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厳しく枯れたアスファルトへ
刺さり損ね
刺さり損ね続ける、冬枯れの枝葉の
その陰、から
密かな微かな摩擦、それは残像です
かつて彼らは節足動物でした
密かなのは、そ ....
窓をつくった
何に向かって開かれればいいのかわからないまま
そしてオブジェのように空間に散らばる
さまざまなかたちや色のCHAIRS
ふと気づくと別なのに腰かけてたりする
時計はもう ....
私の中に
さかなが棲む
私の知らない
さかなが棲む
何も知らないくせに
あなたは
さかなを求めてる
そうして
私は
さかなを解き放つ
自在に泳ぎ
反らし
そこは ....
ピアノジャズにゆれて グラスに色水を注ぐ
彩度を少し落としたセピアの空気を 長い煙が流れ泳ぐ
その小指の高音 鍵盤がはねる
私の気持ちは泡と跳ね ゆっくり細いかかとでリズム
天井のプロペラが ....
夢を見ました
私はあなたの親友を一突きに
殺しました
飛び立って逃げようとする私の足を腕を
あなたはその剣で切り裂きました
熱い痛みが
夢の中のはずなのに
熱い痛みが
私を支配 ....
ダヒテ。
ダヒテの発音は砂のようで
ダヒテの腕はいつもきみどりいろな気がする。
僕の魂は重みにつぶされたりはしない
青梅線を走る送電線に巻き込まれたりしない
そうなったら
....
雪が白く彩るために切なさは増すのか
薄紫の雪原に伸びる影はただ一つだけ
記憶の奥深くにあの憧憬を閉じ込めて
氷の枝の先に探す冬の太陽は遠く遠く
深く俯いて一月の短い午後 ....
さしこむ月明かりに
浮かび上がる
窓枠におかれた青白い手
古びたホログラムのような
その手の
輪郭が、ぶれ
はしる、ノイズ
握られたナイフの
かるい重み
ナイフは澄んだ鏡
凪い ....
見えない糸でんわで結ばれていても
青い微笑がしみわたる夜ですから
ともだちだけが変わってゆきます
無声音の言葉はみちにあふれ
生きる水位が青い
少女たちの
渋谷です
原石 ....
連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ
施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
いくらでもふくれあがるおもいかかえて
かこばかりをみていると
どんどんつめたくなってゆく
まにあわなかったゆうやけが
どんどんとおくなってゆく
かたむいたすみっこのゆきど ....
宇宙の深淵から
水がひとつぶ
滴り落ちる。 。 。
と、
いのちたちはいっせいに水際に集まり
それぞれに
祈りの言葉をつぶやく
遠い場所で起こった恩寵に
いのちの囁きは共振し
星の瞬 ....
濯ぎ口から
哀し、と吐く元に重なり
狭く縮んだ喉を 搾るよう抜け
いぶくろしろく しろく あたためゆるめた
ほんのいちど体温は ぬくもり ふれる
くだはなだらかに すべられて
私の身体 ....
神が不在の夜
その間隙をぬって
あくまでも地上的な硬い何かが
天上の淡い光を覆い隠す
その時
人びとの喉はゆっくりと絞められ
背徳の快楽に意味のない言葉が虚空にばらまかれる
昔日の絵の中 ....
「今夜も夜空が見えない」と
老いた猫が嘆きます
だれも教えてくれませんでした
嘆く猫の目が閉じられたままであることを
だれも老いた猫には教えてくれませんでした
....
近所には小さな墓地があって
近所には野良猫がたくさんいて
墓地の奥は鬱蒼と暗く
木々が生い茂り
墓地を取り巻く壁は
どこまでも白い
その白さに毎朝
昇ってくる日の光が反射し
仕事に ....
寒がりな午後は日差しもゆるいので
あなたの肩にかける言葉も
引っ掛かりがなくて
滑り落ちてしまう
コートをかける場所を
内面の、深いところの
フックはまだ見つからない
確認するまでも ....
地球規模のかくれんぼは
神様が勝ちました
ところで鬼たちは
何処へいったのでしょう?
一.
シンクロしている部屋に棲んでいる。
「今日は、耳を貸してくれよ」
ということなので、油に包んで投函しておく。
私は目を借りて、360°サラウンド。
帰ってくると
....
誰もいない部屋にうっすらと
埃がたまっていて
埃はほんのわずか
かきみだされた跡を残していて
白光にさらされて
ひとは乾いてゆく
終わりはないのだと
それはけしてこないのだと ....
ひしめきあう一日のあとに
コップを倒した夜は零れる
子猫の駆けた路地裏に
白い平らな月は滑る
風は
影の上に重なる雪をおくり
この街の色やかたちをおくり
世界はひ ....
「線路の上を歩いて海を渡る
それ自体はけして珍しい行為じゃない
だが
心してきいてほしい
次の駅にたどり着くことのできる者は
きわめて稀である
「大洋をどこまでも縦断する ....
何人もの人が私のそばを
通り過ぎて行った
のではない
振り返る
そこには私がいない
通り過ぎたのは
私のほう
もう戻れない
ことばを失う
むしろ鮮やかに
悲 ....
布団を上げると
やもりが一匹
ぺったんこになってました
どこも腐ってなくて
見事に水気が無くなって
臭いもありません
ミイラという言葉より
押し花という言葉が
頭に浮かびまし ....
あなたの手のひれが
わたしの頬にふれる、
見ているだけでは
かからなかった暗示は せつな
私を滑らせる
あなたの指紋は渦となり
巻かれた貝奥の私を
するりと抜きおと ....
質の中に量があり
落下の中に流れがある
無数にまとまる一つ
雨と呼ばれるものの名
儀式のように繰り返され
思い出された最初の音
絶えず動きながら
点在する光を導き
生かしてゆく雨の ....
哀しみの絵とその音のない映画から
スクリーンが破かれて救い出された
洪水のない水浸しの家はとうに歩けない
哀しみのない歩き方はやがて窓の外に出て
降り積む雪の夜を滑り出すかどうか ....
ビルディングの肩はとうに壊れていて
投げ損ねられた昼がアスファルトで砕け続ける
どれが致命傷なのかわからないくらいの夜が始まる
黒々と割れたビルディングの窓は
誰かの死に愕然としたまま死ん ....
五線から飛び出た音符は
人々を乗せて
風のなかを縦横無尽に踊り
自由な世界を形どってゆく
いやあ
あきれはてるほど平和
ほんと
あごがはずれるほど安心
どろどろ
どろどろ
溶けだしている
溶けだしている
この国の幸せ
米国追随
鬼畜米英
とついこの間ま ....
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