なにげない
なつの ゆうぐれ

そんなに たかくは
とべやしない
ふうけいの なかの
いっこだけの てん
であるところの
わたしが

おさまりきれない
でかすぎる ゆうぐれ
あ ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない


体の中心がどこなのか
わ ....
タクシーで溺れた
昔はあんなにうまく泳げたのに
手足をばたばたさせても
座席の底のほうに沈んでいくばかりだ
ナイター中継を聴きながら
運転手さんが舌打ちをしている
水の中では舌打ちすらでき ....
海が見える草っぱらで
どーんとひっくり返って
雲に手を伸ばす

生きているんだなって、思うんだけど
その正体がわからない
漫然と心臓を動かしたり、理念を唱えたり
そんなことじゃないみたい ....
うらやましそうに見ていたら
「じゃあ、少し上げる」
その人は言って
端っこのほうを千切って
ちょっとだけくれた
辺りを見回すと
端っこのほうをもらって
喜んでいる人もいる
わたしは端っ ....
恋はね
結局
摩擦熱だと思うんだ

ことばと ことば
むねと てのひら

触れあって
熱を帯びて

たぷたぷの
バスタブで
あなたを
ちょっぴり思い出す  ....
矛盾した水槽の住人は
矛盾した椅子に腰をかけ
矛盾したテーブルにクロスをかけ
矛盾したグラスで
矛盾したワインを飲む

矛盾した水槽の住人は
毎日が矛盾しているから
その矛盾し ....
ボクが眠らないとママは眠れないから
ママが眠らないとパパは眠れないから
パパが眠らないとボクは眠れないから

 アイスピック
 カッターナイフ
 金属バット

ボクは眠れないからママを ....
青い地球儀を
くるくる回す
私は

地球儀にはなりたくない

てのひらで回されて
裏側にも
あっという間で

そのうち飽きられて
ただのオブジェだ

私とオセアニア
私とイ ....
まるで空に手を伸ばすように
咲いている
マーガレット
欲しいものはなんだろう
太陽も
土も
暖かな空気も
すべてあるのに
強い力で空を裂き 
轟音残すジェット機と。

風に乗っていつまでも 
無音ですべるグライダー。

わたし?
自転車だよまいったか。

疲れたら休むし。
下り坂では調子 ....
じいさんが
あの世へいってからずっと
8ミリを回すと
青鬼が映る
8ミリを映写し
妻や子供との暗い部屋で
(僕だけが斜め下におり)
青鬼を見る
木や鳥居の影などに
七五三だというのに ....
ふと

背中は正中から割れて
わたしはゆるゆると
中から這い出した

新しい皮膚は
まだ少しだけ熱い

背中には
哀しい羽が生えている
わたしは約束の空へ

短さを張り合うよ ....
あのころ
まちの高台からみえる風景が
わたしの世界のすべてだった

背がすこしのびて

世界はどんどんひろくなり
わたしはどんどんちいさくなった

くるしいことも知った
かなし ....
しずんでしまった

ふねのこども

うみはあおくて

そらもあおくて

とてもきれいなひかりに

あこがれながら

しずんでしまった

ふねのこども
深くまでつづいている
いつか見失った道の先にある、森で
夏の日
ぼくたちは、生まれた


頭上には空があった
ぼくたちと空の間を通り過ぎてく風があった
ふりそそぐものは、光
光とも見 ....
わたしは宇宙人を見つけた
自分でそう言っていたから
たぶん宇宙人なんだと思う

宇宙人はロックバーのトイレで煙草を吸っていた
フロアが混みすぎていたからだと思う
ずいぶん痩せているから
 ....
ひどく目立たない黄色のレンガ道を行くと
夏休みの少し手前に古い送電鉄塔が見える
陽炎虫が大発生した年の真夏のある日
一人の男の子がその鉄塔の下で感電死した
鉄塔からぶら下がっている電線に触れた ....
泣きそうになったこととか
そのおもいとか
もらったことばとか
なんだか忘れたくないいろいろなものが
あふれだしていくのがむしょうにさみしくて

消えてしまいそうな感動を
すこしでもあたし ....
ビーズをつないでたテグスが
ぷちん、と切れた

こう、だから好き
こう、だから嫌い
そんな風によのなかを
ふたつに分けることが出来なくて

ひとつぶひとつぶ拾い集めては
かなしくて
 ....
ヒロシマを忘れるな、と
私はうたわない

ナガサキを思い出せ、と
私はうたわない

アウシュビッツに吹いた風を
私はうたわない

東京のくらい空の波を
私はうたわない

私がう ....
 平均台の上を歩くみたいに、生きてる


 両の手を横にのばして、バランスをとる
 あせってはだめ
 はしるなんて、なおさら


 足もとばかり、見ている
 けど、前を向いたほうがキ ....
気温が下がると
外が気持ち良さそうに
ほどけているので
わたしはサンダルを履いて
恐る恐るドアを開ける

群青色の夕方
白いお月さま
ここはどこですか

自分のことを忘れ
感情を ....
コンクリートの丸いもようは、踏んじゃだめよ
って、
しあわせになれないから
って、
きみが言ったとき
さっき
二度ほど踏んでしまったぼくは
ちょっと泣きそうになって、あわてて
声をだし ....
夕暮れ時わたしは足元が見えなくなるまで歩いた
足元が見えなくなると笑いながら歌った
お腹が空いて寂しくなったので
知らないガチョウを食べた
すきまぬって
おまつりだ

すきまぬって
たいこたたこう
おまつりだ

ふえもふこう
さけものもう

すきまぬって
わらおう

おまつりだ
おまつりだ

すきまぬって
 ....
あなたの胸で
私の名前が
今にも
消えそうだったから

蛍光ペンで
名前の上に
きゅっと明るい朱を入れた

それも
いつかは消えるから
名前の回りをぐるぐると
ボールペンで囲ん ....
陽がさしていて
わたしのふとももは暖かくなりました

宇宙の地球の真ん中で、

わたしはただ
光のはやさで届く暖かさで
ふとももが
じんわりじわりと

地球の世界の真ん中で、

 ....
仕事から帰ると
ぼくの部屋からは、なにもかもなくなっていた

電話台の上に電話はなく
テレビ台の上にテレビはなく
洗濯機と冷蔵庫は
黒っぽい埃の四角形だけ残し
スチールのベッドだけはなぜ ....
神は時々、雲間から
小石をポンと投げ落とす
空を見上げる余裕ない
人に小石は当たるらしい

小石はお腹に入り込み
陣痛並みの鈍痛で
七転八倒苦しめる

小石は私の大切な
志に鎮座し ....
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ない- 望月 ゆ ...自由詩10*05-5-8
尿管結石- イオン自由詩8*05-5-8

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