ちちおやふざいのいえに
ひさしぶりにかえる

ちちおやふざいのいえに
ちちおやになりかけた
むすこがいる

いみもなく
むすこをどなる
どなるとすぐに
こどもになる
 ....
 
 
こどくであることが
きんじられているのだから
むれている

たけばやしで
たけはかぜにゆれている
みずからのかっとうに
かぜはとてもよくにている

あるばん
たけばやし ....
「代打屋」という競馬用語が使われなくなって久しいが、
先日引退した菊沢隆徳騎手は腕のいい代打屋だった、といっても過言ではないだろう。
重賞10勝のうち、テン乗りで4勝。特別戦になると枚挙に暇がない ....
 
 
掌に、和子
昔、手をつないだことがある人
初恋の人

みぞおちに、浩人
祭りの日に喧嘩した
それから何故か知らないけれど
親友になった

右肩に、麗子
距離は縮まらなか ....
 
 
立ち食いそば屋で
夕飯を食った

客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった

素数について
話している客がいた

立て ....
 
 
列車らしきものが
ホームに入る
ドアらしきものが開き
人らしきものが
一人ずつ順番に乗る
定刻が訪れ
笛らしきものが鳴り響き
ゆっくり速度を上げながら
線路らしきものの上を ....
 
 
朝まで降り積もった骨を
川へ捨てにいきます

冷たく軋みながら
空の色が
川下へ流れていきます

家に帰ると
また同じ数の骨が
降り積もっています

はる ....
詩はどこで生きるか
 =朝日新聞谷川俊太郎インタビュー
  「詩はどこへ行ったのか」から考えた事=

 世間的には、詩集も詩論も人の目に触れる機会はどんどん減っているように
私には思える。ア ....
元旦の朝
目覚めると
枕もとに息子が
座ってました

いつからそこにいたの
と尋ねると
わからない
と笑うので
不思議な気がしました

それから
お雑煮の餅を
小 ....
カワカミさんと
カワムラさんに
会いに行ったら
どっちがカワカミさんで
どっちがカワムラさんか
わからなくなってしまった
カワカミさんとも
カワムラさんとも
酔ったついでに
チューを ....
 
 
父が釣りに連れてってくれた
それから数日後か
数ヵ月後か
数年後なのか
忘れてしまったけれど
近所のおじさんか
同級生か
はたまたいもしない
兄なのか
とんびなのか
カ ....
 
 
命がひとつあった
命なんていらないと
思ったときもあった

命がふたつあった
どちらかの命が
残ればいいと
思った恋もあった

命がみっつになった
みっつすべて
残ら ....
ある日の夕方
わたしはひとりになりました
花に水をやっていたら
いつのまにか
みんないなくなっていました
わたしは
声を出してみました
その声は音になりました
どこかで鳥が鳴きました
 ....
ダム
ダムダム
ダムの底

いろんなものが
死んでいました

ダム
ダムダム
ダムの底

おうちや
車や
おじいさん

ダムの底は
いつも真っ暗
何も見えない
聞こ ....
 
 
ふとわたしはある予感がして
お風呂場へ走ってゆく
扉を開ければ片隅にいる
たわしは新しいたわしに
買いかえられていた

お風呂掃除係のわたしに
ぼろぼろになるまで付き合ってく ....
 
 
健康診断の結果
肺に小さな影がありますと書かれていた
早く再検査に行きたかったけど
仕事も忙しくて
時々そのことを思い出しては忘れ
思い出すと泣きたくなる夜もあった
実際泣いた ....
 
かなしみに
慣れてしまったなら
ほんとうの
かなしみなんて知らない

かなしみが
暮らしになったなら
かなしみは
いつもともだち

ほんとうの
かなしみを
ひた隠しにした ....
土を掘り返して
魚を埋めたら
指の木が生えて来て
わたしを捕まえようとする
季節は春で
びゅんびゅん伸びる指は
わたしの喉元を締め上げた
どうしたらいいんだろう
土を掘り返して
せめ ....
 
