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春かな
雨がしとしと
しとしと心に
目をつぶり
何をしようか考える
春かも
傘をさして外へ出れば
何かあったのかな
皆嬉しそうに少し笑っている
春だよ
手は冷たい
頬を撫 ....
悩まずにはいられない
日常という拘束
塗り替えたい、昨日、今日、明日
眠れば何か変わればいいのに
逃れられない痛み
春が来て、夏が来て
日差しはいつだって
降り注いでくる
変鉄のな ....
カンカン照りの夏の日に
黒いペンキが捲れてた
露出した鉄の赤錆を
ぼんやり見つめる
ころがり落ちた
階段の下から
目覚ましが
遠く鳴る
リリリ
リン
リ
すでに
取り返しが ....
あぁ 声を出せば 空に溶け
取り戻す術を 僕は知らない
芝生に寝転び 眠ろうが 嘆こうが
空の青が 濁る事はなく ついつい安心してしまう
大きな葉の表に そんな一遍の詩を 書き記してお ....
ビデオテープを売りに街に出た
雨の街の中で 傘を差して
だけど ブックオフで ビデオテープを差し出すと
買い取りは 当然拒否されてしまった
モードオフでも
ゴミ捨て場から拾ってきたジャケット ....
疲労の度合いは肉体と精神が切り離された距離の大きさによって規定される。積み重なった疲労によって内外の電気信号を結び付け認識を生み出す思考回路は切断され、苦悩すら出来なくなる。何も得ない、何も失わない ....
雲ひとつ無い空の下
傘を片手に屋根の上
風が吹くの待っている
強く吹くのを待っている
蝙蝠傘くるり
風がさらうの待っている
いつか夢見た世界まで
運んでくれるの待っている
薫る ....
ぼくは祖父ちゃんによく似ているらしい。
子供のころよくそう言われた。
祖父ちゃんは島で暮らしていた。
釣りとかカブトムシ狩りとか教えてもらった。
祖父ちゃんは昼間釣りをしていて ....
最近ちっともニュースにならないので
どうしたのかと
隣の不束先生に聞いたら
おそらく
危険な状態は去ったのでしょう
と答えてくれた
それは良かったですな、はははは
って二人で笑ったけど
....
私が二十歳になった日に夢をみた
そこには子供の頃の私が
涙をながして微笑みながら
私に手を振っていた
きっと別れを告げに来たのだろう
私がさよならを告げると
小さな私は消えていった
あの ....
梅園のあとゲームセンターでコインゲームで盛り上がった。
いま古本屋で子供たちはカードを選んでいる。
ぼくは財布が欲しくなり皮の長財布を見ていた。
このあとどうしようか。
ほんと ....
長い雨でたわんだ箱に注がれ
わたしたちの影は混合される
飛沫は獰猛なひかりを二割ほどふくみ
素っ気ない白衣などに 付着する 未練がましく
そして だれもが わたした ....
爽やかな朝が座禅を組んでいるのを遠巻きに見て、
賑やかに客が行き交う池のある庭に面した廊下に立っていたおまえは
鼻を垂らし、
昼も夜もなく透明な凍りついた顔で笑っている
やがて厳しい冬が過 ....
駅から家までの道を歩きながら
様々な方角へと視線を分け入らせていく
見たこともない花が咲いていたり
知らなかったガソリン貯蔵施設があったり
私の視線は細くしなやかな糸のように
ど ....
雨の音は止まず、俺は今夜も眠り方を忘れて呆然と横たわっている、疲労しているような、それでいて冴えているような奇妙な感覚は、麻痺してしまった日常のタイムテーブルから一時こぼれ落ちた結 ....
手を広げ…じっとみつめてごらん
言語ではない太古の温もりを
こちらに語りかける
生きものに見えてくる
セニョリータ
もしもぼくらの星が駄目になっちまったら
君の目を見つめてこう言うよ
セニョリータ
愛してる
世界が終わっても
二つに裂けないのが二人の愛さ
セニョリータ
都会 ....
肉屋の軒先で 雨宿りしながら
ぼくはグラム398円の値のついた
ショーケースの中の
肉の切れ端を見ていた
タバコに火をつけた
ヘンドリックが
食肉になって
....
遠目から見れば透明な少女
空虚なココロは空気より軽い
二束三文で売った純潔
青い春はこれにて終結
「これっぽっちの温もりだったら
ひとりぼっちと大差ないや」
傷付いたって気付い ....
灰色の道の上に
ひとつの疑問が落ちていた
ずいぶん昔 この胸に生まれ
しなやかに若木のように育ち
そして出て行った
いつか答えを見つけるのだと
朝の光が包む白い道を
振り向くこともしない ....
君がみていた私
私がみていた君
それぞれ存在していたようで
輪郭のない者たち
今はもう触れる事はないすべて
知らない街で
バスを待ったけど
僕らの目的地に行くバスはこない ....
「なんか、お前いつも1人ぼっちだよね」
「ううん、0.5人ぼっちよ」
「まぁそうだな、オレたちはまだ半人前だしな」
「誰か0.5人ぼっちの人いないかなぁ」
「それで1人になれるとか」
「うん ....
父の衣服が
風も無いのに揺れだした。
一人でうずくまる東京のアパートで。
死の間際
僅かな体力と精神力を右手に込めて
「お父ちゃん。お父ちゃん。」と呼ぶ娘たちの両手を
ほんの少しず ....
紙箱に仕舞われた
細いヒールの靴を
何十年かぶりに取り出す
一歩
二歩
あまりの痛さに
これはもう私の靴ではないと
知る
おそらく知っていたけど
今日、知ったことにする
おそろ ....
会社を辞めたのは転勤の話が出たからだった。
もともと地元採用だったのだがぼくの仕事ぶりが無残で本社で無期限の研修を言い渡されたのだった。
たしかに会社には迷惑をかけていた。
でも妻と ....
夢中で追いかける姿が かわいくて
手を振って スピードを上げてしまう
いつのまにか 意地悪をしている 自分がいる
初恋の相手に 意地悪をした記憶がよみがえる
意地悪でしか 愛情 ....
自然な姿
包み隠さず素直に
輝きを放っている
花が持つ力は強い
香りと見た目で癒やされる
花畑を歩く
天国に降り立ったみたいに
全身が愛になっていく
まだ見たことがない花に ....
(ぷつぷつ)
海ぶどうの外灯が
(ぷつぷつ)
光の波を地上へ送る
(ぷつぷつ)
交差点
....
ぽこぽこ生まれる
春の訪れ
風はまだ冷たいのに
鼻をくすぐらせる
漂う甘い匂い
団子のような
もちっとした梅の花が
ぽこぽこと
まだなの
いまかいまかと
春を待つ
「生」が図太かったら
短命でも良しとするかい
それとも
長命にめぐまれたら
「精」の脆弱さに甘んじるかい
卒寿のおひとりさまになっ ....
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