幸せを求めて逃げ込んだこの世界では

数倍もの涙が流されていた

所詮此処には何も無い

現実に背を向けることしか出来ない


嘆いている

たくさんの人が 憂鬱を 謳歌している ....
こころよ風になれ

舞い上がり上空にて雲になれ

わたしという肉体を捨て

今という現実を捨て

浮遊する気体になれ



そうして

ただふわふわと夢を見続けよう

 ....
あなたが いなくなって

わたしは あなたの前から いなくなって

そうしたら 世界が変わった

気紛れな空の色も

壁を滑ってく光の色も

枯れ朽ちた紫陽花の色も

そう ひ ....
2個で150円、
の うたい文句につられて買ったそれは
避暑地の出来事のように
ふわふわと軽く
わたしを照らし
黄色く、寄りそうのでした


夏の酸味と
ひとくち目の
甘い、甘い、 ....
私は、ここに居る

あなたと出逢って恋をした、この場所に

別れて泣いた、この場所に

耳をすませば

あなたの足音

夢かうつつか・・・。
僕は雨にうたれている
雨にうたれている
暗闇の中で雨にうたれている
静寂の中で雨にうたれている

僕の手が雨をはらう はらう

僕が雨にうたれているのか
雨が僕の手にうたれているのか
 ....
 




   膝をたたみ 目を伏せて
   思い出すのは
   折りたたまれた空に見つけた夏のかけら
   黒髪が 風を誘った雨上がり

   わたし ここで猫が飼いたいの
 ....
まなこ に にちりん

もろて に こがらし


つち の かんむり しろ こだち 



かぐわし みつ むし

たわわ の やま つき    


かぜ の ふところ  ....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒

ねむりの いわおに 
腰かけ
仰ぐ 


ちり ち り りん
金魚の尾ひれが 
風鈴を蹴る

ちり ち り りん
黄色の帯と 
左手 
 ....
夜多き午後に生まれて
水に逆らい 森になり
少しだけ埋もれた地の月を見る
暗い光の束を見る
血のにじむ手のひらの先
雲に重なる雲を見る


空が示すものに応えつづけて
ひ ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった


わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ

美しい光

いつつ
むっつ

美しい光

けれどもそこ ....
僕は世界の広さに悩み
君は夏の陽射しに笑った
アスファルトの熱と 急な坂道
駆けていったのは 子供の頃の僕たちで


坂の上では君が待っている
麦わら帽子はいつだって風に飛ばされて
 ....
こころはいつも ゆれていて

いつのまにか ゆれていて

いつ とまるとも わからぬまま

ゆらゆら ゆらゆらゆれつづけて


あすになれば きっと

あさになれば き ....
夢見心地で聞いていた
彼方で 海鳴りが響くのを
まるで泣き声のように響き渡っていくのを

動き出した電車の向こうの 未だ明けない夜には
この{ルビ囁=ささや}きが届いているのだろか
穏やか ....
両脇に雑草が敷き詰めてあって
はじの白い線も消える途中の
でこぼこで、ひびの入った
道を行く

真夜中前の、見落としがちな気配を頼りに
妙に軽いステップよろしく
ふうわり
ふうわり
 ....
通勤電車から見えるいつもの煙突
15時になると渋滞するバス通りの十字路
新幹線の車窓をすべる田園風景
飛行機から望む眼下の蛍火
きみは今なにしてるだろう

日常を台風一過
剥げ落ちたシャ ....
やるべきこと たくさん
やりたいこと たくさん

一年前 僕はからっぽ

やりたいこと たくさん
やるべきこと たくさん

たくさん たくさんだけど
僕だけだったら ひとりぽっち
 ....
心は空も飛べる

心は羽を持っている

心は泳げる

心は歌える

心は時を越える

心は何にもなれる

心は生きる

心は死ぬ

心は誰かを殺せる
 ....
あのころ
まちの高台からみえる風景が
わたしの世界のすべてだった

背がすこしのびて

世界はどんどんひろくなり
わたしはどんどんちいさくなった

くるしいことも知った
かなし ....
いくら温めても孵らない夕暮れに
灯りはじめた明りが視線にぶら下がっている
帰り道を間違えた私は
街角を覆う木の下で傾くようにして
蝉は鳴かない
明日への蓄えを手のひらに溜めるようにして
燃 ....
大好きな歌

何度も歌ってくれた

優しいその声にそっと寄り添い

時の経つのを忘れる

迫る時間に涙して

離れたくないと握り合った手

無常な悲しい合図にキスをして

 ....
これ一本で一日
身体が軽くなるドリンクを買い求め
明日の救いを祈るともなしに


楽しみ方は忘れた

泣きたいのか笑いたいのか
どうしたいのか
わからなくなっている


私は
 ....
ねむい ねむいの

世界を歩いてきた

とぼとぼ

仕事は休み

でも

夏休み

右往左往

東風 そよそよ

くもり

雨 ちらちら

ねむい ねむい

 ....
ふらふらと酔っ払いの千鳥足
さみしがり屋のピエロは口笛吹いて
今宵も月夜の道を歩いています

膝を落とし 手を差しのべ 愛を乞う
寒がりな裸の心を胸に{ルビ潜=ひそ}めて

夜空 ....
{ルビ痩=や}せっぽちな
私の体の奥のほうで
一匹の虎が
牙を光らせ吠えている

今にもこの胸から溢れ出しそうな怒りの炎が
魂の{ルビ器=うつわ}を青い光で染め上げている

 ....
500円玉貯金して

ジャンボ宝くじを買う金がない

そんなことじゃ

いつまでたっても金持ちにはなれないだろう

頭を使って

金を使わず

金を使って

気を使わず
 ....
お嬢の小唄を
宙に放れば
おてんと様が照らしてくれる

小僧の小唄を
地に撞けば
根っこの隅々しらべてくれる

手毬唄、ひとつ
この手に優しい
中身かどうか
優しくこの手に帰 ....
遠き田の隅に孤独は佇みて親しきわれの呼ぶ声を待つ


白きゆり手折る微々たるゆびさきの力でわれをあやむるおまえ


君が代をふたりで唄うさつまいも甘き田舎の夏の縁側


 ....
星空の下では今日も 
作業灯が明るい

掘り起こされる大地
積み上げられゆくコンクリート

道行く人は
まだか、と未来を吐き捨てる

けれども作業灯は
必ずの未来へと向かって
 ....
ねぇ、アリス
貴女が居なくなっても
この世界は続くと思っているでしょう

ここは 
たまたま落ちた夢の国

だから
たまたまなんて
二度と起きたりしないのよ


ねぇ、アリ ....
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