父さんと
楽天の試合を見にいった
けれども本当は
野球よりも球場を一周する
小さな汽車に乗りたかったから
父さんは入場券をポケットにしまって
試合が終わるまで
何度も何度も汽車に乗 ....
                 080722




森君が笑うので
今日はよい天気です
森君は歯が綺麗で
笑顔が可愛いので
クラスの人気者です
森君は苦しくても辛くても
 ....
両手いっぱいの憎しみで
ふくらませた青い風船
それを今 
ベランダからそっと飛ばす
それは思うように
遠くへと旅立ってはくれず
ただ あたりをふわふわと漂い始めた
部屋に戻り
静か ....
穴を掘る

沈んでしまえるほど
掘りたいのに

ところで
もう覚えていない
あっちもこっちも忘れたという人が
川岸で待っている
らしい

どうか
思い出さないでね
そうしたら ....
ただの優しさとか
口癖とか
背中に回した腕とか
押し付けちゃった腰とか
もう面倒だから
すべて愛と呼んで
盆地を走る列車に乗って
窓から景色を眺めると
かつて僕の世界には
奥行きと幅
高さだけがあったのだ

あの山の並々に
目指す高さがあったのだ

今はその山の向こうの
知らない海が
 ....
俺の会社は、なぜか各大学の空手部、相撲部、柔道部、レスリング部のOBが集まるところで、派閥もいわゆる学閥ではなく、格闘技別と言った雰囲気がある。
ちょっと不思議な会社かもしれない。
俺はボクシング ....
わかるわけがないと思う
あの頃
みんな
もう何をしてもつまらないって知っていた
この先何も
いいことなんかないって知っていた
生き残るため
そう、大していいこともないのに
ただ生き残る ....
週末
接待のため夜中に帰った
けっこう酔っていて
おみやげに肉まんを買って帰った

あっくんが起きてたら
一緒に食べたかったのに

と、言おうとしたのに

あっくんが生きてた ....
とりあえず
と言って別れたあと
事故にあった

病床で
痛みに耐えて
うなされながらも
とりあえず
と寝言を言ったらしい

意識が戻って
何か食べたいものある
と聞かれたと ....
野球を見に行った

試合の途中
本日の入場者数がアナウンスされて
僕が生まれ育った町の人口ほどだった

思わず観客席を見回すと
そこには
懐かしい人ばかりいるような気がした

当 ....
           080406




手のひらに載る
小型風力発電所
プロペラがクルクル回り
風力を電力に変換します
風を求めて旅に出よう

旅行好きの口車に同乗し
朝早 ....
アンテさんのおすすめリスト(588)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
父親- 小川 葉自由詩110-5-1
竹のはな- 小川 葉自由詩710-4-24
「名」馬列伝(17)_エイダイクイン- 角田寿星散文(批評 ...4*10-3-18
名前- 小川 葉自由詩6+10-2-24
素数- 小川 葉自由詩1110-2-11
定刻- 小川 葉自由詩110-1-21
冬風- 小川 葉自由詩310-1-10
【批評祭参加作品】谷川俊太郎インタビューから考えた事- 大村 浩 ...散文(批評 ...13+*10-1-9
天使の演習- 小川 葉自由詩510-1-4
どっちも同じ- チアーヌ自由詩109-12-20
蝌蚪- 小川 葉自由詩609-11-18
みっつ- 小川 葉自由詩809-9-5
ひとり- チアーヌ自由詩409-5-21
ダムの底- チアーヌ自由詩209-4-2
新しいたわし- 小川 葉自由詩509-3-29
日常の味- 小川 葉自由詩709-3-27
遠距離バス- 小川 葉自由詩509-2-21
土堀り- チアーヌ自由詩409-1-8
僕らの休日- 小川 葉自由詩16*08-9-17
迷い森- あおば自由詩9*08-7-22
両手いっぱいの憎しみで- 自由詩14*08-7-5
川岸で待つ人- チアーヌ自由詩608-6-26
愛と呼んで- チアーヌ自由詩408-6-13
盆地- 小川 葉自由詩7*08-5-10
大力の女- チアーヌ散文(批評 ...9*08-4-29
わかるわけがないと思う- チアーヌ自由詩608-4-24
三人家族- 小川 葉自由詩708-4-24
とりあえず- 小川 葉自由詩208-4-20
野球観戦- 小川 葉自由詩1208-4-15
壊さない人- あおば自由詩5*08-4-6

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