ストライクが入らない
  言葉の投げ方を、忘れたから

  キャッチャーを
  キリキリ舞いさせながら
  交代を告げる声を、待ち望む

  変化球に入れ込みすぎて
  指の関節が ....
 苦しいときに泣くことは、
 いっぱい、やってきた

 悔しいときに怒ったり、
 羨ましくて妬んだり

 そんなことは
 幾らでも、
 やってきた

 今日も、あの時、
 とって ....
夢には
二種類あるみたいだ

現実から
逃げるための夢と
現実を、変えていく夢

僕は、
炬燵の中で微睡む
飼い猫のクロと一緒に

彼女はもう
十年以上も前 ....
 人を
 好きになるのに
 理由なんてないよ

 雪の結晶みたいに
 君という心のかたちは
 この世に、唯一つしかない

 純粋とは、
 澄んでいるのではなく、
 自分の色に染 ....
 頬杖をついたら
 鼻から、鉛筆が生えてきた

 ため息をついて
 窓越しに雨空
 眺めてる暇があったら
 詩の一つでも書きなさい、と

 僕の鼻毛が、
 ニョキニョキと太くなって
 ....
 愛を映す鏡に
 己を見た者はいない

 けれど、
 もし、いたとしたら

 その人は
 どんな姿を
 していたろう?

 イエスや、仏陀の姿を
 多くの人々が、想像しては
  ....
 空に延ばされた
 無数の手が
 草原のように
 なびいていて

 その上を漂う
 タンポポの種が一つ

 象徴とは、多分
 そのようなものだ

 手の届かない
 約束のような ....
 あなたは昨日、
 つめたかった。

 やわらかい刃物で、
 切られた気がした
 血も流れないのに
 いたくて、いたくて。

 あなたは今日、
 やさしかった。

 その笑顔は
 ....
 この折り紙を広げたら
 思い出がひとつ
 消えていく

 ここは
 思い出の小部屋
 一日の最後に訪れて
 折り紙を一つ置いていく

 その日、私が
 過ごした時間が
 一つの ....
 人には身体があって
 それを包む心があって
 更には世界がそれを包み込み

 玉ねぎのように、
 剥いても、剥いても
 涙しか出てこない

 私たちは
 芯なのか

 それとも ....
   透明な空に
   透明な鳥が
   飛んでいる

   草を蹴って
   跳ねる子供が
   捕まえようと
   手を伸ばす

   晴れた空は入口
   空想の世界への入口 ....
優しい言葉を書き殴る
恨みの滲むペン先で
心を繕う紙切れで
爛れた肌は隠せない

冷たい文字を書き流す
泉に溜まった涙から
紙を流れる心の小河
運ぶ落ち葉に ....
 
