大きな犬に
吠えられたので
逃げる
逃げると
追いかけてきて
かぶりと
噛みつかれる
そんなことは分かっている
分かっているけど
大きな犬だと
怖いから逃げる
逃げると
 ....
「寒い」
と君は呟く

君に街外れで告白したのは
怖かったから
君はそんなふうに
すぐ
逃げるから


「寒い」
と君は呟く

僕はその頃
埠頭で潮風の匂いを嗅いでいた
 ....
ハッピーバースデー
ほんまにおめでたいんかな
ハッピーバースデー
生まれてきたことが幸せだったかどうかなんて僕にはわからん
ハッピーバースデー
仕方ないね 死んだことないんだから

けれ ....
うん。
そうだ例えばね。

歳の離れた少女に、尊敬の念を感じたり。
歳の離れた、おっさんの人生を心配したり。

また。
そうかと思えば。

歳の離れた青年のケツを、思いっ ....
何か掴まなければ と
恐れなくてもよいのだ
いつでも繋げるように
私の両手は空いている


嘗て星々に触れたとき
驚きながらも微笑んだ
一秒よりもはやく
私たちは老いてゆくから

 ....
                   − 素子へ、特別版 −


子供の頃は戦後のモータリゼーションが
発展し始めた時期で
うちの車は初代パブリカのデラックス
その頃は車のグレードと言った ....
初夏の夜、首が痛くなるほどに
高い空を見上げて、
あれがかんむり座だよと、
いつかそう教えたのに、

あなたは忘れてしまった。
七つの星でできた王冠を、
あっさりと投げて捨て ....
沈みかけた夕日に
灰色のカーテンを浸せば
世界は爆発する


 *


うつくしい言葉を残すのはやめろ

あれは悲しみで あれは俺じゃない
ぼくの部屋の電気を消すと、カーテンが発光して、それだけになる。隣のマンションの窓がすぐそこにある。昼間、すこしだけ部屋を覗いたら、そこには書類や分厚い本が重ねて置いてあり、おそらく研究者か、その類だと .... 1.

かみさまは、どこですか。



2.

かみさまは、どこですか。

道すがらたずねると
あっち、と指をさした人がいたので
ひたすら あっち、に向かって歩いた
歩いて歩 ....
 着込んだ老人が
 踏切りを渡りきれないうちに
 死んでしまうのは


 電車は通らなかった

 車は突っ込んでこなかった

 風は吹かなかった

 杖を玄関 ....
自分ではない誰かに上げられた狼煙が

僕に対して上げられた合図だと

勘違いしてしまう

先生、
ぼくのお兄ちゃんが
このあいだ死にました

ぼくのうちは
3人兄弟です
全員男です

まん中のお兄ちゃんが
死にました

名前はゆうごです
ぼくは「ゆうごちゃん」と
 ....
少しだけ悲しいお話をしたあとに
あなたは
少しだけきれいになったようでした

まるでいいことばかりじゃない
そんな嘆きを語っていたわけではなくて
これから先のことをからめて
あなたは
 ....
夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居な ....
 俺は月を見ていた。
 月は俺を見なかった。


 おまえのことを
 思い出し
 夜はよく眠れる。
 朝に起きる。


 昼。
 ショートケーキの苺を ....
失いかけた
午後の空白から
歌が聞こえる

 「バイバイ」と言っているんだね

とどまらない風が連れて行く
小さな声の始まり
先端が少し冷たい





君のフライングが
 ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い

バカ男さあ、昔、母さ ....
封筒のいのちが燃やされた朝
高い樹木は舌のかたちに風に揺れ
戦争に行ったままおとうさんは
還ってきませんでした

硬いあおぞらで何かが倒れます
夢の森はいまでも神聖なままですが
月だけが ....
冬枯れのわたし

どうすればいいでしょうか
たしかに
花びらはまだついて
いるのだけど

見向きもされず
時間も忘れるほどにあなた
種さえ枯れて
見えない粒

触れるだけでもう
折れる準備はできて ....
さぁ コーヒーをもらおうかな
ブルーの空 いれたての春
風にとけるまえにほら、
彼 の 夏 に

溺 れ ぬ や う に と 閉 ぢ た 空

無 人 で 回 る

廃 観 覧 車
妻と二人で梅干を漬ける
台風が近づいている
空はまだ晴れているけれど
窓から入る風は生暖かく蒸し暑い
梅の実の良い匂いがする
水洗いした梅の実をタオルで一つ一つ拭き
ヘタを楊枝でほ ....
静寂が満ちるのを待つ

