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廃工場が西日で赤くなる
いつもここから見ている
鉄の階段を駆け下りる夢から冷め
夕映えに気がつく
カーテンのレエスの模様から抜け出たい
破きたい生温かい今日だ
くるまれたまま夜を受け入れる ....
月の表面がつるつるであったと信じられていたころ
自作の望遠鏡での観察で月の表面がでこぼこであることを発見した
ガリレオ・ガリレイ
プトレマイオスの天動説はキリスト教神学オフィシャルサイトの既 ....
''僕はあなたの、
死んだ魚のような目が好きです"
そのにごった、
あきらめたような。
でもそれは、あたたかい。
真っ当じゃなくても良い。
誠実じゃなくても良い。
ただ ....
ガタコトゆくのは2両電車
田舎のしがない私鉄です
その座席に座るわたしは
上下左右にからだすべてが
揺れるのです ....
紙の実が地に落ち
音にまみれる
土ぼこり
鳥の声
水の庭
鳴りつづける標
海へ 海へ
蒼は岩をすぎる
百合の耳の子
息つく間もなく染まる羽
何も ....
自分はいま、ここに立っています
大学時代 何も決められなかった僕が
いまやえらそうに 人に講釈垂れたりします
そんなにえらいとおもったことはないけど
高校時代 自分の居 ....
ある時点で
僕は全て
いや全てといえるものがあるということなど
含め
全て疑って
憑かれて毎日日記帳を尖るボールペンで彫刻した
僕の日記は
僕の毎日を綴ったり紡いだりもしたが
それはと ....
雪が降る、雪が降る、
赤いハートに降り積もる
春はまだか、春はまだかと、まるくなる
果てから
果てへ
西で死んだように生き
東で生きるために死ぬ
西で多くを殺め
東で多くを救い誇らしい最期を迎える
その間
あなたは男と旅をし
多くを学び
多くの大切な仲間と出会うでし ....
夜――母が机にそっと置いた麦酒を呑み
頬を赤らめた兄はじっ…と目を閉じ
向かいの席の母もまた、{ルビ面=おも}を上げ
兄を見つつも…掌で涙を隠し
傍らに坐る、幼い私は泣くまじと
兄を ....
「ハイジのおでこはアールデコ」
塾に行く子供たち 電車を待ち
丸い おせなで ゲームする
一番線に 白ヤギが紛れ込んでいますご注意ください
満員電車の中で みんな気付きません
二番線に ....
古いのや新しいの
ひびだらけや穴ぼこだらけ
人の生活
車が走る
すき間から雑草が伸び花を咲かす
犬がくんくん歩いている
今日もどこかで工事している
せっせと耕して平らにするけれど
....
遂げられなかった
君の夢は
星になった
その光は
誰かの夢につながっている
はず
そんなことさえも
守ってやれない僕らが
ときどき
泣いている
....
友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の四方
散りし桜の梢
若葉の木々
去りし日の想ひ出が
木々の梢にいざよふ
友を偲びつつ
窓辺によれば
窓ごしに見らるる春の空
乙女 ....
艶かしい指先で情愛を確かめる人がいる
悪戯な指先で逢瀬に流れる人がいる
刃物にした指先で誰かの痛みを喜ぶ人がいる
血流滲む指先で過ちを諭す人がいる
その指先でリストカットをする人がいる
....
鈴の前だから
見せられない
すぐ鈴がくる
待てまずいだろう
まだ歪みは残り
素肌とはいえない
ままよママとダンス
仮名にして名を消せ
何をしても悲しい
悲しすぎて何も手につかない
俺はろくでなし
悲しむために目を覚まし
悲しみながらパンを食べ
枕を濡らして寝てしまう
いつのまにか
一匹の犬になっている
明後日の方角に ....
さむい納屋のなかで 菫色の図形が
次第に数を増していく 害のない菌のように
いつしか 石塀から剥がれおちた 西陽のつくるあなたの影
それは いつまでも 母屋の外に置かれた ....
なぜなら真新しい渕に一枚のはがきが落とされたから
なぜなら古い日記帳に挟まれたかつての友人からの手紙が鮮やかだから
なぜなら花は美しいだけでなく春は温かいだけでないから
なぜならどこ ....
きみたちには
失望した
何故、立ち上がらなかったんだ
このままでは
この国は
豊胸も含めて
巨乳ばかりになってしまうぞ
日本人本来の
奥ゆかしいやや貧乳は
完全に廃れてしまった
今 ....
生き抜く命であるために
海外での独り旅に駄賃を
ポケットに包んで
二十歳で渡った地球儀の向こう
できれば
旅先で覚えた
スラングで話したいよ
病気を乗り越えて生きるために
隣人の苦 ....
ひとりツイスターゲームで脱臼
ウォーク。
最前線の気配
爪のツミレ
羽ばたくには早い
覚えるには遅い
出来損ないの音楽
単なる背教
僕と遺書を囲んで
グルグルと疑いを深めてる
ウォーク。
罪のないものば ....
毎日毎日の繰り返しで
見知らぬ気色に憧れる
虚しくそんな自分を鑑みる
明確な答えなどないとわかっているのに
もどかしくて、また苦しんで
止まない雨はないなんて誰かは言う
行き先はわから ....
湯船に
お湯を溜めている時間
時間はゆっくりと進む
湯船に
身体を投げ出す
目を閉じて浮く
時間を忘れゆっくり休む
身体を洗い
湯船に浸かる
つやつや朗らか
声を出して声を ....
独り 楽しむ と記し
独楽(コマ) と読む
独り楽しむためには
独りで己を支えなければならない
独りで支えるためには
日々 回り続けなければならない
そして回り続けるためには
己 ....
涙はがまんをしませんでした
「子ども達を徴兵させる…」
―――子ども達が軍事訓練をする姿など
考えたくもございません
この子達は何もしらない
ご飯をたくさん食べて
明るく優しい子になってほ ....
なぜだろう
わたしたちはこんなに熱いのに
まちはまだ冬をしている
あんなにしろくふやけてしまって
あれじゃあ型もとれないね
あれ、
それは
わたしのことですか
ナッツみたいに香 ....
大きなひとかたまりの石の下
あたしたちはゆっくりと
水を
手放している
昨日より
今日
ことさらに
ひたむきに
あたしたちはゆっくりと
命というものを
凝縮させている
逃げてはいけない
なんてことはない
中途半端に逃げるから
追われるんだ
どうせ逃げるなら
逃げて逃げて
逃げまくれ
何からも追われなくなったとき
それを孤独と思うか
ゴー ....
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