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増水の ために
すっかり 荒れはてて しまった
堤の かよって ゆく なかを
猫じゃらしを 噛み ながら
草ひばりの 音が ほそぼそと つづく
すすき野原を ....
ぼくの 住む 土地で
自然に ひぐらしの 声を 聞いたのは
10年も むかしに なる
それは かぼそく いっぴきの 系譜が
つづいて 啼いて いたのだ けれど
....
髪を 切った 襟足の ひみつ から
娘たちは 飛んで ゆくと いう
純朴な 神話が 解かれて いる
風祭を 孕んだ {ルビ帆用飛行艇=はんようひこうてい}の 陶酔は
....
半ば くらい世界を 見たよ... と
おもい あがった 少年
トマは 12歳
素もぐりで もぐっては
金の さかなや 銀の 貝を すなどった
伸び あがった ....
まどろみを さめたり もぐったり
白日の 季節の かいなの なか
体力は うばわれ
けだるさに 眠って
窓を 吹いて くる
れもんの 風との トランスファー ....