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フロントガラスの雪
百や千もの指が
百や千もの詩を書こうとして
なにも書けず
スルスル流れ
見通しの良い隔たりは
光景だけを素通りさせる
百や千もの天の指紋が
色も形も失って
理由を ....
北へ

 南へ行こうと思う
 さよならと
 背を向けて



        梅林

         もう一度振り返ると
         梅の花にも似合わぬ
        ....
君は笑っているのです
この世に何の跡形も無い
存在の事実さえ消え去ろうとしています

その君がここにいてくれる
きっと素晴らしいことに違いありません

君は笑っているのです
決して交わ ....
耳元に
毛細血管の危うさで
流れゆくのは
私の心臓

体中を駆けめぐる
火照った愛撫が
暴れ出すのを
待っている

水の臭いは排水溝へ捨てた
吐息を微かに白くして
私の心臓は
 ....
漆黒の海に救済の錨を深く沈めたまま
誰の叫びも届かない街と交信しあう星々を眺めている夜

詠み人知らずの歌が都市の残照を吸い込んで
無数に浮遊している昏い海面に海月となって漂う

東京湾を ....
 剽窃したい人はそこに居て、夏のセロリをしっぽから齧っている。水は生温い 
 が金魚鉢の赤い魚たちは夢を追わずきょうも元気だ。猫は背を丸めしっぽりと
  寝ている。 
 猫を抱き ....
{引用=
いずれ途切れてしまうようなことからは、

直視、をこばんでいる、埃っぽい部屋のなかで、

ガレキのように積みあげられてゆく、粗末なボトルシップ、

木製の机のうえの、白いコーヒ ....
つらいの?
私はワタシに聞いてみた

つらい
ワタシは答えた

そっか、ふて寝した?
私は続けた

あまり眠れない
ワタシが言った

眠ったときは、いないよね?
私は問うた
 ....
打ち上げられた六百頭のクジラにナイフを刺した
どうしようもなく大きなかたまり
どうしようもなく身を投げた人の命が溶け込んでいるから
潮の匂いは生の匂いがする

冷えた肉体をプランクトンが分解 ....
赤茶けたカーテンを捲って覗く
窓のむこうの電柱
電球の切れかかった外灯が
ぱちぱちと青白く点滅しているのを
ひとり、ぼんやりと眺めている
机のうえの白いコーヒーカップの底には
固まったまま ....
  

凍てついた川面を蹴って舞い上がる
氷点下の風
丈高い建造物の隙間を吹き抜け

厳しく雪を吹き下ろしていた雲が
ため息ついて
気まぐれのように座を譲る
冬だけが見せる裸身の蒼穹 ....
薄氷の上を
危うくも繊細な
ステップ踏み
僕は進む
いつ崩壊しても
後悔だけはしないように
慎重に大胆に僕は進む

世界は獰猛な場所
人と人が争い喰い合い
天返に隠れ胡坐かく支配者 ....
いま
手のひらがたのボトルの手首あたりまで
黄昏がせまっている

背中に受ける波を愛しながら決める
もう捨てよう
ここも あそこも あの本も
本物の海を見たり聞いたりしたこともあった ....
真昼の睦み
カーテンを開けた窓の外には
寒さを抱えた雲が形を変えながら去っていく
明るさだけを保ち
白けている光は差し込む
見下ろす背中にも冬の気色は映り落とされている
体温は皮膚の内側に ....
赤茶けたカーテンを捲って覗く
窓のむこうの電柱
電球の切れかかった外灯が
ぱちぱちと
青白く点滅しているのを きみはぼんやりと眺めている
けれども そのように
いずれパチンと爆ぜて
途切 ....
ひかりのつくり方は だれも教えてくれない

水の配合を間違えたことで 白く霞む朝に
きみの浅い微睡みは
錆びたダイヤモンドのように 美しくおちていく
レースをまとった瞳の透過は
いくつかの ....
こん夜
つけて寝るためのピンクのマスクがある
かの女はいま
どんな心の中の秒針を回して
何を燃焼し拍動し続けているのか
考えたりする
答えはどこにもない
海にも空にも星にも
そしてここ ....
夜も更けて、マンションの落ち着いた寝室に、今日も暗闇が訪れた。
いつものように出窓のカーテンを閉めると、ベッドに安楽を求めていく。
私の意識は奥深く沈み込み、静寂が体を大きく包み込んだ。
何も感 ....
一枚の写真が燃えている
黒い鉄の花びらの上
ひらめく炎をその身にまとい
そりかえる
水蒸気と煤があいまって
白くにごった煙とともに
封じられた時間も漏れ出して 
霧散する
平面の中の奥 ....
もはや
詩を歌い
綴る力無く、只
宇ノ声
書き刻む

