私が未来を差し出せるのは
気兼ねなく電話できる人
私が未来を差し出せるのは
ホクロの数を知っている人
私が未来を差し出せるのは
私の長所を見つけるのが上手い人
私が ....
書けない言葉の奥の
足りない夕日の中に
今も聞こえている風景がある
諦めたその視線に映る手のひらと
日々表情を変えていく ベランダの空
懐かしむかわりに そっと靴を履く
今の僕らな ....
僕の右手が
何度も触れようとした、空の隅っこは
夕凪に吹かれて
いつも少しだけめくれていたのを
僕は、微かに覚えている。
その話を
黙って聞いていた君が
急に、眠りにつくだな ....
最後に会ったのは
いつだったかな
たった
二、三年前までは
僕の全てが
君だったのに
悲しいもので
今の僕は
君の顔すら
上手 ....
それはきっと
お月様
木漏れ日
嵐の夜の海
森深くにある空気
金木犀の薫り
我が子の寝息
君と触れ合う指先の
ぬくもり
当たり前にあるすべて
当たり前じゃない
す ....
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
衣類を剥いて 手足を縛った
跡が残るように きつく きつく
愛していると言われた
ホントかどうか疑った
....
コロッケは生活の象徴
雑然としたテーブルや
家族の遠慮ない声
今日という一日の繰り返し
晩ご飯はコロッケがいいな
ミンチとじゃがいも、あったね
二人でやると早いよね
....
巡り来る時が
交錯する瞬間
ゆっくり、たおやかに
観覧車が宙に弧を描きはじめる
小さな箱の中では
あたしとあたしの中の永遠のこどもが
膝と膝をくっつきあって
回る…ね
....
鼻腔に遺された
親友のお骨の匂い
身体に染付いた
病院の匂い
金木犀でもなんでもいいから
どうか消して
いい香りで
わたしをいっぱいにして
自由詩を書くに当たって一番初めに驚くことは自分の中の語彙の無さにだが、それ以上に驚く事がいくら思考を張り巡らせても今記すべき題材が見つからない事だ。これでも自分は趣味の範囲でだが創作活動にも手を出して ....
だって
海の無い町だけれど
川は流れていくから
あたしを探して
どこにと迷ってしまったなら
灯台に登って
あたしを探して
へいき
ぜったい
いなくなったりしないから
坂道 こがねいろ ころがる
足音の環と季節は
付きながら 離れ流れて
そのくらいルーズに タイトに
輪郭を捉えた空は雲がさかさま写真
覆いかぶさった君の
ため息
はみ出した哀 ....
ここに在ったカタチ。
今は。
握りしめれば。
痛いこの手。
さし損ねた傘は
私を守ってはくれなくて
熱を奪われた身体は
小さく震えた。
赤い陽が怖くて
目を瞑った道に
足音は残らない
車輪の跡だけが
残っていた。
そして、戻らない
熱に
私は地団駄を踏 ....
話を聞いてくれて
ありがとう。
表情変えず 文句言わず
最後まで付き合ってくれて
ありがとう。
君に何度救われたことか。
君の笑みは
私にとって最高の薬。
君のおかげで
私は頑張れるんだよ。
夢のように細い骨で
ぼくたちは生きてきたんだね
愛についてを乞うたのならば
骨と枯れても
幾千
幾憶
そこには声があった、と
想う
....
ああ
と
言う声と共に私は口を噤んだ
泣いて欲しいから
彼らは逝ってしまうのではない
笑って欲しいから
彼らは逝くのではない
何かを残したから
逝けるのだ ....
今にも崩れ落ちそうな
{ルビ脆=もろ}いわたしの内側に
いつまでも崩れずに立つ
たったひとりの人がいる
これは一体誰だろう
僕の今いる部屋からは月は見れん
窓から乗り出して東を見ても黄色い奴はおらん
パソコン閉じて さあ帰ろうかなんて思うときに
そういえば最近 月を見てないなぁなんて
センチな発想し ....
071005
壊れたカバンを修理する
汚い顔したオヤジさん
キモイ姉さんニッコリと
駱駝の背中でお休みだ
テレビの修理は明日だぜ
これから新宿 ....
歩いている
ふつうの
新聞見てる難しい顔で
ふつうの
真っ黒いおっさんや白いおっさん、
ハゲのおっさん、白髪交じりの、足の悪いおっさん、
画面を皆で見る、
自転車は走る、 ....
なんでこんなんだろう
自分が自分じゃなくて
時間なんてすぐに過ぎてゆくのに
こんなにも穏やかすぎて
次こそは耐えられないかもしれない
負けられない
無理をして ....
明日が
世界の終わりだといいな
なにもかも
誰もがいなくなる
ううん
やっぱり
いなくなるのは
わたしだけでいいかな
終わりの日は
もうすぐそこに
ある気がしてるの ....
季節を彩る緋色の落葉も
秋風に揺れる山吹色の木も
くすんだ藍色のテーブルクロスも
この目には映らない
愛は死んだの
貴方が去った日
曲がり角にある鳶色の家も
しんし ....
だんだんと 昼陽の短くなって
朝な 夕に かじかむ手
はぁ って 息かけるんだけど
なんだか やっぱり 冬が来るんだなぁって
お寒いのは お好き?
お日さまも昇れば 暖かな部屋
少 ....
帰り道、隣で揺れる長い髪、直視できない君の横顔
何気なく体育の時間に髪の毛を、束ねた君にときめいている
癖毛なの、拗ねる君が愛しくて、天然パーマに今日もドキドキ
いつもより、少しオシ ....
恋をしてしまった
あぁ 恋だ これが恋なのだ
恋をしてしまった
ドキドキしてる
恋をしてしまった
えらいこっちゃ
僕には妻もいるというのに
恋をしてしまった
君じゃな ....
あのとき
きみと見た
あおぞらは
不安でいっぱいのぼくを
新しい
明るい気持ちにして
まほうをかけてくれました
今ひとりで見る
そらは
あの時とおんなじように
きれいで
ぼくの瞳を
そら色に ....
愛の言葉を下さいな。
それからぎゅっと抱きしめて、
最後に口付け落としてね。
だからひとまず
手を繋ごうよ、愛しのダーリン。
無いものねだりをするよりはと
秋の白い雲流れる堤防で
ひとり
清貧ということばの意味に思いを馳せる
それはあまりにも懐かしいことば
仄かなランプの灯かりを頼りに
見果てぬ夢を追い続けら ....
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