今があるのは、過去のおかげ
と
未来が、ささやく
けれどその時そこに私は
いない
どうしても
いのちは
最後(悲しい事しか見えない人は悲しい人か
終わる ....
冬の朝遠い空から雨の降る
草むしりをする最中
うぐいすが唱える
私は、
この一本に活かされている
むしる事により
今を(ずっと透けているのは闇といっしょ
私は秘密だ
むしって来た千草一本一本に感謝 ....
便り待つ見えぬ傘にも夕時雨
目を覚ます昨日の夢に朝時雨
初冬や農道歩き空浮かぶ
遺影の朝や。
嗄れる
遠雷の
ぴんと空気はしっとりしめり
入道雲の成れの果
あめんぼすいすい
あめんぼすい
いずれいっしょにほほえみ浮かべ
ある冬の先にある ....
御茶を飲むか
ここで御仕舞さね。
くもり空のすきまが、きらめいている
物事には、知らないほうがいい事もある
けれど、
知る事が、出来なければ、かなしい事もある
わたしはしか ....
秋高し聞こえて来るは夢の果て
草紅葉宙をみつめる遺影かな
{引用=この句は太陽書房のipプロジェクト十冊記念特別版テーマ詩集「will(テーマ遺言)」へ寄せ ....
道ばたで目をつむり見る秋の風
光と影
影と光
照らすものは何か、そして
浮彫になるのは何か
そこに答は、あるか
何はともあれ、時はすぎる、全てが静止するまで、有り難い
今ここに在る私も
ひとり。連なり咲い ....
こおろぎの歌が聞こえる独り部屋
夜が明けた。
冷酷な夜の鶏(とり)のサイレンの。
そうそれ無機質な(夜気)にひそむ
明けない呼吸
田園は、黄金色
黄金色のさざ波のそよ風
さやかな実りがゆれている
さて。
夢じゃないか、とかかしは黙る
そんなことはない、と自動信号は点滅する
あぁ。(しびれを切らす ....
おくり火や夜の静かに澄む星へ
(ほんとに?)
冷酷な視線が今日も深淵からのぞいている青空の青さを。白み始めた火照る爪先。ああ、死にたく無いと死を想うウロボロスのひとみ(霊と実)。果て無き空の雲のもと、 ....
今朝秋や鏡に映す沈黙を
ふと覚める鳥のあいさつ今朝の秋
朝顔のうつむく空にさようなら
明け方の空へ左様なら
わたしはいつか
あちらへ行く。
終わることが出来ない
という のは ある意味、
絶望である
永遠の命なんて。透明な
花時計が求心する眼球の
水 ....
向日葵の陽に透ける風のゴッホかな
一つ葉や仄暗き朝目をひらく
ちゃぶ台の万年筆やソーダ水
仄暗し雲のわき出る泉かな
道をしへ山の小川の調べかな
{引用=※ 「 道をしへ 」とは、「 はんみょう 」の事である。}
雲の峰風の死に絶え俄雨
草いきれ雲のむこうへあいさつを
遠雷や影が連なる草の息
薄明の時計の刻む音は、
いつまでも初まりを歩み
エボナイトの光沢がにおう黒光り
遠い山脈は墨色に燃えて春の
おとずれをいまかと願う白日の、
足もとにも咲く花の。。
残雪へ便 ....
昼寝する{ルビ鬼灯=ほおずき}の花風の色
雨蛙一輪咲いて縁に在る
宙ぶらりんの石畳
青ざめたかたい宙
道はつらぬかれ
私を覚えているのは誰もいない今
空は冴えわたる
距離は明け
星の霊園の夜を封鎖する
たどりつくまでに
永いわだちを
....
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