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 深夜のプールに
 腹を裂いた犬の死体を浮かべた
 悪いことしてない
 したいからした
 細切れにされた僕が
 立ち尽くし
 一つしかない空の星を
 噛み砕いた
 
あまつぶが
ぽとりぽとりと
じめんにおちては
きえてゆく

おちては
きえて
きえては
おちて

そのなかの
ひとつぶに
わたしの
なみだが
ぽとり

でも
そのあま ....
あなたが
私をうかがってるうちは
私は大丈夫
あなたが

どんなにアンテナを
張り巡らせても

イグニッション
私が
キーを入れないと
あなたは動けない

私 ....
生まれては消えていく日々

疲れたぼくのからだに

銀の雨がとおりすぎていく
ちっちゃい鯨ね
ぼくの絵日記をみて母が言った
海色の夏休み

まちの博物館の
部屋いっぱいに展示された鯨の骨を
ぼくたちは見上げながらスケッチした

せんせい、鯨も夢をみますか ....
シャボン玉の中に失われた人魚の声が
詰まっているような気がして
割れる瞬間耳を塞いだ
自らの意志で泡と消えた彼女が
恨み言なんて残すはずがないのに
詰まっているのはきっと
虹色の鞠を膨らま ....
朝、目覚めると妙に冷静な僕だから
君との将来についても
じっくりと話せそうな気がする

だけど、陽が昇るにつれて
「まあ、いっか」
そんな気分の僕に戻っていく

陽が暮れて夜になれば
 ....
何も言わないアゲハチョウ
私の周りをくるくる飛ぶ
私は花じゃない
其れでも陽気に飛び回るアゲハチョウ
手に取って 空を見上げさせた
とても飛べないと
ソ・ラの音符で焦って戻るアゲハチョウ
 ....
いつの頃からか覚えた喜びという形
空を見上げたら本当は逆さまだという事に気付いた日
悲しみの水辺から這い上がったあの瞬間
そこに無言で立っていたのはキミの影

何かに圧倒されて押し出された街 ....
少年Iは知っていた
自分のあるべき場所を

少年Iは知っていた
自分の仕事を

少年Iは知っていた
彼らとの距離を

少年Iは知っていた
自分の未来を

少年Iは知っていた
 ....
少女は壊れた人形を抱き、
死んだように海底を歩く

行き先などないのでしょう
目的は?夢は?憧れは?
と、そんなものも当然なく

穢れなき君の容姿
傷だらけの君は

穢れだらけの僕 ....
いつか聞いたはずの歌声
有刺鉄線が横切る飛行機雲
陽だまりの滑走路
髪を掻き乱す風の音色

思い出せないあの日
覚えてさえいない夕暮れ
微かに漂う暖かい幻
沈みゆく朱の行方

地平 ....
くだらないと嘆いて
毎日を終わらせたくなる
僕の価値がふらつく泥濘
今日も生きていていいの?
誰かに縋りついて……
誰に縋れば?

どうしようもないと
空を見れば底無しの蒼
僕が立つ ....
腕に烙印を押し続ける
出来損ないの烙印を
それで心の安定を図る
痛みを知ることで
己のおろかさを知る
どんなときだって音楽
音楽だけは支え続ける


ヘッドフォンなくても音楽
いつも頭の中で流れてる


今未来
底のない谷へ落ち続けて壊れそうな気分のときにも音楽
音楽だけがその恐怖 ....
リアシートの女が
もたれかかる窓には
人々の行き交う街の喧騒がうつり
それが音もなく流れてゆく
目を閉じても
ネオンの原色が
まぶたの裏に繰り返し焼きつく
鼓膜を揺らすウッドベースの心地 ....
   風に揺られていたね
   僕らはなにも選べずに
   別れの言葉を強いるのは夕風
   信じることも疑うことも
   選べずにいた
   僕らを置き去りにして
   地球 ....
世界に何を恐れることがあるだろう

僕は何に怯えていたんだろう

安心しなよ 宇宙はこんなにも広い

そしてあなたはそこに立っている
ねこ。
 
いつも

かえろうかな

という顔をしている

でも

うちにいる

うちにいるけど

かえろうかな

という顔をしている

わたしに気のない顔で

 ....
沈黙は
意志
存在の
暗示

空は
沈黙
充ちる
意志

言葉は
所与
饒舌の
欠片

空は
存在
意志の


沈黙は
情感
詰まった
言葉

 ....
表層で過剰になるときも存在する。
系統だった増加傾向がある。
このような現象は分布が明白であり、富裕を示した。
非常に興味深い。
さらなる洞察を与えるのに役立つ。
傾斜水域隣接した地点。
 ....
やらしくない裸みたいな
蝶々が翅を広げて
紫色の光を頭の中で回させる
つややかな官能



ジェシカ、
君がセックスをせっくすと発音するから
僕はいつまでも取り残されている
いつま ....
朝と別の朝はつながり
声や水を憶えている
光や傷を憶えている
頬をかすめゆく小さな 小さな
見果てぬもののかけら かけら
定まらぬ世界をゆく定まらぬもの



水色と銀色
 ....
 みんな、ここで横たわって、死んだふり
 アンチニヒリズムの行き止まりで
 ときどき誰かがビートルズを歌う
 ジョンを撃ったピストルみたいに、歌う

 こんなところには世界は無い
 た ....
恐怖と不安にさいなまれる
それは波のようにやってくる

僕はあなたがどれほどの
恐怖や不安を感じているのか
わからないんだ
イメージはできるけど
実感はできないんだ

あなたと同じ境 ....
たったひとつの睡眠を
羊たちと分かちあって眠る
もこもこしてるね
なんて今日は言わない
めえ、と寝言を言っても口をふさがない
数をかぞえない
何も思い出さない
あなたは電車で言った
こんなこと長くは続かない
続いたことはあるかと
わたしは答えられなかった
続いたことなどなかったから
答えはいっこだけ
答える必要などなく
いつか終わる
けれどだ ....
天使が天界から落ちる理由、知ってますか?

天使って真っ白だからですよ

真っ白って無なんです

だから、黒が憧れなんです

0が白なら

100が黒だから

羨ましいんですよ ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
眠くてたまらない

朝が早かったからだけじゃなく

たとえようのない疲労感

泥沼にひきずりこまれるような

けだるさ



今の目

きっと死んだ魚のよう

濁って ....
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