 手紙を書こう
 愛する人へ向けて

 触れる度に傷つけるような
 そんな接し方しか
 出来なくても

 言葉と空間を介してなら
 紙というフィルターを通してなら
 少しは、あ ....
 見たくもないものが
 見えてしまう時
 人は、目を閉ざす

 そうして
 彼等は裸となり
 波打ち際に寝転がり
 片耳を、砂に押し付けて

 波の轟きに
 聞き入っている

 ....
 やーい
 へたくそ

 生きるのが
 へたくそ


 つるつるに磨かれた
 硝子テーブルを這いまわる
 コガネムシみたいに

 もがいちゃってさ
 いたずらに

 ピアノ ....
 豊かさで生を飾りたて
 その終わりまで、しがみ付く
 爪を現世に突き立てて

 煌めく衣装を脱ぎ捨てれば
 露わになるのは、荒れ果てた魂

 電池のように使い切ったら
 死出の寝床に ....
 言葉は釣針
 この胸の泉から
 秘めた思いを、釣り上げる

 言葉は銃弾
 憎しみを込めて撃ち
 いつか、その報いを受ける

 言葉はスパンコール
 貧しい心を飾りたて
 目抜き ....
 一

 夜の水平線が
 両の腕をさしのべ
 その手で満月を挟み

 嘆く空から引き離し
 海の底に沈めた

 光が闇に溶けて
 波の下に燃えつき

 殺風景な夜空に
 取り ....
ある日
道の真ん中で
ヒョイ、と逆立ちしたら

世界も一緒に
ひっくりかえり
地面が上、空が下、
積み上げた一切合財が
元の木阿弥、振出しに戻った

海から魚が落っこちて
滝のよ ....
 終わらない
 冬の時代

 雪は降りやまず
 溶けようとはしない

 隅々まで覆う雪原を
 横切っていく犬の群れ
 
 引かれる橇の
 手綱を取るのは
 死神か 腹黒い
 サ ....
 石ころのように
 蹴飛ばされた
 君の命が

 川の流れに
 ぼしゃりと飛び込み
 揺らめく水の底を
 ゆっくりと転がって

 手の届かない
 透明な棺桶の奥から
 空を見上げ ....
言葉って、抱きしめられない
口づけたり、切りつけたりできない

だけど、君に会いたい

針先ほどの穴に
空が吸い込まれていく
風も太陽も巻き込んで

言葉って、食べられない
 ....
 空は
 白紙に似ている

 私たちの
 頭上に開かれた
 広大な空間

 人は そこに
 想い想いの
 絵を描く

 でも 私は
 そこに描き得る
 どんな夢も
 持ち合 ....
知ったようなことを
ほざくのが
気持ちよくてね

その代償は
賢者からの軽蔑

ハイヒールの踵で 不意に
背中を蹴られるような気分さ

気の利いた冗談を
言えるようになりたいんだ ....
甘いモノばっか口にして
青写真の上で踊らされ
あからさまな嘘に 慣れていく

他人の思惑に乗せられて
自分の声には耳を塞ぐ

そんな生き方が 楽ちんだ
なんて 思っていたけど

ど ....
マイノリティーよりマジョリティー
迷子になった一匹の魚のように
僕は ゛みんな ゛にあこがれていた

…゛みんな ゛…

なんて 素敵な響きなんだ

軒先に吊るされ
春の息に踊る
 ....
空にカーテンを引いたら
みんな 夢を見なくなった

星の明かりも 眩しい朝日も
厚い布地に遮られて 広大な密室の中で
息を詰まらせていく 人々の 心の息付き

飛行機が飛び回り
打ち上 ....
絶海の孤島に漂着して
今日で何日目?

生れ落ちた時から
君は遭難者だった

街を歩けば
行きかう人の
顔、顔、顔

彼等は所詮 幻
手の届かない 幻

 ....
 1

 雨に打たれながら
 空をふり仰ぐ
 喜びは消えて

 土に手を当てて
 星の身体の温もりに
 触れる喜びも奪われた

 原発の吐息が
 燃えている

 風に乗り 雨 ....
 僕は一人では立てない
 見えない杖があり
 支えられている

 絆は 時に
 ロープとなって
 絶望の海から
 僕を 引き揚げ

 時に 鎖となって
 生贄の十字架に
 僕を  ....
まーつん(254)
タイトル カテゴリ Point 日付
マウンドにて自由詩19*13/12/28 13:08
苦しいときに、やれること自由詩9*13/12/18 17:39
自由詩13*13/12/17 15:06
純粋のかたち自由詩713/12/17 9:57
頬杖をついたら自由詩8*13/12/13 20:35
鏡の世界で自由詩1013/12/10 21:06
象徴自由詩13*13/12/8 20:48
吊り橋自由詩6*13/12/7 19:49
日々、折り紙自由詩9*13/12/6 15:56
玉ねぎと宇宙自由詩18*13/12/3 12:44
霊感の鳥自由詩9*13/11/21 12:07
鏡の前の詩人自由詩6*13/11/20 12:35
手紙を書こう自由詩11*13/11/8 19:32
灰の雨自由詩8*13/10/26 12:46
へたくそ自由詩1013/10/3 14:41
美しい死自由詩10*13/10/1 20:06
言葉にまみれて自由詩8*13/9/29 19:38
波の下の月自由詩11*13/9/27 18:03
逆立ちで、歩こう自由詩313/9/26 12:51
春を返して自由詩3*13/9/26 10:54
石の星座自由詩8*13/9/23 20:37
言葉の人形たち自由詩8*13/9/22 12:10
天と地が出会う場所自由詩913/9/19 21:47
馬鹿は嫌いですか自由詩10*13/9/18 16:52
心の運動不足に関する覚書自由詩11*13/9/15 13:13
生命の雲自由詩613/9/7 11:12
空にカーテン自由詩12*13/9/5 19:54
立ち上がる波自由詩13*13/8/20 11:58
黒い手紙自由詩17*13/8/3 11:17
境界線自由詩8*13/7/21 18:09

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