すべてのおすすめ
植木屋が去った後、残された枝葉に火をつける
冬の土曜の朝の
煙の向こうから現れた、

鎖をひきずる飼い犬、
地面に突き刺すと
すっぽ抜けてしまうスコップ。

長屋の奥で埃を被った段ボー ....
昨日の夜中も、
お前らみてえなガキが騒いでっから寝不足で
仕事休んじまったんだよ。と、
だから今日は、
日当分稼がねえと帰れねえんだよ。と、
錦糸町の場外馬券場で馬鹿騒ぎしていた僕らは、
 ....
それ以後、鉄塔に上ることは不可能
となった。首を吊ったコンビニ店長は、一晩中、
風に揺れていた。その姿を ビニールが
引っかかっているだけと、近所の人はやり過ごした。

壁を塗り直すだけでは ....
岸辺だ。鳥のとまった街灯は。飛び立つしかないのだ。
自転車に乗る作業着姿の若者たちのように、世界を無視して

ぼくは車内から意識する。
隙あらば道路に飛び出してくるあいつらのように、かつては
 ....
授業中は豚小屋みたいに騒がしいが、放課後は静かだった。
皆がみな、もて余すことなく遊び呆けていて
部活をするような生徒は一人も!いなかった。
そして、数年間にわたりグランドを占拠し続ける雑草は昼 ....
野良猫たちよ、死ぬ前に教えて欲しい。
お前たちが、何処で死ぬつもりなのか。

住宅地の陰から黒猫が姿を現す。多分、
その旅の、途中ではない。びっくりして逃げ出したから。ーあまりの僕の不幸さに。 ....
ハンドルを回して
開けたり閉めたりを繰り返す、水門の鉄扉の前で、
僕らは迫りくる波に何度も呑み込まれ、鼻につく臭いはともかく
時間は麻痺していた。真夏の昼間、水辺で遊ぶ僕らを
釣り人たちは河童 ....
ベッドタウンを目指した住宅地の一角が消えた。
僕らがまだ建設途中だったそこに 忍び込んだとき、
辺り一帯、今となっては恋人の到来を予測させるのに充分な
二階の窓は、透明なビニールシートが張られて ....
一体、これで何度目ー?

昼休み、カーテンの隙間から、
窓際に座る生徒がゴミを捨てるのをベランダから見ていた。
僕はそいつに近づいて、
「カーテンが揺れるだけだと思ったら大間違いだぞ!」
 ....
誰もいない校舎、
美術室のベランダに干されていた絵筆が
夜風に揺れている。そうして塗り重ねられた闇は
やがて夜となり、題名のないキャンバスの中で今夜、
風花が降るばかり。
               僕たちはレコードを回した
                握っていたハンドルも、
                  スパナも振り回した
              ....
家を出る前に昔聞いたことばを思い出す。
一週間に敬意をもつこと。だからといって
月曜の朝から仕事の依頼がくるなんてろくなもんじゃない、と
ひっきりなしに通勤車が行き交う国道脇のあぜ道に
バンを ....
去りゆく猫はどこで死ぬのか?ついていかなきゃ分かるまい。
 今日、川辺に打ち上げられた 死んだ猫の尻尾に、
蜻蛉がとまっていた。秋だな、と
僕は思った。
郵便局に車椅子に乗ったおばあちゃんがいて、
ガムテープで段ボールに蓋をするのをぼくは手伝った。
得意気な気持ちで車を走らせていると、警察に捕まった。
ぼくはシートベルトも切ってたみたい。はい、そ ....
スプーンみたいに丸い
タンクローリーの背中に夕日が映っている。
運転手は気づいているだろうか。
路上でヒッチハイクしている神の存在にも。
(中指を突き立てている奴がそいつだ)

捏造した交 ....
鳥の居場所はわかい、翼が生えているからなー

切符を握りしめたまま彼女は眠りについて、
相手の男は、洗濯機の中にまぼろしの車輪を見つけた。
ベットサイドに戻り床に転がるギターを眺めていた彼の、 ....
半世紀いきながらえた海猫の、オペラ調の鳴き声。
さっきまでベンチで泣き崩れていた詐欺師の男は、
両手じゃ抱え切れないほどの花束を手に、
明かりの灯る雑踏へと消えた。そして、
通り一本隔てた向こ ....
くちばしが作る青空がある
ストイックな
灰色の水たまりが震えていたな
もしかしてー、でも、
ミミズが鳴くといったのは誰だろう?
閉店間際のショッピングモールで、
世界で一番安く靴下が手に入ると友人は言っていたけれど、
生憎、今日は雨降りだから
せっかくの靴下が濡れてしまうね。

