白い実験室

あらかじめ
決められた色に
染める

透明と透明が重なって
疑って
濁ってゆく


気が付けばここに辿りつき


誰もが
青い炎に焦がれた

見せ掛けだけ
大きさだけを
燃やしても 
長くは続かない

ここには
酸素が足りない


無機質な時間
それすらも必要 か

全ては新しい色を生み出すために

試すことはあまりにも多く
今までしたことは全て
確認作業に過ぎなかった


あらかじめ
用意されたもの
では
いくら混ぜても
黒に近づいていく一方で


誰もが
新しい発想を と
夢見心地で呟く



そのうちに
懸命な多数は
定められた枠の中で
正しく確かめる作業に生きがいを見つけ

残った少数が
ここにはないもの
を探しに
この場所を出ようと旅立ったけれど

白い部屋はあまりにも広く出口は見えなかった



名前の無い実験室で 僕らは立ち尽くしていた


未詩・独白 白い実験室 Copyright  2006-01-26 20:08:16
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