深く眠って目覚めた朝のゆびさきは
少しまだ透明がかって
夜が
見えかくれしている

動いている心臓は赤い磁石
覚醒してゆく時間に
わたしのかけらを
元在った場所に吸い寄せて

願っ ....
薄くにじむ曇天に
陽は破れ
私たちは歩く
口の尖った犬を抱えて

濃い実の残る柿の梢に
風をぶら下げて
風の飛び去る松の林に
大きな瞳を棲まわせて

薄くにじむ曇天に
陽は動かな ....
魚は形を失った
こっそり棚から取ろうと背伸びした
幼子の小さな掌から
するりと逃げ出したのだ
{ルビ釉薬=ゆうやく}で青みを帯びて
濡れたような
しなやかな生の動態を
無言で秘めて微動だ ....
 
川が近づいてそっと入っていく
金属くさい くさい 私と
その鎖のつながりあるところまで

この世が終わるなら私ひとりだけ終わっていいと
いつも思っていた        いつも思っていた ....
 佇んでいる。
 びたりとも動かない水だ。
 この夏、そんな水を見た。
 早朝、いつものように堤防道路をのったりと散歩している時だった。ぼくは、不意に気づいたのだ。音がしない! いつもの音がしな ....
重力に引かれて眠りに沈みゆく
数多の追憶の断片を
けたたましく喚く時計が
力任せに引き戻そうとするものだから
ほら、シナプスが千切れてしまったじゃないか

無垢な朝の光に出会うたび
鏡の ....
いのちは
こころのかたすみで
ふるえながら狂っている
枯れた木が
記憶だけで
まだ水を吸い上げようと
こころみているように


まともなあんたは
ひびわれた ....
飴を、舐める。
眠る。
私は眠る。
光に満ち溢れた戦争が起こる。
身体の不調。
調性。
波に濡れた身体。
私は私から零れていく。

ニューロン
夢を集めて
逆さまにする

遠 ....
蒲公英の繊毛には色がある
白色は視覚化されるが
赤、青、紫、橙は花の妖精しか見ることができない
その色によって着地点は既に決められている

人間の心も同様である
人間の妖精は太古に滅んだ
 ....
氷の橋、魂は密航する、銀竜草、傾いでいる秋の七草、光る星が何万年前の現象なら、光の中にある私の死体は、すでに、星々の冷めた遠景、氷の橋、猫の舌、竜舌蘭、傾いでいる冬の小路、太陽系を縦走する小惑星の発見 .... うたた寝をして
おかしな時間に目覚めた時は

再び眠りにつくのが難しい

布団の中で
いろんな事を思い出し

深い記憶か

浅い夢か

よくわからないところを彷徨う

眠り ....
「蜃気楼を食べて生きている」


白昼夢 さよならはとうに終えていた
指先にかみさまを住ませた日から
居住まいを正して
日々是藹々と笑って生きる

陽炎 揺らめき 影送り
爪先か ....
台風のあと散らずにいた
白い小菊の花びらの中に座り
濡れた髪など乾かしながら
やっとひとごこちつく
清涼な香りに
生き返るここちする

草むらで横たわった猫は
生き返らなかった
その ....
ジョン・ケージのような一陣の風が
時折吹き抜ける早朝に
雨は既に止んでいた
誤算を重ねて扉が鳴る
別にゴジラがいるわけでもなかった
父と母が降りて来る
バナナを食べる父
私はバナナを決し ....
沼のような底だったと思う
金貨を無くしそれでも
…這い上がらねばと試行錯誤から、身包みを捨てた
沼地が枯れた。
死体が多くて餌には困らないと獣たちはいう
喚起に飲み干される時間ならば停止 ....
   
満ちていた
哀しみ あるいは痛みのように
煌めいて
昨日を潤し明日を照らす
零れ 滴り 流れ落ち
さらに溢れ
駆り立てる
とどめる術もない力で
押し寄せる波
こみ上げる欲望 ....
黒い夜の画布を背に
彫刻刀で刻まれた白骨のように
浮かび上がる鋭い流氷の切っ先が
すばやく流れる雲の切れ間に
瞬時に現れた細い三日月を
祈りのように照らし出し

私が確かに聞いたのは
 ....
時々自分が

この次元に
生きてることに驚く

想像もしなかった未来に
自分が存在してる

あの頃見つけた
暗号は解けたか?