それはそうと今日、仕事帰りに駅で外人に ....
煙突の、
屋上へと続く螺旋階段。
登りきったおまえは
吹き出された
シャボンの中に飛び込む
弾けちった光の粒が降り注いで
町中、
石鹸の匂いがする
水飛沫が飛び、
小屋から突き出た銃口が火を吹く。
猟師は手ぶらで家路に着く。水鳥はゆっくりと
水面の夕日を濁す、夕方。
線路を走る列車が、陸橋をがたがた揺らし
ボルトが緩みつつある。壊れつつ ....
とはいうものの、
晴れ間はみじかい。
フレーズとフリーズの繰り返し。
真夜中の渋滞、
看板のむこう側に廻れば、延々と、
点々とひろがる迷わないための目印
である意義を放棄した豆つぶ大のそれ ....
山の上から若い霧が
街におりてくる
(それは若さ特有のかたまりとなって)
涙、汗、いや、
朝露
歩道橋の手すりは濡れて、
神社の境内のベンチも、通勤前の車も
新鮮さそのものとなって
工 ....
川辺に仕掛けられた網という網が、
鱗眼の兄弟に荒らされている。そして、
二人が念願かなって鯰をバケツに入れていた頃、
廃材置き場の亭主が首を吊って死んだ。
集積車が行き交うだけの、さびしい葬式 ....
今夜も、
工場員たちは勇猛果敢に酒を飲み、
車を運転して帰るだろう。彼らは警察に捕まらない、それって本当?
ー壁にぶつかるだけさ。
街中で、
衝突して瓦礫のように崩れた
社会に立ち現れるそ ....
小春日和だ。賑わう公園ーそこに、
ナポレオンが真っ赤な気球に乗ってやってくる。
しかし、じきに見えなくなった。
子供がその手を放したから。
そしたら今度は、別の子供が
同い年の父親が眠る真っ ....
枯れはてた屋上。
フェンスすれすれに、
ジェット機が飛んで行くのが見える。
君臨する夜に向かって、
いい加減に手を振った。
握り潰すように
掌にはスプレー缶があった。
それで
夜から色 ....
明日は雪が降るというのでーというのは、
半分嘘で、もう半分は
興奮して眠れないので、
深夜から早々に、ヤクザな時間から
夜逃げするみたいに
出発するわけ。

途中、林に囲まれた
コンビ ....
 夕方僕は、今月末で閉店するとかいう寂れたデパートの店内で
母親と一緒に買い物カートを押す女子中学生を見た。
彼女は母親がよそ見をしている隙に、カゴの中へ商品をほうり込んだ。
母親はそれに気づか ....
不眠不休の、ガソリンスタンド。
給油口にホースを突っ込んだまま、
メーターの数字を眺めているなんて
痛々しいから止めろと、冬の、寒気の
吐く息の、明滅する飛行機の明かりはともかく、
自動販売 ....
あおばさんのプテラノドンさんおすすめリスト(141)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
言訳- プテラノ ...自由詩1*09-10-31
Born_To_Win_[People]- プテラノ ...自由詩1*09-9-30
耳に残る眺望- プテラノ ...自由詩2*09-9-6
梁よりも真っ直ぐなその高みから恋をしろ- プテラノ ...自由詩209-6-9
継承すべきこと- プテラノ ...自由詩109-4-5
ノラ猫- プテラノ ...自由詩209-2-17
水門- プテラノ ...自由詩209-2-12
ベッドタウンの見えざる窓- プテラノ ...自由詩209-2-1
カーテンによる間違い- プテラノ ...自由詩509-1-15
風花- プテラノ ...自由詩209-1-12
Born_To_WIn_[カラスパナ]- プテラノ ...自由詩3*08-10-4
Born_To_Win__[time]- プテラノ ...自由詩108-9-15
この川、- プテラノ ...自由詩108-9-8
粘着テープと薄っぺらな切符と- プテラノ ...自由詩408-8-23
エンプティ- プテラノ ...自由詩208-7-30
居場所- プテラノ ...自由詩308-7-11
ウミネコ- プテラノ ...自由詩608-6-14
ヒバリ- プテラノ ...自由詩308-6-7
駅ロータリー周辺に降る雨は止まずに- プテラノ ...自由詩508-6-1
シャボン- プテラノ ...自由詩208-5-21
陸橋、棄てられた車- プテラノ ...自由詩108-5-1
「止まない雨はない」- プテラノ ...自由詩208-4-11
桜/to_the_sea- プテラノ ...自由詩108-4-3
なまず- プテラノ ...自由詩2*08-3-12
出口- プテラノ ...自由詩2*08-3-9
風船のある光景- プテラノ ...自由詩308-1-29
廃墟と出逢う- プテラノ ...自由詩308-1-24
[:Runnin'- プテラノ ...自由詩108-1-24
近頃、正月ムードでいっぱいだけど- プテラノ ...自由詩208-1-6
[:self- プテラノ ...自由詩5*07-12-25

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する