鏡台を売るとき若き母うつり秋風にわが身を虐げる
怒りなる林檎投げつけ少年はジャーナリズムの正義疑ふ
叔父いつも偽善者ならむと決めつけて蒲公英踏みつけ青空仰ぐ
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....
たまねぎの黄色いところないしょだよ
固結びこれでいいよねって胡瓜
大根がググと突き抜けてブラジル
宇宙の一年草
「ネメシアシューティングスター」
画面に映る文字
からうまれたわたしだけの天体空間にあらわれる
きみはまさに綺羅の{ルビ宇宙=スペース}
気のよさそうなお姉さんに紹介される ....
私が通う大学は、結構、構内が広く、まだ慣れていないせいだとは思うが、時々迷子になったりもする。ついこの間は正門の真逆にある東門から出てしまい、帰り道が分らなくなって困った。
学科で見ると、必 ....
ただそらだけがある
ひとも
たてものも
どうしょくぶつも
わすれて
すみずみまで
ひろがっている
きおくのそとがわから
ことりがいちわきて
はばたこうとすると
そらはきように
み ....
吹雪舞ふ街並暗くなりゆきて
車の尾灯赤く際立つ
娘の買いしロシヤ民謡の低き声に
ほれぼれと聞く灯を消す部屋に
隣家に毎日来る左官屋の
両肩に今日 サロンパスあり
ま ....
地下鉄のとびら額のはりつく「つめたい」
雷を呼びにけり描きにけり画家の病癒えにけるかな春の夕
かすがひに苦しみ咲いた秋雄花水をうかべるために倒れる
いつもいつも青に尾をひく詩をおきて ....
「私は何も言いたくない」という言葉が孕んでいる事態について考察してみよう。そうすると人は「言いたくなければ言わなければいいだけじゃない」と言われるかもしれない。しかし、事態はそう単純ではない。
例え ....
その頃、私は建築請負の会社の現場代理人として働いていた。
朝の六時半に目覚まし時計を合わせ、車で出勤する。途中、牛丼屋チェーンで納豆の朝食をとり、タバコに火をつける。ヘルメットを被り現場に入ると ....
靴の中は酒まみれで
ガボガボでグチャグチャになっている この朝に
足元がふらついて足がどんどんと沈んでいく この町の地底に
ポケットをまさぐって1つの生命を取り出そうとする
ライターの点火 ....
ブルータスよ、お前もか
そう言えたら楽なのに
今はもう連絡の取れない尊敬している友人が昔日記でこんなことを書いていた。
もう何年も前になる。何故か未だに覚えているこのフレーズ。
凄くかっこ ....
背にひたい押しあてているどこよりも海から遠い場所のざわめき
「お大事に」はさびしい言葉云いかけてやめた言葉を思う道行き
やや強き風が発ち口噤むとき岬のようだホームの端は
....
シーラカンス
君なんてちっとも不思議じゃない
何億年なんて
君が生きてきたわけじゃない
連綿と続いてきたことをいうなら
私だって同じくらい古い
姿かえようと体制かえようと
生き物たち ....
いぇね、たぶん無いと思うんだよね。
生きてるとは思えないからさ。
もし、生きてるなら、水洗トイレでジャァーっと流されて黙ってるはずが無いと思うんだよ。
それでも、こう「意思はある ....
泥になって歩く
海の方から風が吹くと
私じしんである 泥
がかわいてしまいそうになる
おまけに潮のにおいまで
はりついてしまいそうになる
この湾岸沿いの道は 淋しさ
そのものが細長く伸び ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
魚の眼はにこごりの眼である
滓々の溜まり水である
魚の眼はあらゆる向こう岸を
私より先に見に行ったのである
白色の食卓で対峙したそれに
容赦なく朱塗りの箸を突き刺して
ぺろりと平らげた ....
音楽室の
Yちゃんの真新しい椅子の後ろに
Yちゃんの埃を被った椅子
その後ろに
Yちゃんの足が折れた椅子
その後ろに
ばらばらになった
Yちゃんの椅子
その向こうは
床が崩れて
そ ....
十円玉一つでときに目頭が熱くなるその発行年
弟がつり革になって
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だっ ....
かつて、いまよりもずっと若い頃、僕は夭折に憧れていた。いま考えると何とも恥ずかしい話であるが、かつては若くして死ぬことに感情的に強く惹かれていたのだ。中学生の頃から詩のようなものを書き始めていた僕は ....
