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 自分にとって詩とは何なのかということを考える時、必ずと言っていいほど詩と詩ではないものとの二項対立の図式を思い浮かべてしまう。これは思考のパターンとしてある種の悪癖であるのかもしれないし、安易な思考 .... 誰も待ってくれないから
みんな子供であることを
あきらめるしかなかった
そうして前を見て進み汗をかいては
花の色でさえも忘れていった
たがいの溝を埋めあっても
ひとりずつは変らず小さく
 ....
 あなたは憶えているだろうか。その日、桜の花が咲いていたことを。少し早い桜が、あなたの行末を暗示するかのように咲き、そして早くも散り始めていたことを。その日、あなたが亡くなった日、外のバス通りでは桜の .... ながれていく
  (しずかに)
その潜行する鼓動を
ききわけて
よりわけて
乾く冬のために
水を落とすものとなる
寒い病のために
感情を輸血し
あるいはこのこころの
ものがたりを出 ....
 日本において詩は、難解であるか平易であるかというふうな語られ方をされやすい。詩作品をいくつか並べてみてどれが難解でどれが平易であるかというのは、誰にとってもわかりやすい物差しであるから、そうなってし ....  詩誌「あんど」8号に掲載された井川博年氏の「期待しない ――若い詩人への手紙のようなもの」と題する文章は、これほどまでにひどい文章を読んだのはいつ以来であるか思い出せないというくらいにひどい、長年に ....  ある時から、あるいはある場所から、生きるということの価値が揺らぎ始める。それは上昇に向かう揺らぎであるかもしれないし、下降へ向かう揺らぎであるかもしれない。そのどちらであるにせよ、それまで漠然と過ご ....  最初に断っておきますが、僕は議論があまり好きな方ではありません。自分が提出した意見に対して横槍が入ったからといって、それに答えて弁明または自らの意見を解説するようなことは極力したくありません。それと ....  どうも批評というものは、ネットのような有象無象が集る場所ではかなり誤解されているようだ。批評を作品に対する単なる悪口と同義に思っている人がいるらしくて、びっくりしてしまう。その程度のものだったら「批 .... あおい月がしずかに沈むのを防ぐために、どれだけの灯
りが必要だろうか。どんな空の下でも、繰り返される息
があり、その色は見えないが、あかでもなく、みどりで
もなく、あお。それに限りなく近い色だろ ....
                したたる、

水のひびきのなかに、私の声があ
ります。暗いこころのままで死ん
で幽霊となった私のとうめいな喉。
ぬれながら、だえきもでないほど
にかわいてし ....
毎日、夕方になると世界が溶け出す。誰もがみなとっく
に気づいていることなのに、誰もそのことを口に出さな
い。(それは、おそろしいことだからだ。)たとえば、
あらゆる文体が溶け出して、誰が何を言っ ....
 詩の読み方といっても、そんなものが決まっているわけではないし、決められるものでもない。読者は自由に、自分の読み方で詩を楽しめばいいのだ。だが、そう思う反面、詩の読み方に根本的な誤りがある人が多いよう .... いのちを
てのひらのように合わせる
欠けたまま
あることの
ひとつの償いであるかのように
頭上の硬い岩は
いつでも欠けたままで
(満ちることなど
たまにしかない)
私たちの不安定な歩 ....
  ――すべての夭折を急ぐ者とそれを諦めた者のために


?

たとえば雨が降って
翌日には綺麗にあがって
その間にブレーキを踏んでから止まるまでの
少しこわい距離がかせがれて
僕た ....
ふうふうと
息をのぼらせ
この坂道をのぼってゆく
季節は溶解し
逆転し
暗転し
眠るものの肌を焦がした
ふうふうと
息をのぼらせれば
ふうふうと
あえぐ空 または地

(私はあ ....
夭折


{引用=まだ生きているのか
そんな声が聞こえるのは
夜の 穏やかな枕の中だ
まだ生きている
時代を通過して
場所を通り越して
まだ何とか 生きているのだが

もう生きて ....
書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって

風に舞っている

いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完

私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
ご覧なさい
桜の花が満開じゃないの
ねえ

ご覧なさい
誰もが浮かれて
踊るように笑っているじゃないの
ねえ

花見だか何だか知らないけれど
生きている人って
気楽なものじゃない ....
ひとつの了解からはじまる憂鬱。世界のすべ
ては青い色でぬられている。雨をはきだす雲
のありかである空、それも青ならば、雨その
ものも、青い水彩絵具にとけてふってくる。
人はみな、青にびしょぬれ ....
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす

うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている



きみがした ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
 ....
私は海になる
ただひとり あなたのために私は
自分を分解して個体の部分をすべてぬき取り
液体だけで構成された海になる
父になることしか出来ない性の宿命
それでもかまわず
私は母のような海に ....
麦色の夕方に
夏は死んだ
その致死量の傷口をさらに広げるため
強い風が吹く
夏の屍骸
それは輝くことのなくなった横断歩道の上に
反射することのなくなった水たまりの中に
横たわっている
 ....
その日の夕方
妻は花束を抱えて帰ってきた
赤 青 黄 白
色とりどりの花の群れ
寝室の棚の上に花瓶を置いて
妻は花をその中に挿した
赤 青 黄 白
色とりどりの花の群れ
部屋の中は美し ....
追われてゆく、陽の速度に倣って、大気は燃えている。すべての失われた魂を鎮める夏。その高温へと連れて行かれる。靴の紐がほどけている間に、素早く足裏をさらけ出し、女の後ろ髪がほどかれる間に、どうにかいまを .... 帰ってくるよ
夏が帰ってくるよ
この火で埋められた季節に
死者たちが帰ってくるよ



ただ白いだけの変な鳥がいます。暑い夏の日差しを受けて、きらきらとその翼が輝いています。飛んでいる ....
少しずつ
深くなる季節に声をかける
前髪の長さが視界をさえぎる頃
君は青のように濡れるだろう
それは特に悪いことではないのだが
誰もが出立している そのさなか
僕は君に声をかける

少 ....
夏の暑さがまっすぐに降り注いでくる。この
暑苦しさの中ですべてを腐敗させて、振り返
ることのない心を育ててゆく。流れる汗の臭
いとともに、空気が汚れてゆく。この世の混
沌を測るものがないのなら ....
夜の野を
羊たちは走る
帰るところなく
羊たちは大群となって
夜の腕の下を疾走する
月の微笑に照らされる夜
野の果ては地平線で切断されている

  人はひとり凍えて横たわる
  夜は ....
こしごえさんの岡部淳太郎さんおすすめリスト(109)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
詩が沈黙する時- 岡部淳太 ...散文(批評 ...5+*10-1-18
必罰- 岡部淳太 ...自由詩809-9-6
その日は桜の花が咲いていた- 岡部淳太 ...散文(批評 ...709-3-26
冬の静脈- 岡部淳太 ...自由詩809-2-16
共感装置の勝利- 岡部淳太 ...散文(批評 ...10*08-9-17
記名の呪縛- 岡部淳太 ...散文(批評 ...9+08-3-22
批評祭参加作品■時が終る、詩が始まる- 岡部淳太 ...散文(批評 ...708-1-26
個人の「経験」から世界の別の顔へ- 岡部淳太 ...散文(批評 ...4*07-11-13
批評について、ふたたび- 岡部淳太 ...散文(批評 ...14*07-8-4
The_Blues_Are_Still_Blue- 岡部淳太 ...自由詩11*07-7-14
したたる、- 岡部淳太 ...自由詩23*07-6-12
日毎の溶解- 岡部淳太 ...自由詩19*07-2-19
■批評祭参加作品■詩の読み方について- 岡部淳太 ...散文(批評 ...15*07-1-8
eclipse_**- 岡部淳太 ...自由詩14*06-12-10
最終行まで- 岡部淳太 ...自由詩14*06-9-26
地霊- 岡部淳太 ...自由詩8*06-6-15
夭折(三篇)- 岡部淳太 ...自由詩13*06-3-27
未完の夜- 岡部淳太 ...自由詩18*06-3-14
幽霊と桜- 岡部淳太 ...自由詩12*06-3-8
Blue_is_the_Colour- 岡部淳太 ...自由詩7*06-2-6
このはれた_さむいひに- 岡部淳太 ...自由詩13*06-1-10
世界の別名- 岡部淳太 ...自由詩33*05-12-19
海になる- 岡部淳太 ...自由詩10*05-11-25
夏の最期- 岡部淳太 ...自由詩9*05-9-24
悲鳴- 岡部淳太 ...自由詩6*05-9-1
散文的な夏- 岡部淳太 ...自由詩12*05-8-15
帰ってくる夏- 岡部淳太 ...自由詩16*05-8-9
声をかける- 岡部淳太 ...自由詩8*05-8-3
棒読みの歌- 岡部淳太 ...自由詩10*05-7-29
走る羊- 岡部淳太 ...自由詩14*05-7-21

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