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山際に故郷を茂らせて
霧立つ河は唱和する
悠久の径を手引くように
水面には明かりの灯った小さな神輿が流れ
その一つ一つに幼子が蹲っている
名付けられた世界を知らず
生誕の由縁も語れぬまま ....
「皆既月食です」とテレビの音がして
おやすみなさいを跳ね返す
賞味期限が切れた豆腐を
日付通りの零時に捨てた
ピンクのキティサンダル脱ぎ捨てて
前髪をちょんまげにした女が
冷蔵庫を覗き ....
ひょっとしたらわたくしは
日の丸弁当を
持ってきてしまったんでしょうか
米と梅干しが踊る胃と口を押さえた
プリンはどうでした
青空が映し出されて
伸びやかに皿に居る
ヘドロを産み ....
死のうねって約束した十三歳の女の子と
その時は一緒に夢を見ていられて
私今じゃひとりでブランコたまに漕ぐ
悲しさが
二十四時間後にやってきて
にゃーんて叫んでた
あの子は立派に調理 ....
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