すべてのおすすめ
生命線をなぞる
左手のひとさし指でいちど君と
出会った気がした真昼に
やさしく訪れるように降る雨が
こころに刺さる氷柱を一欠片ずつ
溶かしていく夜に冬が泣く
何度も読んだ小説の
一行 ....
目を覚ました
しとしとと音がしている
しずかな朝の、
雨音の音階を調律するひとがいる
誰だ。
調律師は物憂げな顔で指先を動かす
ふと音がなめらかに
なったかと思うと
その指先は ....
十代の恋は幼く
大人びた香りがした
あの夏の日暮れの
夜が落ちてくる手前の街を
指を絡めて歩いた
あなたの指は
ほそくしっとりとして
引かれるまま道を歩く
足取りはひどくゆっく ....
小雨日和に
涙がひとつぶ落ちると
空き箱に海が広がり
折られた便箋が繊維の波をつくる
皆が別れを見出だす
手先を冷たく潤す
水はしわを消さない
刻まれていく訪れに感謝し
なくす ....
田中修子さんのかんなさんおすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
はじまりは揮発していつしか空が曇る- かんな自由詩12*19-2-20
雨の日と月曜日は- かんな自由詩10*18-3-21
遠い日の透かし雨- かんな自由詩7*17-6-16
せんいの波- かんな自由詩5*16-3-23

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する