答えよりもっと前に
問いを忘れた

人の思考 ....
生まれたばかりの朝に
人々の小さな営みの息づかい
まあたらしい魂の叫び

生まれたんだな
なにかが
よろこびも かなしみも
よちよち歩き

疲れきった夜までは
まだ時間があるようだ ....
{引用=   The Evening Prayer}


だんだんみじかくなる

{ルビ滴=しづく}よりも


もうきこえません


うけとつてく ....
空がまだらに光っている
飛び去った雨の記憶が
まだ薄っすらとかかっている
まだらにかかっている

空に穴を開ける
輪郭の正しい きれな穴を
縁が黒くナイーブに切り落とされて
小さな丸い ....
ウッドデッキの
木と木の間の細い隙間に
花びらがすすっと入っていくのを見た
少し離れたところから
目を凝らすと虫が抱えていたようだ
蟻にしては大きかった
ごく小さめの細身の黒っぽい蜂の ....
海は水平線を
鋭利なナイフのように突きつけてくる
想い出は残照の別称であり
水のように浸る憂愁である

夏が去り
海岸には打ち上げ花火の残骸が
寄せ来る波間に漂っている
{ルビ流離=さ ....
ジニーが死んだ
名前なんかつけたから
何度壊してやっても
やがてまた同じところに低く浮かんで
逃げもしないし
玄関横の
しろい壁とオキザリスの
プランターの間を斜めにつないで
全然邪魔 ....
月までは案外近い
いつか行き来できる日もくるかも、と
あなたはいうけれど
それが明日ではないことくらい
知っている
人は間に合わない時間が在ることを知っていて
間に合う時間だけを生きてゆく ....
古いセメントの欠片からはみ出した鉄筋がねじ切られた肉体からぶら下がる大小さまざまな血管を連想させる白昼夢、うだる暑さの中で皮膚をなぞる汗の温度がそんなイマジネイションに奇妙な実感を加味する、街 .... 帰省した
ほんの気まぐれに
親に顔を見せた
ひどく暑い夏の折
来月に盆を控え
年のはじめに世を去った
祖母を思った
居場所なく
結局仏間でくつろぐと
線香の匂いが
また ....
サイダーのボトルを開けて
気泡の弾ける音に耳を傾ける

真夏の太陽が気泡に反射して
まるで宝石を散りばめているようなサイダーのボトル

涼しげな音の宝石たち

見入っていたらトンビ ....
うまれたての水のつめたさで
細胞のいくつかはよみがえる
けれど
それは錯覚で
時は決してさかのぼらない
この朝は昨日に似ていても
まっさらな朝である

それでも
あなたの水は
六月 ....
子供たちと浜辺を歩いた
漁港の電球は強くて
横に並んだ僕らの影を
黒い波にくっきりと映していた
夜の散歩に子供たちははしゃいでいた
僕は海側の一番端にいたので
きゃっきゃ舞う子供たちは
 ....
青の群れさんのおすすめリスト(208)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
新しい年- そらの珊 ...自由詩19*18-1-4
冬の散歩道- オイタル自由詩13*18-1-1
土の魚- ただのみ ...自由詩7*17-12-30
いとなみの川- 唐草フウ自由詩14*17-12-27
わがままな水- 草野大悟 ...自由詩1117-12-9
1/365歳、年をとる- のらさん ...自由詩117-12-4
あらゆることが語り尽くされたあとに- ホロウ・ ...自由詩15*17-12-1
銀河- 由比良 ...自由詩717-11-29
ふわりの旅路- 白島真自由詩17*17-11-11
氷の橋- 白島真自由詩14*17-11-6
やわらかい迷路- ガト自由詩3*17-11-2
蜃気楼を食べて生きている- 瑠音自由詩117-11-1
花暮らし- そらの珊 ...自由詩17*17-10-30
早朝- 間村長自由詩1017-10-30
冬のアマゾン- ツノル自由詩7*17-10-29
海が涸れる- Lucy自由詩14*17-10-27
冬のオホーツク凍えながらたった一度でいい最後に私は意識の勝つ ...- Lucy自由詩12*17-10-17
モールス- ガト自由詩3*17-10-11
- 星丘涙自由詩16*17-10-8
晩祷- 石村自由詩12*17-9-30
雨上がりの玄関に腰をおろして空を見ている- オイタル自由詩6+17-9-23
ウッドデッキの細い隙間に- Lucy自由詩17*17-9-19
海そして残照- 白島真自由詩16*17-9-19
ジニー- Lucy自由詩14*17-9-12
秋窓- そらの珊 ...自由詩23*17-9-8
思考は瓦礫の中で- ホロウ・ ...自由詩1*17-7-17
- かんな自由詩12*17-7-13
海辺と- 倉科 然自由詩717-7-11
今日の水に寄せて- そらの珊 ...自由詩18*17-7-6
ある夜の思い出- 渡辺八畳 ...自由詩317-6-18

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