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なだらかな野辺に{ルビ錨=いかり}をおろせば
緑色の秋がふりそそぐ
やわらかな雲の群れを辿れば
まぶたは風にまどろむ
じっとしていなければ
追いつけない季節
木漏れ日を新呼吸し ....
ほうらご覧よ
あんなに見事な
ゆるりゆるりと
銀の鱗を光らせて
水面に映る魚のよう
ゆるりゆるりと
眺めていたら
水の底から
見上げてるのは
こちらのほう
銀の鱗の魚に ....
僕たちにさよならを言うみたいに
今日が終わろうとしていることを
僕たちにちゃんと知らせるために
空が踊っている
雲が踊っている
僕たちもつられてちょっとステップ
ねこになったきみとぼく
木漏れ日ゆれる
ねむの木の下で
二匹ころんと横になる
長い尻尾が自慢の
きみはしましまトラ猫で
大きな耳が自慢の
ぼくは三色三毛猫で
仲良く顔を並べて
昼 ....
夕暮れの 空を見上げて ただ一人
らららと唄えば ただ一人
お星さま 夕焼け空に ただ一つ
きらりと光れば ただ一つ
田の蛙 蜩の声 ただ一つ
いつの間にやら ただ一つ
いつの間にやら ただ一人
青々と
広がる蓮葉には
明け方の雨の
ひとつぶ、ふたつぶ
みつぶ、よつぶが
それは見事な玉を作り
ころころと
風にゆれながら
まるで生まれたての
宝石のよう
真っすぐのびた
....
雨を待つ君
明日を待つ私
並んで
風に揺れる午後
夏を知らせに
来たんだよ
始まりは
白だったかな
密の味は
甘かったかな
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