左手しかポッケットに入れられないのは
右手で傘を持っているためで
少し泣きそうな顔をしているのは
暗くなると君を思い出すからである
急ぎ足なのにけして駆け出さないのは
帰り道の途中に墓場 ....
批評とは何かを考えるときに、
料理をどのように評するかを考えると、
なんとなくわかりやすくなるのかもしれない。
美味しい、不味い。これも批評だ。感想かもしれんが。
広義において批評にしてお ....
街灯の
周囲に孤独が群れる夜
耳をすませば犬、遠吠える
鳥たちが
十字架のように羽根ひろげ
薄暮の空に貼りついている
雨天こそ
こころ華やぐべきでしょう
赤い傘さしスキ ....
就職支援センター
と云うところに
毎月行っている
無職だからである
就職支援センターは
仕事を紹介してくれる訳ではない
担当の人と
色々お話をして
最後ににこにこと
頑張ってくだ ....
正直な話、私は、もう、どこかから活字の詩集を出したり、詩の賞を狙ったり、ということをやる気がなくなった。もちろん、どこぞが、お願い本だして、とか、お願い賞もらって、と言ってきたら、やぶさかではない(笑 ....
昔、横堀さんというおじいさんとお話しするのが好きだった。横堀さんは南極にいったことがあるみたいで、オーロラの話とか、地吹雪の話とか、それから私をお膝に乗っけて「娘さん よく聞けよ 山男にゃ 惚れるな ....
息止めてトランペットを組み立てる
菜を並べるまっすぐ雨になるように
遠くのビルを飛び降りる無数のドミノ
日没に窓砕かれ見え出す透明街
誰彼の名前叫んでねじまく熱
鮮やかに ....
ガキの たまり場で
酒をのんではいかん 煙草はやらん
けれども 未熟なものは魅力的だ
とくに夢が好きだ 全力をつくして
やぶれさる きみが好きだ
渦巻二三五さんのおすすめリスト
(188)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
青空
-
村木正成
短歌
5*
07-4-26
書店で働くということ
-
吉田ぐん ...
自由詩
73*
07-4-25
そんな感じで川柳
-
しみまん
川柳
7*
07-4-18
シューティングスター、地上で
-
ポッケ
自由詩
3*
07-4-14
‐産業動物臨床基礎実習‐
-
士狼(銀)
未詩・独白
8*
07-4-14
そら
-
たもつ
自由詩
32*
07-4-12
6P_「短歌2」より_〜塩田より京都へうつる時_昭和三十四年 ...
-
むさこ
短歌
16*
07-4-4
単没
-
ふもと ...
短歌
1
07-3-27
「私は何も言いたくない」
-
ななひと
散文(批評 ...
9+*
07-3-24
十年間
-
MOJO
散文(批評 ...
4*
07-3-15
泥酔した浮浪者
-
狩心
自由詩
5*
07-3-8
愛しい気持ちだけで食いつないでいきたいぜ_ってな雑感
-
リヅ
散文(批評 ...
8*
07-3-6
海から遠い
-
ソマリ
短歌
17
07-3-5
草原のラティメリア
-
小池房枝
自由詩
14*
07-2-28
その①「うんこに意思はあるのか」
-
さち
散文(批評 ...
8*
07-2-16
湾岸経由蜜柑畑行き
-
岡部淳太 ...
自由詩
24*
07-2-6
武士のつかい
-
佐野権太
自由詩
58*
07-2-6
眼底検査
-
曳舟
自由詩
11
07-1-29
Yちゃんが道を渡ろうとしている
-
片野晃司
自由詩
27
07-1-27
十円玉
-
WILLY
短歌
1
07-1-15
車内
-
たもつ
自由詩
18
07-1-10
■批評祭参加作品■夭折をあきらめて夜が明けてゆく
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
13*
07-1-6
種々の理由
-
吉田ぐん ...
自由詩
21
07-1-6
■批評祭参加作品■_批評についてつれづれに思ったこと。(おま ...
-
いとう
散文(批評 ...
11+
07-1-6
散逸してゆく日々の記録を
-
吉田ぐん ...
短歌
11
07-1-6
就職支援センターのこと
-
吉田ぐん ...
自由詩
43
06-12-30
詩の携帯性
-
佐々宝砂
散文(批評 ...
10*
06-12-30
昔、横堀さんというおじいさんと
-
芳賀梨花 ...
自由詩
7*
06-12-30
しずかなくるぶし
-
黒川排除 ...
川柳
10
06-12-30
そろもん(若者の話)
-
みつべえ
自由詩
10
06-12-29
1
2
3
4
5
6
7