あなたは
広げた想像の張力に身をゆだねて
空を映す水面に静かに浮いている

手のひらをつぼみにして
ゆっくりとふくらませるとき
わずかな空間の揺らぎが
水中を ....
冷気のようで
霊気のようで
炎のようで
誰かに似てる

どこかでお会いしましたでしょうか
そのとき私はどんな歌を口ずさんでいた?

引き出せない記憶の方が多いんだ
指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて 
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
 ....
馬鹿ターボ
全開で帰宅する俺
髭をたくわえ少しワイルドな俺に
おかえり、を言う娘は少しワイルドな俺に少し慣れ
一番星が出始めた空の下で縄跳びの練習中
綺麗でしょ、綺麗でしょ
いや、 ....
「ロックンロール」
が口癖であるかのように
毎日3コードの事ばかり考えてる
きみ、

体重を測定したら
“痩せ過ぎ”の烙印を押されたね
でも
「3コードの方が重要だ」
って
きみは ....
掌に乗る
生命の記憶の
なんと軽いこと
デジタルは、夏の中



よせる波に追いつくスピード

車を走らせて
たどりついたなら
うすむらさきに暮れゆく
空と海のあいだを
歩こう
風にもゆるがない
涼しい背中

 ....
かのこさんのおすすめリスト(269)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
愛知県- あおば自由詩4*05-5-19
無題- ふるる自由詩15*05-5-19
ハッピーバースデー- リヅ自由詩3*05-5-16
「_うん。_」- PULL.自由詩7*05-5-16
ソネット(触れている)_(2005.5.15)- 和泉 輪自由詩2505-5-15
スタンダード- 大村 浩 ...自由詩55*05-5-4
かんむり座- 佐々宝砂自由詩2805-5-3
世界- 黒田人柱自由詩3005-5-1
うすぐらく、ふかい部屋- ピッピ自由詩705-4-20
かみさまについての多くを知らない- 望月 ゆ ...自由詩43*05-4-10
深爪- カンチェ ...自由詩405-4-6
なんとなく- ポンテク携帯写真+ ...8*05-4-5
かきフライ- 043BLUE未詩・独白34*05-4-4
少しだけ悲しいお話をしたあとに- ベンジャ ...自由詩31*05-4-3
白い紙、赫い影- 嶋中すず自由詩4505-3-29
俺はショートケーキの苺がつぶれ落ちるさまを眺めおまえの心臓の ...- カンチェ ...自由詩605-3-25
陽の当たる部屋、刹那と箱と- 千月 話 ...自由詩11*05-3-23
家族(母さん)- バカ男自由詩25*05-3-22
祖国について- 青色銀河 ...自由詩10*05-3-21
コスモスだったと気付くかしら- ふく携帯写真+ ...9*05-3-19
空カフェ- ふく携帯写真+ ...14*05-3-19
記_憶- 有邑空玖携帯写真+ ...13*05-3-14
梅干- たもつ自由詩32*05-3-9
睡蓮- ベンジャ ...自由詩3805-3-7
ウィルオーウィスプ- RT携帯写真+ ...1005-3-7
さそりの心臓- ワタナベ自由詩3105-3-3
団欒- たもつ自由詩2505-3-1
華奢でロックをかすりたい男の子- たいにぃ ...自由詩3*05-2-18
崖の下で- 佐々宝砂携帯写真+ ...11*05-2-18
夕ながめ- 望月 ゆ ...自由詩4*05-2-13

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