今日も俺は社会の中で機能して
機能の回転を続けたまま帰途についた
街はみんな俺の味方だ
働く車、働く店に、働く街灯・信号機
働くこと、役割を果たすことについて
みんな平等で親しい ....
足の裏をみたら無愛想だった
私自身あまり話しかけたこともない
思ったより冷たいやつだとおもった
彼もまた

固くて冷たい彼に触れるうち
いろんなものを踏みつけてきた昨日をおもった

ど ....
お金持ちの子供で
休日のたびに
他所にクルマで
親に遊びにつれていかれた

月曜日
学校に行くと

どこにも遊びに
つれてもらえなかった
友だちがいる

親が仕事で ....
今日も同じ場所で立ち止まれば
聞こえて来る 母の明るい声

「あんたはヤクルトが大好きでね、
 お風呂上がりに必ず一本飲まないと寝てくれなかった。
 ある時買い置きがなくなっちゃった時があっ ....
職場でりんごをひとつ貰った
婦長の実家が青森のりんご農園なのだ

あっちゅが
「丸かじりしたい!!」
と言うので、洗って手渡すと
にこにこして持って行った


「食べ終わ ....
わがやにも
とんかつがやってきた

いろがうしなわれ
モノクロームになる

あのどてで
あそんでいた

こぶたたちの
たのしいおもいで
ぎゅうどんという
うしはいない

ソーセージという
ぶたもいない

おやこどんという
にわとりの
おやこもいない

わたしという
にんげんも
どこにもいない

 ....
みちがもうないのだ
ゆきにうもれて

そのみちを
みちだとしんじて
ゆくのがよい

わたしもずいぶん
ねゆきになった

はるになれば
めがでるだろう

ねゆきのそ ....
ひろこはそのあさ
ひろこだった

そのあさ
わたしにも
よびながあった

わたしはよく
ひろこに
おとうさんとよばれた

わたしもよく
じぶんのむすめを
ひろこと ....
いしきもなく
からだが
せいちょうしていく

はをしげらせ
みをならせ

はなをさかせる
おかあさん

みあげるわたしは
いつまでも
あなたのこどもでした

 ....
しょくぶつからみたら
わたしもまた
しょくぶつなのだろう

なかなかはながさかないねと
しょくぶつも
わたしをみているのだろう

えんがわで
かきのみをたべている
しあ ....
かいていのえきで
でんしゃをまっている

ホームにはだれもいない
ときどきだれかくるけれど
いつもきまって
うえのほうにうかんでいく

このごろは
でんしゃもくるようにな ....
いくらねむっても
そこにはいけません

ねむらなくても
ここはここのまま

あさになると
めざめます

よるになると
ねむります

さみしいそこは
どこなのか
 ....
理由があって
朝まで駅で過ごした
ベンチの下に
甲虫が死んでいた
裏返っていた
始発まで眠り
目を覚ますと
甲虫が裏返ったまま
手足を動かしていた
生きていたのだ
理由 ....
そらをみあげると
ちちがいた

やぎのむれのなかに
ひとりいた

ことしのなつは
すずしいぞ

みちばたに
てがみがおちていた

つたえたいことは
すべて
そこ ....
このへやは
にしびがまぶしくて
とだれかがいった

だれかはもはや
ひとではなくて
それでもひとのつもりで
あるようだった

にしびだけが
つよくそのあたりを
てらし ....
まちがえて
ほたるにうまれてしまった

ゆうじんが
みつからない

わたしといえば
ひとにうまれたはずなのに

なぜほたるが
ゆうじんなのかわからない

そうか
 ....
ひきだしのおくから
あなごりょうりのみせの
チラシをみつけた

いつかちちを
つれていきたくてとっていた
チラシだった

あなごが
すきかきらいかなんて
かまわなかった ....
 
 
つまがとなりで
ねている

ときには
いとしくてだきしめて
にくらしくてせをむけて

つまがとなりで
ねている

そのどちらでもない
よるも
 
 
 
 
まだ
ゆめのなかにいる
どこかとおいくにの
くうこうを
まどのそとから
みている

ゆめ
のなかなのに
そこにはいつかいくはずだった
シンガポールがある
なくてもいい ....
 
