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色を落とした、黄色、褐色の、紅色の
手紙の断片たちが、道の片隅や、真ん中に
からっ風で湿度をなくして
散らばっている
それを潰して
計算できない枚数に砕ける
どうしてうれしい
かなしくな ....
ひっそりと今夜、また
帰る人がいる
うつむいて
みあげて

思い出す予定はなくても
11月の冷えた溜息が
鼻を 服のすきまを ツンとさわってしまうから
真夜中の華奢なシルエットが
歌 ....
カランの曲線、             月光のカーブ、
約束の柔らかさ、               角質のとれた張り紙
絡み合うタッセル  
   ....
北東の風強い中
つかの間の憩いに出逢う
てらてらとした羽根のついた赤唐辛子
影に貼り付いているルビーの小枝
手を伸ばせばほどけていく
振り返れない、振り返らない
寄り道してくれてありがとう ....
黒に青が混じって 紺
夜に空が混じって 海
髪と瞳が混じって 睫
うちの眠った 場所はどこ
約束のトンネルに咲く花の色 
ちいさな嘘を薄めたら もっと哀しい
泣いた朝を薄めたら もっと止ま ....
ああ、もうすぐ
あなたの誕生日
秋だというのを
忘れそうだった
忘れてないけど

わたしはと言えば
くちびるを噛んで腫らしてる
ジグソーパズルは吊リ上がり
笑顔も汚れてしまったかもね ....
濃紺のとおいとおい沖
そこだけ白く光る帆
透いた筏の上に
栞が挟まっている
厚い無地の記憶に
プレスされた 絵はわたし
どんなにのぞんでも
やさしい明け方の帯は
沖へと踊らされる

 ....
今日のような
グレー色した雨の朝は
ふらふらふらとどこまでも歩けそうで
均等に立つ彼岸花たちが こっちはあぶないよと見つめてる

やさしい気持ちが見える表なら
裏にあるのは かなし ....
立ち尽くしてしまった
青空が 白く強い綿雲を
ぐいぐい牽引していく 
数秒目が離せなかった
帰ってきますも
すれちがいも もうない ところへ

橋の下には
紅い まるく掬った両手たち
 ....
白線の外側には
出られなかった気持ちを
服のポケットで押し砕く
(一糸乱れないように)


フェンスの向こうにある
夜明けという抱擁の残酷さよ
迷い子の蛍たちが
溶けたチョコレートを ....
ほおづえをついたら
消えるくらい細い 月だね

知らないあいだに
こおろぎが まぎれ込んでたから
窓をあけて 夜に帰したよ

りーん あちらから
りーん こちらから
遠くても 呼びあ ....
(じゅるりと甘い豊水梨
まだ食べさせられていない
疲れこんで放心
ひととおり過ぎてペタと座り込む)
 
一人で悠悠と横たわりながら耐える
くらしと
半生を捨ててあまい缶詰の汁に
溺れる ....
わたしが森でじとじとになっていたとき
ショコラウサギのおかあさんが
やさしくガーゼで顔をふいてくれた
ホームのベンチにひとり座って
走り去る夜汽車を見送っているだけでは
ありえない出来事だっ ....
いつもの会釈にお決まりの挨拶
それにあとひとこと
胸につかえたしゃぼん玉を ひとつ
ことばに込めて放ちたい

世間話にも地雷はあるかなとか
ぜんぜん気の利いたことでもなく
毒にも薬にもな ....
会釈と定型のあいさつに
あとひとつ何か言って
少しだけ 少しだけ
つかえたしゃぼん玉を空に放ちたい

その話は地雷かなとか
ぜんぜん気の利いたことでもなくて
毒にも薬にもならないような
 ....
首筋に滲む汗が皮膚のくぼみで停滞している
めずらしく鬱屈したものとひっくるめて
無になれない顔になったまま
往復するうちわが申し訳程度に会釈する
トロトロとした頭の中でなにかを想像してみても
 ....
毎夏見る帰省のニュース
しっかりと時間を費やす 家族たち
それを眺めることが毎年の行事

思い出すのは病室の洗面台や
トラバーチン模様の天井
となりの家から夕ご飯の匂い
てん ....
月が光ったり包むように照らす記憶のない、まだはじまったばかりの夜だった。
顔の何処かで泣かないように空に瞳を任せていた。どこを見上げてみても
わたしが知らないだけで、星はやさしく奏でていたんだった ....
勝手のうえに
勝手をこぼしてたら
「それをじぶんに言われてたら
どう思う」という矢印が向いて
ハッと
黙ってしまった

おむつなどを買いに走り
熱り疲れた頭で
排尿日誌がいるか、とか ....
あなたは夏のよう
夏というだけで モチーフ テーマになれる
純粋培養した笑顔は季節そのもの
夏の花は熱く咲くから
明日の朝まで待てない 手を放して踊ろうよ


お腹まで響く雷鳴は 大 ....
るーるー、カチ・カチ・カチ・カチ・
うめくようにきつく、くぐもった、湿る声で許しを請う、どうして?、静夜のからくり、まだ内側を掴んで離せない、風が占める、時は鳴り続ける、果てる波と砕ける{ルビ過去= ....
(また降りそうになってきよった)



泥酔状態で唄う桜坂 音痴でふざけすぎるけど
黒いネクタイと白いワイシャツが いつもより艶っぽかった
「泣きそうになったわ」と あとで口にした
その ....
よごれへたれて疲れたきみも
またあしたまで
あしたまでおんぶしておくからね

たくさんぶつかった日も
すりきれそうな日も
いまは一旦あずけて

ずっとぶら下がってみてるよ
 ....
花野誉さんの唐草フウさんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
おちば- 唐草フウ自由詩11*25-11-19
_- 唐草フウ自由詩4*25-11-11
静かな水- 唐草フウ自由詩12*25-11-7
アカトンボ- 唐草フウ自由詩7*25-11-4
NAVY- 唐草フウ自由詩11*25-10-27
平穏/好日- 唐草フウ自由詩5*25-10-20
なくした栞- 唐草フウ自由詩13*25-10-15
しぐれ未満- 唐草フウ自由詩12*25-10-11
- 唐草フウ自由詩6*25-10-4
九月の決壊- 唐草フウ自由詩15*25-9-26
つうつう(0916)- 唐草フウ自由詩9*25-9-16
旅がまたはじまる- 唐草フウ自由詩13*25-9-7
そっと_だいじに_二篇- 唐草フウ自由詩11*25-9-3
胸のしゃぼん玉(改稿)- 唐草フウ自由詩8+*25-8-29
胸のしゃぼん玉(初稿)- 唐草フウ自由詩17*25-8-27
くーらー- 唐草フウ自由詩12*25-8-23
帰る場所- 唐草フウ自由詩12*25-8-14
遠くて近い(夏の夜に)- 唐草フウ自由詩16*25-8-12
布団- 唐草フウ自由詩18*25-8-3
ミッドナイト・スキップ- 唐草フウ自由詩11*25-7-6
羽化- 唐草フウ自由詩10*25-7-3
マツリアト- 唐草フウ自由詩12*25-6-21
はんがー- 唐草フウ自由詩8*25-6-9

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