つきが流れる
かんな




宵のうみ
ひとり佇みけむりを吐く

存在に意味があるとか
たとえば価値があるとか
そういう
思考に飽きた

水面につきが流れている
清らなかぜとともに
ああ
じゆうだな

逃げ出せば
太陽に照らし出されるだろう
だから
夜が好きだ

冬に近づけば
絡める両手に温もりが帯びる
ああ
眠りたいだけなのだ

喧騒で
ひとりぼっちになるのなら
宵のうみ
ひとり缶ビールをすする

諦めなど
しないさ生きることを
ただ少し
ああ
休みたいだけ




自由詩 つきが流れる Copyright かんな 2013-11-08 15:25:18
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