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小吉のおみくじに書いてあった「待ち人、来ず」。
来んのやったら僕の方から伺うさかい、待っててや。
僕の経営するさみしがり屋は年中無休だよ。
店先にちょこんと座り、君が来るのを待ってるよ。
自由という字には7つの部屋があります。
どれを選ぶも、どれも選ばないも、君の自由です。
小さな大阪で生まれ育ち、小さな大学を出て、小さな大人になった。
小さな大病を経て、小さな大切に気が付き、小さな大福を手に入れた。
目と鼻の先だからと油断しちゃいけない。
象の目と鼻の先って、結構なかなか遠いよ。
結露は結露る気分でなくとも結露らずにはいられない質。
結論として結露が結露っているのは結露らざるを得ない為。
駅前でタクシーを拾ったので交番へ届けた。
善い事をしたはずが、690円を支払わされた。
僕はいつも一度だけ改行をする。
その小さな段差に一人で座っている。
元気を出せ!と恐喝しないでください。
金を出せ!なんかよりも恐ろしいのです。
ドアスコープから外を覗くと、そこには未来。
だとすれば部屋を振り向くと、そこには過去。
君の小さな手は僕にとっては偉大なのです。
その手は僕に対して偉業を成し遂げているのです。
砂時計の青い砂を風に飛ばそうよ。
180秒の砂を遥かな青空へ返そうよ。
毎朝、小さなお守りを一つ握って家を出る。
それは例えば、食パンの留め具だったりとか。
毎日をうしろめたい気持ちで生きている。
こめかみを動かしてパンばかり食べている。
複雑に入り組む僕の手相、都内の路線図みたい。
拳をぎゅっと握り、東京とやらをぶっ潰そうかな。
お風呂場のタイルの柄、初めてちゃんと見た。
名もない小花たち、湯気の向こうに咲いていた。
鼻がピーピーとうるさいので息を止めて一回死んでみた。
今度は心の声が生き返りたいとうるさいので仕方なく蘇った。
夢中になれる何か一つ、見つかるといいね。
どん兵衛にお湯を注いだことも忘れる程のね。
背広を脱いだ父の背中は思いのほか小さく薄かった。
広大な海ではなく、本当は庭先の水溜まりほどだった。
僕の走馬灯をポニーテールの君は駆けるだろう。
その美しいしっぽを揺らし、君は駆け抜けるだろう。
両祖父とも僕の初恋を待たずして逝ってしまった。
父とは出来ない色んな話、3人でしてみたかったなぁ。
昔からコッペパン食べるとコペンハーゲン行きたくなる。
小4の秋、昼休みに裏門から脱走したのも、きっとそのせい。
異国のバーバーで髭を剃ってもらうのが夢です。
僕の髭はその為に生まれ、その日を夢見て生え揃う。
僕のため息、偏西風にのって、飛んでいく。
憂鬱な窒素のかたまり、いとも簡単に渡米する。
人差し指の指紋、混み合う等圧線、嵐の予感。
絶対に押しちゃいけないスイッチ、押してしまえ。
雪平鍋に鍛金職人の金づちの跡、沢山。
雪平鍋という雪原に彼らの足跡、沢山。
秋の山中に巨大なプレーンオムレツあらわる。
黄金のイチョウの木々、楓はケチャップソースなり。
知らないうちに僕も大人になっていた。
絵柄を見ずにコアラのマーチを食べていた。
大盛りのカツ丼、君と半分こ。
食べ終えたら、お互い、半分ずつ自供する。
食パンの耳に独り言を聞かれてしまった。
どうしよう、はずかしい、あああー、ぱくっ。
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