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カナは激怒していた。女が男になる、とはこの事か。ユウスケは彼女のパソコン・トラブルの対処に追われた。カナ、彼女はいつもジタバタしていた。創作するにも、アイディアに於いて、デバイス面に於いて、ユウスケ ....
最近、ユウスケ、彼は原稿用紙三枚を、毎日、埋める事が、苦でなくなってきた。
内容は相変わらず無内容といえば無内容であったが、彼は以前と比べて変わっている、というのは事実であった。
彼は久しぶ ....
思いがけず
昔の知り合いに会って
微笑み合い
孤立無援に帰れよ
シャッターが閉まっている
商店街を 朝
抜けてゆくのもいい
螺子のしなり
詩の為に 詩を書いた春の思いも ....
ユウスケは眼鏡を捜した。見あたらないのである。
最近、彼は急に老け込んだ。自身、一年が十年のようだ、と感じた。ああいった生き方もできる、こういった生き方もできる、そういう思考がユウスケからトント、 ....
ユウスケは或る品評会に来ていた。
物々しいというか、ある種インパクトのある絵が一枚あった。
絵の周りには人が大勢つのっていて、その品に審美眼をこらすのにも、一苦労だった。
そして、彼は具 ....
ユウスケは二日酔いの頭で思いかえしてみた。
インターネット上に数人、アルコールの問題で、断酒にのぞんでいる方がいた。元々、彼はアルコールに弱い人間であって、お酒の問題とは無縁であると思って ....
ユウスケ、彼は仕事仲間の男と相談していた。
「相手に誤解を与えてしまったまま、連絡がとれないんですけれど」
「それこそ、誤解は、誤解のままに、だ」
誤解は誤解のままに、と云う言葉は初め ....
今朝は寒いのか、暖かいのか分からなかった。ユウスケ、彼が妻に訊ねると
「丁度いい」
という、なんとも言えない答えが返ってきた。
彼は朝湯に何度か浸かり、元気を出そうとつとめたが、叶わなかった ....
ユウスケは二日酔い、の頭を抱えながら、インターネットのコメントの返信を行っていたが、誤字脱字が多い。一つのコメントを書くに一時間半かけていたらば、この先が思いやられる、と思った。
Xは元々、アカ ....
ユウスケ、彼は妻のカナと夜更け、近くコンビニまで歩いてゆく事にした。
彼は久しぶりにウイスキーが飲みたくなった。と云うのも、妻のカナが、歌詞を入力すれば音楽として成立させてくれるAIアプリ ....
ユウスケは現代詩人会の表明文と睨めっこしていた。
「わたしたちはロシア.プーチン大統領に起因する不条理に反対し、ウクライナの人々の安全と平和を強く望んでいます」
ウクライナ侵攻が始まって四年に ....
今朝、ユウスケが目覚めたのは七時頃だった。こんな遅い目覚めは久しぶりだった。
彼は寒いので朝湯に浸かろう、と考えた。
しかし、妻のカナがあれをしてくれ、これをしてくれ、と云う。彼女の小説の原稿 ....
時は夕刻だった。
ユウスケは自分の書いた私小説を妻のカナに読んで貰う事にした。何度か頼んだが、なかなか聞き入れられなかった。彼女は大学の出で、確か文学部卒だったような気がした。わからなかった。歴 ....
ユウスケはこの日も深夜に起きてしまった。シャワーを浴びて、あたらしい服に着替える。
やっと落ち着いて書斎のノートパソコンの前に構えたが、やがて方々にメッセージ、具体的にはお詫び文を書いている内に、 ....
ユウスケは深夜、三時頃、目を覚ました。
彼は二階キッチンの換気扇の下、煙草を喫った。手のひらを眺めると、ピクついた。彼の心中のバランスは崩れていた。崩れて、いつまでも戻らない。不穏な感じがずっと続 ....
ユウスケは深夜三時に目を覚ました。妻のカナはもう起きて洗顔を済ませていた。
「おはよう、よく起きたね」
彼女は笑いながら言った。
ユウスケはおーいお茶のペットボトルを取ると、パソコンを ....
マイナンバーカードの更新に必要な書類が届いた。一週間、放置していた。しかし、ユウスケは明日、久々のしっかりした仕事であったので、今日の内に彼は証明写真を撮りに行こうと思った。そういった手間のかかる事 ....
窓の外を大きな白い雲が流れていて、それでも晴れている。畑の玉葱の葉がシャキッと伸びている。この玉葱はユウスケの父が植えたものだ。しかし最近父に会っていない。連絡もしていない。友は東京にいて、地 ....
ユウスケは空をじっと眺めていた。先ほどまで晴れていたが、今、不吉めいた大きな灰色の雲一つが、頭上に居座っている。
ユウスケはやっぱり禁煙薬によって、マズい味しかしないハイライトを揉み消すと、ベラ ....
怠かった。朝から薬を何錠も服して、書斎の暖房は頭をぼうっとさせ、足は冷えたままだった。ここに回覧板がある。開いてみたがユウスケの頭の中に情報が入ってこない。外は小雨がふっていた。傘もささず、ユウスケ ....
起きると時計は七時を指していた。本日は水曜で、ゴミ出しは無かった。安堵しつつ、体中が重たかった。窓から外に目をやると雨が降っている。ここでユウスケの鬱っ気を確信した。一階寝室から出て、二階キッチンに ....
冷えた朝である。くっきりとした青空が広がっている。玉葱の葉がシャキッと健気に伸びている。
ユウスケは暖房の効いた書斎で砂糖入りアイスコーヒーを飲みながら、ぼうっと小説のあらましについて考えて、つ ....
ユウスケは納豆ご飯をかっこむと、茶碗と箸をシンクに下げて一階、書斎に向かった。
出勤まで後一時間ある。ユウスケは小説の続きを書く事にした。シャワーを浴びていて、髪はまだ濡れていた。
コ ....
とけてゆく熱視線
ついにあなたはサングラスをつけて
塁にランナーはいない
どちらのチームにもヒットさえない
何が当たり前なのか知れないが
きっと引退した先輩は
テレビでこの野球中継 ....