無意味に涙が滲むのは
己の弱さを隠すため

自己防衛の殻にメス入れて
痛さにまた歪めても

泣かない鳴かない啼かない


ツギハギだらけの身体を愛してくれるだろうか
誰なのだろうかと考え続けて
無性に人が恋しくなる

何回巡り廻っても分らない


死線の視線のその先の向こう側から聞こえる音
君を傷つけまいと必死になって
失踪してきたあの路

君を壊して僕は壊され




鋏は切るものではなくなった
恋をしたその帰り道
商店街で見つけたコロッケパン
食べながら歩いて家に着く
どんな味だったのか忘れたけれど
胸がいっぱいだったと思う

デートをしたその帰り道
またコロッケパンを買って
 ....
目の前に広がる全ては
受け入れなくてはならない

たとえどんなちっぽけな世界でも


僕はここが世界でしかないのだから
久しぶりにどきどきします。
自然と口角があがります。
4つ年上のあのひと。少し恥ずかしがりや。

先輩から可愛がられていて
バカがつくほど真面目らしくて
好みの顔ではなかったんだけど、 ....
花曇の四月から
薄灰色の雨が零れる
桃や枝垂れ桜の
薄紅のあいだから
無垢のゆきやなぎは零れ
春雷の轟きに驚いてか
ちいさなゆき、を降らせている

その様子は
あまりに白くて
白、 ....
去年は、フェンスの内側から、

桜を見ていた。

今年は、フェンスの外から。

たった一年で、なにもかも変わった。

「この桜さえもなつかしく思い出す」

去年書いた文章。
 ....
雨があんまりしとしと降るから
あなたのことを考えます
どうしてこんなに好きなのに
いつも届かないんだろう

あなたが望むというのであれば
何でもできそうな気がするのに
あなたを思うと ....
親を馬鹿にするのはよくない
親は子供の育て方を知らないのだ
成長の段階で子供のようにぐれるのだ
上からの目線で子供を見るようになるのだ
子供にはわかっている
例え間違っていても「親」 ....
綺麗にしか飾れない僕の言葉なんて
まるで役に立ちやしないだろうから
君がこの丸い地球の片隅で泣くのなら
僕も君と共に泣こう

君のもとへ行くには
この地球はあまりにも広いから
君を見つけ ....
おとといの
夕暮れかけた空
君は
夏の底に
沈殿していったきり
西の夕焼けが
音をたてて色あせていく
手のひらの温度を確かめたくて
軽く握ってみても
汗ばんだ夏の終わり
いつだって ....
梅が咲いたか

菜の花咲くか

どうらや春が来たようじゃ

宴じゃ
宴をはじめるぞ!

さあ酒を交わそう!

いざ舞を舞へ!

春の宴のはじまりじゃ!
私、とても卑怯。

泣くこともしない
笑えない

君の姿に焦がれてばかりで
いざ、自分の実力が試されることに
ひどく怯えてる。

どうしてあなたは今もそこで
ずっと動かないの
ず ....
東京
憧れていた街
過ぎてゆく人たちと
消えない夜の明かり

言葉を殺しながら
信号が変わるまでに
どうにかしてこの横断歩道を
渡らなくてはいけない
あ、またひとり
大切な人とす ....
何か云いた気な空を雲が覆った。

幾千の種が入り乱れた末、
些少ながら遂には人を喰う世界まで確立される。
?独り?
薄汚れた私は美味しいですか?

きっと廃棄される為
産み落とされた埋 ....
寝る前の部屋を暖めておくとか
お風呂場にお気に入りのバスタオルを
置いておくとか
自分でも気づかずにしていること

背の高さやくせにあわせて
物を並べたり
片づけたり
あなたの目線で  ....
月に照らされた女の顔が銀色にひかる

暗闇に 紅く染まった両手をさしだすと

月が狂ったように笑いかけてくる

女はそれが何だか恐ろしくて 嬉しくて どうしようもなくなり 泣き叫んだ
 ....
春が

     はるが

傘の水滴に溶けて
声も密やに
幼いまるみの春の子に
子守唄を聴かせる


まだ固く木肌の一部の様子で
繚乱、を隠した蕾は
雨にまどろみ
陽射しに背 ....
もう 会えなくなるね

あなたとわたし
明日から、違う道

心細くなる
寄り添ってた人がいなくなるから

寂しくなる
隣にいた人がいなくなるから


でも 泣かない


 ....
香しい匂いにつつまれた夜の森
小夜啼鳥は樹間を縫う月光に照らされ
夜の静寂の中 高い調で鳴く
私は夜露に濡れながら
夜鶯を追いかけてゆく
生あたたかい春の夜
月は夜のまどろみの中輝く
君がいるから




私は笑えるの
かまってよ
かまってよ
かまってよ
かまってくれないと
すねちゃうからね!
向こう側へ行きたい おんなのこにうまれたら・・・

きっと、誰も、夢にみる・・・

たった一人の特別な人に・・・

「だいすき」のチョコを・・・

震える手で差し出す日を・・・


         ....
高層ビルの隙間から、ふと空を見上げる

なんて高いのだろう、とても手を伸ばしても届く距離ではない

そう思うたびに自分の小ささを実感して落ち込む

どのくらいの高さがあるのだろう
 ....
空っぽの頭で
手をだらんと垂らして
 堅いじゅうたんの床を踏みしめていたら
 ふと寒気がおそってきた
 
ゴム手袋をはめるときのように
 ぞっと身震いして
 覚悟をきめなければ
 思わ ....
必死で隠そうとするのに
今欲しい闇は現れない

全てが君の目に留まって、全てが私の目に留まって
全てが息苦しいよ

こちらから逸らせた瞳
逸らせた後になぜか
ポロリ
涙がこぼれた
 ....
だからなんだっていうのさ

両端から聞こえる
非難、中傷、冒涜、罵り、叫び、唸り、呻き、喚き、嘲り。


僕は誤魔化されないよ

だってヘッドフォンあるもん
一昔前の愛の歌を聴きながら
歌詞を追っていた

たとえこれが、私のために歌われたものでないにしたって
それでも、感情移入してしまって
いつしか、涙が零れ落ちてしまった

『 さよなら 』 ....
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