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日本の現代詩の中で散文詩の占める割合は、無視出来ないほどに大きい。ある程度名のある詩人たちのうちの多くが、散文詩を書いている。散文詩とはいったい何か? ここのところ、個人的に頭の中が散文的になってし ....
誰もがみな
道の途中だった
そして誰もがみな
人に気づかれることなく歩いていた
人に見られていると
そう思うのはあさはかな傲慢であると
時の風が教えてくれた
深い
森の奥から道へ
わ ....
*
嵐の夜の、その翌朝、ひるがえるはずのない翼の夢に目醒めて、少年は歩き出した。岬の奥の家から、岬の先端の、海を臨む小高い丘陵へと。四年に一度の大きな時化の夜。その騒乱を波の背中に残して、空はひ ....
今日いる場所も
明日いる場所も
ひとつの裏側
表側としか感じることが出来ない
かもしれない
ひとつの裏側
ここは寒いが
そこでは暑い
君はたしかな表側
同時に君は
ひとつの裏側
....
吉岡実が後続の詩人たちに与えた影響は大きい。七十年代以降の日本の現代詩は、吉岡実がいなかったらまったく違った姿になっていたのではないだろうか。
ここでは吉岡実の『静物』『僧侶』の二つの詩集を中心 ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 ....
ふと目についたところから壊して捨ててゆく。
それから新たに建て直す。それから新たに作
り変える。捨てていけ。変えていけ。わが国
の年間一人当たりのゴミ排出量は、年毎に右
肩上がり。とうの昔に二 ....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}
光
光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
暗い
宇宙の夜に中に
最初の人間が現われる
途端に 宇宙の空は晴れ渡る
ように見えるが それだけだ
相変らず
宇宙は 際限のない夜に包まれている
最初の人間はぼんやりと坐りこみ
すべる ....
朝食の
トーストとコーヒーの間に
そのものは存在する
点々と どこまでもつづく血痕を
追え
賢者の道よりもまず先に
なすべきことがある
埋められた{ルビ蹠=あなうら}
ますます増長する ....
散歩する
ひとりで
世界に抗うための 肝試し
夜の墓地
君の他には誰もいない場所
君は闇の静かな渓流の中に
ひとつの影を見る
誰もいないはずなのに
墓地をうろつく黒い影
君は見る
....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
その人は起き上がる
いまだ眠たげな目をこすりながら
一杯の朝のコーヒーを探し求める
たった一杯で
本当に目が醒めるのなら
世界は半日ごとに覚醒と睡眠を繰り返す
整理された場所になるだろう
....
田村隆一は太平洋戦争後の荒廃した社会を的確な詩語で捉え、戦後詩壇を代表する存在になった。と、日本の詩の歴史ではそういうことになっているらしい。僕は言うまでもなく戦後生まれ、それも高度経済成長の真っ只 ....
夜、
{引用=背後に
人は身体をこわばらせる
何がよぎったのか
誰があとをつけているのか
この暗闇の中では
振り返る勇気はなく
確かめるすべもなく
人は
いくつもの時を越えて
....
ひとつの認識から始まる憂鬱
鶏が鳴く
もう朝である
月を背後に負った者は
木の幹の太さを計測して
空にまで届かない溜息を吐く
星の下につぶされた者は
動かない時計を見つめて
色のない繰 ....
あなたの子供は駈けていきました
あなたの急を知らせに
道の向こうの
そのまた向こうまで
私が知らない間に
他の多くの大人たちが
それぞれの世界の片隅で
何も変えられないでいる間に
あな ....
宇宙の深淵から
水がひとつぶ
滴り落ちる。 。 。
と、
いのちたちはいっせいに水際に集まり
それぞれに
祈りの言葉をつぶやく
遠い場所で起こった恩寵に
いのちの囁きは共振し
星の瞬 ....
神が不在の夜
その間隙をぬって
あくまでも地上的な硬い何かが
天上の淡い光を覆い隠す
その時
人びとの喉はゆっくりと絞められ
背徳の快楽に意味のない言葉が虚空にばらまかれる
昔日の絵の中 ....
こしごえさんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(109)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
散文詩に梱包されて
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
18*
05-7-16
道の途中
-
岡部淳太 ...
自由詩
11*
05-7-6
鱗坂
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
05-7-2
地球の裏側
-
岡部淳太 ...
自由詩
2*
05-6-28
吉岡実(奇怪な絵画)
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
9+*
05-6-25
蒸し焼きの雨
-
岡部淳太 ...
自由詩
37*
05-6-18
廃棄処分
-
岡部淳太 ...
自由詩
3*
05-6-15
UFO
-
岡部淳太 ...
自由詩
7*
05-6-1
人間
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
05-5-24
存在
-
岡部淳太 ...
自由詩
4*
05-5-21
鬼火の引力
-
岡部淳太 ...
自由詩
5*
05-4-10
詩人の罪
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
40*
05-3-25
詩人の誕生
-
岡部淳太 ...
自由詩
9*
05-3-10
田村隆一(その詩行のかっこよさから語る)
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
30*
05-2-20
夜、幽霊がすべっていった……
-
岡部淳太 ...
自由詩
9*
05-2-11
遠い旅
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
05-2-2
駈けていった
-
岡部淳太 ...
自由詩
12*
05-1-30
水宇宙
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
05-1-13
月蝕
-
岡部淳太 ...
自由詩
8*
05-1-10
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