[源流は一つ 、 支流は百花繚乱幾千万ナリ]

もはや意識
遠く朦朧
道具の肉、衰弱シ
奮起、今一度
感情の強度上げ
意 ....
ジーニー
最後の言葉しか
記憶できないきみに
語りかける言葉は
コスモスへの波動となり
私のカオスを整理する

だが
きみの実像は
何もない
ないのにあると感じるのは
原子の世界 ....
米の差で起こる火災がある
甘ったるい考え方を
先頭に立たせ
ウジ虫を湧き放題に
辛いくぼみを作る
ムー大陸は幻では無く
教会の言葉を解読して
充分嫉妬しておけば
レフェリーが判定してく ....
膨らんできた
はくもくれんの
銀にひかる繭のような葉

わたしのはらのなかで
懐かしい男と猫とあのうちは
ことばをうけて赤ん坊になり
ホトホト
うみ落とされてゆく

ていねいにガム ....
原初のひとしずく
ささやきのように生まれ
岩肌の乳房
地衣類の産着
山あいを渡る風も目覚めさせないように
産毛を揺らす
静かな吐息
うつらうつら
千々のひかりにあやされながら
死への ....
洗濯物を
とりこんでいるとき
すこしだけ
おだやかな気持ちになれる
風を吸った
タオルを
何度か折りたたんで

この先三ヶ月間の天気を
気象予報士が
(あくまでも予想だ)としたうえ ....
ふわふわ
漂い
ゆっくり落ちる
金の花びら
わたしは貴女を知らなかった

[磯の香 、 零れる光滴 、 白波の残響]

あの青い青い宇宙の大海原
貴女は幾人もの従者を連れ
喉を震わ ....
下着に着替えて写真を撮った
下着の意味をなさない下着に着替えて
いてはいけない 遠い 遠くの
ぼくの大事にしている恋
人の ため


きみがいると 発作が起きない
きみは月に一回にた ....
風には色がない
想いにはかたちがない

自身のすべてを解ってもいないくせに
何かをひとに伝えようとこころみるも
手応えひとつ得られず

脱け殻となって
風化する前にもうちょっと
生き ....
通りすがりも 同僚も 家族も
一対一でも 多数同士でも
「あっちむいてホイ」に興じている
電波上の 同じ画面を 見続けていた としても
目を合わせることは 禁忌なのだ
抱擁感さえも失い どこ ....
植木屋に写真を持ち去られ
私にはルビーの指輪だけが残った
透徹した心でルビーを見つめる
雪花菜(きらず)はおからと言う
豆腐由来の料理らしいが
私にはキラー(殺し屋)にも見えて来る
そんな ....
末下りょうさんの自由詩おすすめリスト(448)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
がらすゆき- ただのみ ...自由詩12*17-2-22
フラグメンツ__雪どけ- AB(な ...自由詩617-2-20
君は笑っているのです- 宣井龍人自由詩15*17-2-17
紅く晴れた夜に- 末松 努自由詩7*17-2-16
東京ベイブルース- 梅昆布茶自由詩20*17-2-15
剽窃_- 白島真自由詩21*17-2-15
ボトルシップ(short_ver.2)- 本田憲嵩自由詩3*17-2-14
どうしたの- 末松 努自由詩417-2-14
浅瀬のクジラ- 青の群れ自由詩717-2-14
ボトルシップ(short_ver.)- 本田憲嵩自由詩217-2-14
二月の空に- Lucy自由詩16*17-2-13
珠玉の道具- ひだかた ...自由詩717-2-13
黄昏- はるな自由詩117-2-13
事後- はて自由詩1*17-2-13
ボトルシップ- 本田憲嵩自由詩517-2-12
一欠けらのひかり- 小林螢太自由詩13*17-2-12
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私の中に住む女- 宣井龍人自由詩7*17-2-12
炎の遊戯- ただのみ ...自由詩15*17-2-11
真理〇不戦勝(改訂)- ひだかた ...自由詩6*17-2-10
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小川- ただのみ ...自由詩16*17-2-8
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金の花びら- ひだかた ...自由詩12*17-2-8
蜘蛛の手- 塚本一期自由詩317-2-7
風街ろまん- 梅昆布茶自由詩13*17-2-7
あっちむいてホイ- 末松 努自由詩10*17-2-5
植木屋が写真を持って行ってしまった- 間村長自由詩417-2-5

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