最後の一歩を踏み出すとき
人は独りだ
脳髄には光が溢れ
宇宙が爆発する
生への情熱は未だ
止むことなく
眼下に広がる青い青い海原をみる
最後に眼を瞑るとき
人は独りだ
午 ....
ぎらぎらと陽が照っている
草木が緑に燃えている
世界はゆらゆらと揺れている
折しも二匹の紋白蝶が
絡み交わり輪を描き
白々と視界を過っていく
いったい何処へ行くのだろう?
自ら描 ....
今日は雨降り、光るタール
行き交う人々が音もなく去る
冷え切った身体は光を求め
今日一日の反復を思う
ナニカガなにかを越えていく
積み重なる郷愁が
未知なる世界への ....
からだが冷えている
外は雨だ
アスファルトは黒々と濡れ
行き交う人々はそれぞれの目的地を持ち
僕はただ震える
季節は梅雨
何も無い不安に僕はおののく
僕は此処に留まらなければならない ....
たまたま生きて死す
無意味で無価値、なら勝手にやらせてもらう
なにをやっても良い、おれの存在は無意味で無価値だから
他人を喜ばせたい、そう思うことに意味が必要だろうか?
友よ、おれはきみに ....
ああ
初々しい顔して
夜が来た
ひんやり涼しい
風も吹く
向かいの家では橙の
灯りが点り
人影が
それは忙しく動いている
わたしは独り寝の床を整え
さっきからじっと座っている
昼 ....
樹木には牙がある それは樹木に夜が言い寄ってくるからだ 夜の言葉は樹木に浸透し それゆえ樹木は夜に牙を立てる それは樹木が樹木自身に牙を立てることだ 夜は樹木に応えて 血の言葉を吐いて言い寄り続け ....
安定して
安堵して
朝の風を浴びる
行き交う人々は足早に
留まる人々は優雅に
待ち受ける一日の重み
待ち望む異界からの風
風は吹いている
折しも燕が鋭角に舞い
待ち受ける ....
解説の佐野さん。はいはい。美しいって何ですか? さあて、何なのでしょうねえ。考えるよりまずは体験ってことかなぁ。ご覧なさい、東西南北どちらを向いても見渡す限りの紺碧の円盤。船の上から望むこの海洋も、美 ....
風は凪いで
静かな涼やかなこの夕暮れ時
わたしはここに寛いで
至福の一時と一体化する
あゝわたしはここにいる、
あゝわたしは生きている、
長らくの物語を引きずりながら
規則正しい呼吸 ....
所得保障の大半がバカ高い税金で飛んでいくなか
人びとは中国製格安EV車を乗り回し
通りのホームレスは皆そろってユニクロのシャツを着ていた
あれはリサイクルポリエステルシャツや
道ばたんペッ ....
どう見てもセブンだったコインランドリー
セリアになった文教堂
跡形もなく消えたケンタッキー
街の記憶ではない
私の記憶である
誰にも譲ることのできない
私の記憶である
市営住宅の ....
キラキラしているね
キラキラしているね
大地を歩む人々が
降り注ぐ陽光を浴び
笑いを弾けさせている
キラキラしているね
キラキラしているね
喜び溢れ陶然と
初夏の光 ....
時は春の暖かみ
散乱するノイズ
辺り一面の死体
殺戮は不断に隠蔽され
花吹雪が街に舞う
涙が溢れて
光が散乱して
此処は業火の世界
善悪の区別なく
焼き尽くされ
すべてが
灰塵 ....
快晴の世界 正解急かす風
あるかいなかの歩かない田舎道
プラシーボ効果でプラス素晴らしい
結果的にはドアノブが光ってる
ひとりごと色とりどりにひとりきり
....
あなたの心音を探す
なにもない
街角を歩く
地面に耳をつける
昼間拾ったパンを食べて
夜はベンチで眠る
起こされた気がして
目を開けると
伝書鳩が私の腹を均してる
寝床にする ....
ついに君には会えなかったよ。
君は、暇つぶしだったのかもしれないけど、
いい夢見せてくれたね。
僕は、君と抱き合えるだけで良かったよ。
気付いた ....
ぼくは宇宙の一過性のノイズに過ぎないが
きみも深海生物の末裔に過ぎないではないか
とりあえず会話は成立するが
ちっぽけな男が地球を見降ろしている
この世界の現状に最後まで抵抗する民衆であり ....
インターネットがなければ私たちは幸せだった?
私たちが死んでたらあの子はまだ生きてた?
そんな問いに意味はないと夢は心に傷をつける
目覚めたら同じ形の人間を探しなさい
上手く見つけられたら ....
風が吹く
青空が落ちて来る
ゆるやかに
初めて開かれる瞳のように
巻き込まれる、夢の兆し
うねり透明な時が訪れ
大地から外される、天へのきざはし
此処で踊り此処から突き破る
此処で ....
〈争いによって
生 を望む者もいれば
死 を望む者がいてもおかしくない
この杣道は 通った人にしか
わからない〉
岡本太郎の遺伝子
命かけてうたう
artの革命家よ
宇宙に ....
星空に煌めく
数の論理で死んだ人々
前奏のないヒット曲に
心を毛羽立たせては
うなだれる毎日
萎んだ熱気球は余熱だけを残して
二度とは戻らない
そういえば春
故郷は湿った雪 ....
あめいろの
時が過ぎ行く
この夕べ
わたしの気遣いは宙に溶け
一閃する光の海
瑪瑙の渦は天を駆け
静かさだけが降って来る
気の遠くなるよなこの時に
静かさだけが降って来る
....
今日は涼やかな春風が吹き
街はもうすぐ黄昏です
西陽が君の横顔を照らし
はにかむ瞬間を捕らえます
それは本当に美しい
この街角の光景です
(あゝ後何百年
待てばこの瞬間に出会えたのか ....
乾いた
水の匂い
漂う
この夜陰
窓辺に寄れば
雨は
降っていた
孤独を透明に濡らし
雨
季節は一巡りし
春
私は感じる、
春の雨
遥かな
空の高みを
ひかりの ....
いつか仙人になりたいと想っていた
仙境で仙女たちと歌舞音曲を尽くし
詩歌を交して樽を飲み尽くすのだ
えっ。それって仙境、、、?
という声もありそうだが
亀仙人も女好きではないか。
....
この優しい
光の午後
すべては許され
ひのひかりに弾けて
緩やかな斜面を
ゆっくり転がっていく
孤独を受け容れ
決して消えない罪を受け止め
独りの魂が
身軽になり
柔かな陽射 ....
*
燐寸一本の囁きで
秘密は燃えあがる
煙は歌い
香りは踊り
時間は灰に
わたしはおしゃべりに
*
コンマ一秒で宇宙の果てにまで移動したかのよう
喪失の悲しみ ....
僕たちはそれぞれ違う重さを抱えて同じ言葉を求めて
普遍は真理とはイコールではないにしても難儀な旅をするのだろう
愛したものの破片を集めてはならないのだと想う
戻らないものの再生には魔術が必要 ....
その
メロディラインに
沿って
冷え冷えと
目覚めていく
忘れてしまった
過去のことは
ただたましいだけ
降りしきる
雨に濡れ
あつく
波打って
渦巻く声の嵐
硬質に ....
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