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ほら、あの窓から記憶を
覗いてごらんなさい。
風が吹いてカーテンが
まだ、朝早すぎてだれにもふれられていない ひかり を孕んで揺れている。
そこにはかつてあなたの( )があった、と、重たく ....
金の明かりに照らされた
夜桜のトンネルのした を
屋台の光が金色だ。林檎飴をひからせている。
夜叉か、この、爪、爪を磨いて、
夜桜の香にあてられる、
この手が銀の羽になろうとしている ....
「モラトリアム」
貝殻の中で
海の響きに耳を澄ませていた
澱んだ温かさの中で
海の響きは一筋の救いのよう
澱んだ温かさの中で
貝殻の砕ける日を待っていた
....
「黄色い傘」
きいろい傘が咲いていて
わたしのうえに 屋根になっている
かさついた
この指は
皿を洗い刺繍をし文字を打ち
自由になりたくて
書いていたはずの文字に
とらわれ ....
おかあさん、あなたのいない夏がまた来たよ
そうしていま選挙の時期です
口癖のように歌のように
あなたはいつも
社会貢献できてわたしの人生は幸せよ。
そう、甘ったるく高い声で
誰にも有無を言 ....