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吹きあげる風の中に
桐の梢は ざわめいて
生暖かい涙をこぼす
その下に立つと
はるかなるものへの憧憬と裏返り
抑えかねる寂しさ
赤い血汐をもっている
私が夜を恐れて
....
心の跳ねとぶような白に
目を見張る
おおよそ神秘な所で
香り咲いた月下美人
一夜、月の輝きのなかへ
身をなげだし
実もつけない花の
湧きあがる純白は何故
そんな ....
薄緑の歩道橋の真ん中で
さざめく街の空中で
立ち停まっている女を見た
遠目で黒い日傘の女をみつめていると
眠くなり汗がじわっと体を包む
街の建物の間を
車が川のように流れ ....