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この家に時計は六つある
それぞれがすこしずつずれた7:18 AMを報せ
わたしは一番遅いもので目を覚ます
それからカーテンを開けて窓を開けて
酸素をよく含んだ朝の空気を肺に取り込むのだ
曇り ....
降りしきる雨の中で、傘を差し、夜になるのを、待っている、ぼんやりと
{引用=
ぼくはきみにやさしくてほんとにだめですね。
ぼくはきみにやさしくてしょうがないですね ....
1)
やわらかな
あなたの
てのひらに
ふれる
2)
shizuku
shukusai
shi
sha
s
; ....
32時に電報が届く
引き摺った着物の裾を
捕まえようとする猫がいる
幾らかのカットインを経て
緩やかに溶暗している背骨
花柄のシーツは血に汚れ
さよならの挨拶は砂に埋もれ
....
目を閉じることと口を噤むことは似ている。
眠りに就くことと死ぬことは似ている。
さようならを言いながら終わっていく。
世界について考えるときに眩暈を起こす。
沈黙する、
沈黙する ....
あなたたちじつはびょうきでしたね
うんざりです
もう うんざり
ブランコでゆらゆらした記憶もう、亡い
コンクリートに残った足跡をたどって
廃線の線路をたどって
血の痕をたどって
....
(大人になると
(きこえなくなる音があるという
痛むの
ここと、あと腰
眩暈も
熱はないよ
そこは絶対悪くならないから
(イチバンキレイナヒトガイットウショウデス
....
なんでもかんでもわたしのてのなかに還ってこない、
立ち遅れている、最初から遠くにいるのだから、
むしろつきはなしている、遠のくように、仕向けている、
わたしのては、きみのて以外、握ることが、 ....
白川通を自転車で下る
夕暮れが少し濁っているのは
街灯やら電飾やらがうるさいからだ
と、解釈する
岩倉の秋は早い
キンモクセイがもう落ち始めている
一週間前には満開だった
....
さよなら
と叫んで
返ってこない響き(ph)
{引用=
跳ねる跳ねる跳ねる少女
身重の母と
「オオカミに食われました。」
}
やっぱり嘘だ
さよなら取り消そうとも
返っ ....
とても不確かで
とても不確かなものを
( ふたしかな )
思いは
はあ、と
息をはいて
その隙間に
入り込むのは
不確かな
( ふたしかな )
....
まな板に寝かせられている私を想像する
きっと私の涙は美味しくない
だから泣かない
黒潮市場のマグロは解体ショーにて解体される
私はそうならなかった
ただあっさりと包丁を体に入れられる
....
ワンフレーズ、呟き、この感覚
『狂気は映写され』て
また同じくして死に至らしめられる
テレビジョンたちの群はそろそろ消えた頃か
地平線で風向きが変わった
『いる、いらない ....
ばあちゃんカステラ食べながら死にました
ばあちゃんカステラ食べながら死にました
と、深爪ぎみの少女
マイクを持つのは初めてらしい
マイクに処女を奪われている
列席者は視姦している
....
「ねえちゃんええけつしとんなぁ」
細胞が分裂する。分裂マシーン。
ただ人が歩いて固めて開発したならキャシャーンなんてただの
因子とか元素とか。
細胞が分裂する。分裂マシーン。
....
どこを向くの、
きみの
目、
さよならの季節
を抱いて、
回転灯のうた
が、
ひびくあの森。
(東を見ながら
(きみが死にたいと言った
(あれはいつだったろうか
(夕日を ....
数学のプリントの裏に書き連ねるLoveとHateのアンサンブル
気付かないままに私はチャペルの写生の中に君の欠片を描き込む
図書館でニーチェを読む君15歳「かみさまなんていなくてい ....
何もなかった。
ただ煉瓦の欠片と蛾の死骸があった。
わたしはそっと足を踏み入れ、立ちつくす。
西の窓から上弦の月が見える。
上から降ってくるぱらぱらと、誰かの足音が聞こえた。
そして ....
切れない糸は、
私の足を通して、
からまってしまった、
赤が流れてゆき、
生気のない顔をして、
死んでゆくのだろう、
気味の悪い鳥たちが、
泣き声をあげて、
口ばしを私に向ける、
....
砂嵐の葬式。
punk化した鎮魂歌。
先の見えない俺。
充血した、cats-eye。
電信柱にて、チゴイネルワイゼン。
アスファルトにて、3、2、1、0。
「あした、あした、あした ....
伽藍の中にいて
私の指先を動かすのは
やっぱり私です
詩を書いたり
批評をしたり
バスの回数券を千切ったり
手首に爪を立てるのも
私の仕業です
なにより私は詩が好きなのです
....
かみさまはしんでしまった
わたしはいつものように学校に行く
あめは降らない
三年間生きたので許してください
かみさまはしんでしまったから
「あしゆび」から水が出てきて
わたしはみに ....
ワンピースの少女が飛び降りて、世界は初めて死にます。
上の方から崩れ落ちていく世界を掻き分けて、ワンピースの少女は落ちていきます。
泣いても良かったのです。
人々は叫びながら逃げます。こ ....