 
(な)

なにもない
なもない
なのはなさいていた

ほかのなにかに
なりたくて
なりたくても
なれなくて

ならなくて
よかったと
なまえもないのに
さいてい ....
 
 
(た)

たがめが
たまに
たんぼにいる

たがめがいるなと
おもっている

ひとの
ごせんぞさまとも
しらないで

しんだあとの
ひとのすがたとも
しらない ....
くまさんはひとりでした
森の中
誰にも出会いませんでした
花咲く森の道
くまさんは
ひとりでした

孤独なくまの気持ちは
孤独じゃないくまには
けしてわかりません

ある日森の中 ....
 
 
いつ死んでもいいように
道に枕をならべていく
ふりむけば枕
一日ひとつずつ
与えられた枕をならべてきた
曲がりくねった道
まっすぐな道
雨が降っている
峠道の枕はまだ濡れて ....
 
 
秋の高い空
少女が
羊占いをしている

すき、きらい
すき、きらい
一頭ずつ
羊をころしていく
日がくれるまで

やがて空は血に染まり
はじめから
すきなものもきら ....
 
 
人類みな兄弟
なのではなかった

祭壇の
花の中で鳴く虫も
兄弟なのだった

私の父なのだった
 
 
 
 
もも肉が
百グラム当たり
九十八円で
売られている

もしわたしが
鶏だったなら
もも肉
という名で
売られていたのだろうか

わたしの名を呼ぶ
母さんを
追いか ....
 
 
とても壊れやすい成分で
あなたは人になった

よりによって
ヨーグルトだった

カスピ海
と、発音さえできない

あなたの名前の
一部なのに
 
 
 
 
にかいのへやで
あそんでいる
たたみのふちをせんろにして
おもちゃのきしゃを
はしらせている

たたみのかどを
もうひとつのきしゃが
うせつする
わたしもさせつして
そ ....
 
 
しじみが
しみじみしてるのは
しじみがまだ
生きてるからだ

わたしが
しみじみしてるのは
わたしがまだ
生きてるからだ

しじみでも
わたしでもない
だれかが
 ....
アンテさんのおすすめリスト(588)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
働くということ- 葉leaf自由詩315-5-27
足の裏側- 朧月自由詩615-5-11
街に帰る- 小川 葉自由詩414-11-13
ヤクルト- 夏美かを ...自由詩48*14-8-19
リンゴの丸かじりの仕方- 鵜飼千代 ...自由詩24+*13-11-5
とんかつ- 小川 葉自由詩312-1-31
動物がいない- 小川 葉自由詩212-1-26
根雪- 小川 葉自由詩712-1-23
呼び名- 小川 葉自由詩212-1-16
植物園- 小川 葉自由詩311-10-3
幸せな人- 小川 葉自由詩411-10-1
海底駅- 小川 葉自由詩711-9-17
眠り- 小川 葉自由詩111-9-9
理由- 小川 葉自由詩611-8-17
やぎさん通信- 小川 葉自由詩411-8-3
西日- 小川 葉自由詩811-8-2
- 小川 葉自由詩211-4-23
引き出し- 小川 葉自由詩511-1-4
隣で寝ている- 小川 葉自由詩3*10-12-28
シンガポール- 小川 葉自由詩610-12-7
なにぬねの- 小川 葉自由詩410-12-5
たちつてと- 小川 葉自由詩4*10-12-3
星のくまさん- チアーヌ自由詩610-11-25
遺言- 小川 葉自由詩1*10-10-13
羊占い- 小川 葉自由詩310-10-9
祭壇- 小川 葉自由詩210-8-26
もも肉- 小川 葉自由詩310-6-26
カスピ海ヨーグルト- 小川 葉自由詩2*10-5-29
汽車- 小川 葉自由詩510-5-21
しじみ- 小川 葉自由詩210-5-18

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