○「悩み」
自分の思い通りにいかない時に
僕は悩む
思い通りにいくことが
いいことか悪いことかは
また別問題である
○「秤」
自分の秤によって
物事も人も計っている
また他人から ....
一つずつ失うごとに
一つずつ解放される
と同時に
一つずつ何かを得る
人生の旅で
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの詩歌です。}
ハロー、ハロー
青い旗が揺れている
燦々と降り注ぐ光のなか
どてら姿のおじいさんが過ぎ
わたしはイートインでコーヒーを啜る
長閑な午後の一時です
雪の吹雪く北の国
寒風吹き荒ぶ東の国 ....
みんなが
きみの声に
魅了され憧れた
60´sに僕は生まれたから
きみのことを知ったのは
もっとずっと後になってからだよ
初めは
きみの歌声の後ろに流れる
音の壁に圧倒されて
世 ....
否定のない拒絶にいすくめられたマスクのなかで 小さく
咳をした
マスクの正しい位置を探しながら電車に揺られ
息で曇る眼鏡の レンズの
向こう
(窓外にあらわれてはきえる 誰も ....
言葉の葬列は
言葉の魂を愛に返す
私は
葬列
の最後尾
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
もう来ない誰かの代わりに花を折り 空洞がまた広がっていく
はじめからないものばかりを失って 立ち上がるたびに笑う三月
どうしてですか
給料があがらないのは
人件費圧縮が経営の基本だからですか
どうしてですか
空港に行くとき緊張するのは
保安検査がものものしいからですか
どうしてですか
缶とビンを ....
何かを感じ取っている、存在していることによって、電車の音を聞いているようにして。年が明けてからすることもなく、スーパーで野菜を買う以外はこれといった行動をしたことはなかった。呼吸を繰り返しているだ ....
探り吹き
小さな羽根飾りが付いた
中折れ帽子のヒデキさんは
ハーモニカ歴六十年だ
楽譜は読まずにメロディーを
口で探って覚えていくから
僕は探り吹きだ、と言って笑う
特別養 ....
時には
空っぽの 胸
ひとつたたずむ
けれど思い出せば
宙に星々が光り始める
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
ごめんなさい
ありがとうさま
どの道
終わることが出来る
だから前を向こう
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
なけなしの金でタバコとコーラを買ってきた
セブンイレブンまで1000メートル
マックスーパーまで800メートル
右太ももの神経の麻痺の為のシビレの
リハビリに自転車で往復した
目の前の困難か ....
雪道に残された足跡
自分がどこへ向かうのか
どのみち決まっていなかったから
足跡をたどって歩いた
同じ場所でとどまたった跡
ところどころ曲がった跡
どうしてもまっすぐになれない ....
私には悪がある
だけどだからこそ
できるだけ善く
生きたい
みんなと
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
間食なんてほとんどしないのに
今夜は無性にチョコレートが食べたい
なにがあったわけでもないのに
ただただ板チョコを貪りたい
こんな気持ちなったのは初めてで
どうしたらいいのかも分からないほど ....
年は取りたくないと思っても
年は確実に取る
年を取ること
水が流れるがごとく
年は取っても
健康であればいいと思っても
老化や病気からのがれられる人なし
日が西へ沈むがごとく
....
タチアナ
灰色の軍事博物館の
白黒の写真の向こうで
微笑む若い女の名前
重苦しいくすんだ
軍服を着ていても
その笑顔だけは
すげ替えたかのように明るい
タチアナ
は
戦場で死ん ....
転勤が決まったという。何処へ、と尋ねると別の星だという。夕暮れの河原に人影はなく、二人のために飾られた絵画のようであった。たまには戻って来られるのか、とか、いつまでの予定で、という私の質問に対し、こち ....
お空は言った
これも必然よと
花は散って実る
命に従い私は
善く生きたい
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
今年は何をするべきだろうということを思いながら、外の景色を僕は眺めていた。去年はあっという間だったが、同じように今年も過ぎていくのだろうか。私見では、もう、この疫病が収束しても昔のような生活スタイルに ....
人は何であるのかを知ろうとする
夢見る時に 頭に
知ることで 道を
進むことで 不安を
歩くことで 何かを
ふざけるな
いえ ふざけてなんか
いない
私の言葉
思い出してほしい
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
晴れた日には
出かけたくなる
空気が冷たくて
風が強くても
晴ればれした
気持ちになれるから
ちょっと無理をしてでも
外に出かけたくなる
腕を広げて
お陽様を浴びて
光合成できる気 ....
おちている光を
うさぎだと思った
そうきみに言った
商店街の 黴だらけの夜
ぼくたちはネズミだった
もうぼくをすきじゃないと
うちあける瞳を ぬ ....
履き慣れないヒールを履いたりするから
まともに歩けなくなったりする
けれど今日はどうしても
この滅多に履かないお気に入りを
履きたかったからしょうがない
予想してはいなかった痛みに引きずらよ ....
フジの逃走中でヒカキンが逃走に成功したね、良かったね良かったね、と一円硬貨の照り返しのようにきらきらと、子どもは素直に喜んでいた、ザッピングのような事実や風景に、心をとどめたり投射したり、騒が ....
1990年
三歳のコンスタンチン君が
サハリンから北海道に来て
火傷の治療をしたことが
大々的なニュースになっていた当時
実は同じ頃に
精神病院に思春期の女性が
サハリンから
治療 ....
意固地になり夜が明ける
周りに笑われ東へ西へ
枯れすゝき行き場なく春迎え
夏の潮風の中 檸檬に恋する
子猫揺りかごに乗せ夕餉待つ
竹の花まだ見たことがない
柱に触れようやく春来た
野には野の事情と掟がある
家遠くまだ帰る道もなく
針を手に集める
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