君の胸の音を聴いている

瞳を閉じれば浮かんでくる
電車がゆく
車輪の音は確かなリズムを刻む
無機質でいて
それはなぜか温かい
からだじゅうに
張り巡らされた
赤い線路を
休むこと ....
いつも待っている
誰かを
何かを

右手か
左手で
いつまでも招きながら

黄色い砂埃も

べたべたしたちっちゃな手も

酷い陽射しも

すぐに味がしなくなる憐れみも
 ....
人間は傲慢だ
雨上がりの新中川の土手で
あいつは言った

僕らの目の前に
口いっぱいに雑草を詰め込まれた猫が死んでいる
誰かが死んだ猫に悪趣味ないたずらをしたに違いない

何でも食べよ ....
 



昔大切だった人に
今さら会いたくなって
噛み締めた唇から
静かに血液が流れた

ふいに起こり上がる衝動を
押さえつけながら
私は耳を澄ませる

『純粋に
 ただ純 ....
幸せな夢でした
ありがとうございました
と言って
死ねる日を

ベッドの上、肺のなかの空気を
ぜんぶ吐いて
覗き込む顔に顔で返事をして
さよならも言わず
死ねる日を

私より先に ....
私がもしも
粒子になったら
あなたのところに飛んでいこう
私が
私とわからない
でも
あなたはわかってくれる

(ご遺体の損傷がひどく
(確認にはずいぶん 時間がかかりました
(カ ....
宵のうみ
ひとり佇みけむりを吐く

存在に意味があるとか
たとえば価値があるとか
そういう
思考に飽きた

水面につきが流れている
清らなかぜとともに
ああ
じゆうだ ....
愛とか
愛に似たものとか
愛と呼びたいものとか
愛したいものとか
愛しても届かないものとか
愛したらいつか届くんじゃないかと思うものとか
付箋をつけた愛とか
血糊みたいにべっとりした愛と ....
青い月のまるく照らす夜
夜気はしっとりひんやりしている
雨上り晩秋の風にゆれて
月へ黙礼をする芒は
亡きこおろぎの歌のように
  銀の小鈴色
闇に解けている
  紫の ....
一日分の答え合わせは
いつも寝床の中
模範解答のような布団に
やんわりと挟まれて
たいていが正しくない僕は
自分にバッテンをつけては
寝返りを打つ
寝返りを打つ
寝返りを打つ

 ....
通り縋りの街に
何処か懐かしさを覚えて

忘れていた記憶を思い出そうとする
ふと浮かんだ笑顔に
少し胸が痛くなるけれど
明日のお天気のことを考えてみよう

幸せは無味無臭だから
気づ ....
幾度となく聴いたであろうか
淡い色の流れるメロディーに
様々な思い出が走馬灯の如く
回る風景はどこまでも優しい


幾度となく眺めたであろうか
淡い色の流れるメロディーを
木馬に乗り浮 ....
椅子になってみようと思って
椅子にはなれなかった
三秒で挫折した
たゆまぬ努力なしに
椅子は存在しえない
私の大腿四頭筋は悲鳴を上げ
痙攣を始める

あまねくすべての椅子は
慈悲とい ....
空想の翼と妄想の足枷
境はあっても壁はない
空と海のように

神学と罪状を彫刻された
流木は風と潮に運ばれる
翼もなければ鰭もない

時折 鳥が降りて来て憩い
流木の節くれだった目を ....
心惹く美しき余韻
冷えた心を温めて
次第に生温い波間
から波紋し緩やか
に抱いかれる余韻

この温もりが胸に
染み付いて時折は
高低の波に抱かれ
息を吹き返しては
再び三度の出会い ....
時の中で立ち止まれば、

ふと、秋の風が吹いている

「お前には何の価値もない」と昔、言われた事がある

だが、価値とは一体何か

今この吹きすさぶ秋風に

一体、どんな「意思 ....
部屋の電気は消してしまって

まっくらで物静かな夜

十一月はひたひたと

毛布の重みと共にやってきた


手は繋いだままで

寝息の輪唱を続けた

手のひらの温かさだけ
 ....
ひとかき
ひとけり
その分だけ進む

ひとかき
ひとけり
私の力の分だけ進む

ひとかき
ひとけり
私が今出せる力の分だけ進む
それ以上でも
それ以下でもなく

しなやかで ....
 
 「好きな娘」
漢字を造った人は
女ぎらいか ロリコンだったか
女の子と娘のほかは
 妖 妨 嫌 姑 㛏 娭…
どれもこれも うざい字だ


  「結 ....
空を割るように
まっすぐ伸びていく
ひこうき雲は
まるで誰かの夢を
乗せているようで
風邪引きのあなたは
「子供騙しね」
と笑いました



空を割るように
ま ....
叢でひっそりと
台風が去ったあとの
サファイアブルーの空を
見上げてます

小鳥よ、小鳥
わたしを一緒に連れてって
くちばしが
わたしをついばむ日を
待っています

翼を持たない ....
描くことができない白

書くことができない白

語ることができない白

ただ観ることしか許されない白

白と呼ばれることすら拒絶する

月の光の指先

月の光の吐息

 ....
 気づけば人の命も
 充電が出来るように
 なっていて
 ボタン1つで
 初期化もできるように
 なっていた。





( ――そんな世界で
  暮らしたい方は、
   ....
蝶は夏の光を泳ぐ

ふわり ふわり

目には楽しげで 

花を愛し

仲間と戯れて

ときに人にも寄り

いのちの季節を謳歌する



さて黒い揚羽がまるで
 ....
いまは何一つ好きにはなれない

しろい夏に鳴き終えて落下する少女

夏は夏らしく振舞うことで時を虚ろにする

日に焼けたこどもたちよ

謎が謎でなくなる未来

夢に見たものの本 ....
大人びていく幸福に
ついていけないもどかしさを
毛布のやわさでまやかしながら
わたしは夏を食いつぶしている

開け放した窓からは
額を撫ぜる弱風と
時点に留まる笑い声

途切れること ....
人魚になりそこなった君へ

あれから3度目の夏がやって来たけど
僕らは未だ海に還ることができずにいる

君のお気に入りの水着も
タンスの奥に仕舞い込まれたまま
一度も日の目を見ることもな ....
喉元を過ぎた熱さは
記憶の端に刻まれることもなく
ボトル半分の濁り水とともに
朝焼けの彼方に消えていく

問題と解答を丸暗記するだけの
退屈な学習にも飽きて
何度も同じ過ちを繰り返し ....
黄昏の街を駆けて行く影法師
眩暈にも似た既視感に
いつまでも立ち竦んでいた
きっと夜はまだ遠い

*

退屈な雨の午後
迷宮のような街を眺めていた
陰鬱な気持ちを弄ぶように
霧雨が ....
時折懐かしく立ち止る
アラベスクの文様から
秩序と論理の符合する
緻密な整合さに魅了し

時折懐かしく振り返る
アラベスクに疲れた時
曖昧で淡白な彩と音色
交互に惹かれては離れ

 ....
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