千波 一 ...自由詩7*11-10-16
孔雀- 千波 一 ...自由詩4*11-10-15
わたしの夕暮れ- 千波 一 ...自由詩8*11-10-14
独りぼっちになれないぼっち- 千波 一 ...自由詩3*11-10-12

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