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夕刻を告げる時計が
散らばった色鉛筆を
一本だけ、手折る
私がその光景を
消しゴムへと告げ口した頃
光りだした小指は
小さく震えて、色鉛筆となった
立て掛けたキャンバスには
....
描かれた無数の黒鉛の跡は
私の知りうる中で
最も綺麗な色へと染まり
それは束となって
脳へと滑り込む
シナプスを経由して
緩やかに飲み込まれるのを
私は瞬きをしながら
じっと、見 ....
机を叩く音が
緩やかに
固さを帯びていくための、
そのプロセスの一環として
私の右手の中には
シャープペンシルが
握られている
ランドセルの隅で
眠りについた幼さの欠 ....
ふと、手にした
古びた写真の中に
微笑んで立つ
私に良く似た人が
いた
誰とはなしに
手を振るその人の
穏やかに下がる目尻は
無償の何かで
私を包んでいく
また別 ....
退化を始めた水掻きの
薄い膜が、そっと
私の身体を動かしては
その感触を
柔らかくしていく
反射した光と
屈折した光の交点は
ゆっくりと揺らぎながら
ただ、全てを
受け止めてい ....
目を瞑り
微笑んでいたのは
遠い日の残像に似た
脆い、光
壊れないように
そっと、手を触れてみる
優しく息づくそれに
耳をすませた私は
ふと、安らぎを覚えて
多分そ ....
夕闇に
小鳥が影を落とす頃
灯りが灯り始める
家々
眠たげに瞬いては
輝くその灯りに
吸い込まれるかのように
人々は
家へと足を向ける
灯りに向かって
話しかけて ....
説明不足のままで
鳴らしていた警報は
今はもう、空気に溶けて
宇宙へと
気化している
いるから、
正論をぶつけたと思っている
君の思考から
ネジをほどよく外して
考えることを
....
いつのまにか
溶け込んでいた、世界と
私との接着面に
体温計をさしてみる
ゆっくりと
開いた手のひらと
大気との間
握ることはせず
また、摘まむこともない
少しずつ ....
雨色の空気が
私の奥をノックする
深く吸い込んで
吐くだけの、仕草
名も知らぬ花に
小さく声をかける
雨音はもう
とうに止んで
水溜まりの上を
わざと歩く
波紋が ....
揺れる電灯を
膝立ちのままで、消す
扇風機からの人工が
生々しく
私の頬を通り過ぎる
茶色い光の下
飛び交う光がある
テレビを消してみた
全く
見えなくなって、しまった
....
指先だけで、そっと
窓を開いてみる
隔てていた向こう側には
空の海があり
紙飛行機を飛ばす
誰宛てとかではなく
紙飛行機を飛ばす
そこに、意味なんてない
ここは海だろ ....
窓ガラスに映る
鏡合わせの
パラレル・ワールドは
ありふれた物語を綴る
三流の映画を気取って
にやりと
笑みを、浮かべている
雨が降っている
(陽が照っている)
....
モーヌ。さんの山中 烏流さんおすすめリスト
(13)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
美術室
-
山中 烏 ...
自由詩
6*
07-9-7
ノート
-
山中 烏 ...
自由詩
3
07-9-4
えんぴつ
-
山中 烏 ...
自由詩
4*
07-9-1
写真
-
山中 烏 ...
自由詩
8+*
07-8-8
水中
-
山中 烏 ...
自由詩
4*
07-8-6
のっと、しんぷる
-
山中 烏 ...
自由詩
10*
07-7-19
灯り
-
山中 烏 ...
自由詩
9*
07-7-6
終演
-
山中 烏 ...
自由詩
14
07-7-4
体温
-
山中 烏 ...
自由詩
12*
07-6-28
長雨の後に
-
山中 烏 ...
自由詩
10*
07-6-26
遭難
-
山中 烏 ...
自由詩
12
07-6-25
創書日和「窓」__そらうみ
-
山中 烏 ...
自由詩
32*
07-6-22
パラレル
-
山中 烏 ...
自由詩
7*
07-6-15
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