胸が張り裂けそうだなんて陳腐な台詞でも足りないくらいに
目も合わせられずかといって逸らすこともできず
瞼もしくは震える下睫毛をぼんやりと
見つめ返しながらぼくは次の瞬間を待ってる
纏わりつくよ ....
嵐が来る

嵐が来るわ
そんな予感が胸に犇めいて
まるで悪寒が背を這い上がるように
喉を突き破って飛び出そうとする
噛み締めた唇を割って
解き放たれようとしているのがわかる

抑えつ ....
誰か一人を泣き叫ぶほどに想えないぼくは
届かないものにこそ恋をする
勝手にきみを硝子細工さながらに作り上げては
掠りもしない哀しみに溺れてみたりする
きみとぼくは似ているなんて
当たり前のよ ....
始発のホームに立ち竦んで

イヤフォンからは柔らかい歌

夜明け前の空はどこまでも暗く

寝不足の目に痛い蛍光灯

私は一体何を切り売りすれば

世界と繋がっていられますか
きみの声が世界を変えることなんてない
きみの声に世界を望む人がたくさん
きみの声はきみの世界を守ってくれない
きみの声で誰かの世界を叩くことはある
整わないリズムで鼓動を打つ
心臓一つ差し出 ....
頭の中は常にいろいろでいっぱい
いっぱい過ぎて寡黙になる

朝起きて布団を蹴っ飛ばす

眠っている間のあれやこれやはくるくると
二次元と三次元の間でハレーション

あたし、ロボットのよ ....
誰にも届かない言葉に意味はあるのか
そんな風に疑いながら自分の言葉を探してる
声なんて無くなってしまえばいい
そんな風に思いながらすぐに歌を口ずさむ
死にたいと嘯きながら約束をする
そんな風 ....
からだのなかを風が吹いている
輪郭をなぞるように音が流れてぽつりと落ちる
がらんどうに響く軽やかな足取り
追いかけても
そこにはやっぱり何もなかった
青の向こうの哲学
考える葦
煽られ吸 ....
たくさんのさよならが、きょうになる
あしたはいつも、かなしみのうえのひかり
だれもいないそらのした
なまえのないうたが、またひとつ
じめんにしみこんでいく

ぼくらのとちゅうには、うちゅう ....
1度5分の差が開く

爪の長さ一つ取っても違う
長く細い指で
私は拾い上げる
そして捨てる

1度5分の差が開く

奪っても奪っても
差が縮まることはない
私の温度をあげましょう ....
人はすぐに死んでしまうと言う

刃渡り何センチかのナイフ
細いビニール紐でも数十センチもあれば事足りる

それよりもっと簡単なのは
確かな温もりを携えたままの両手
たった一言の言葉だけで ....
誤差を狙って
群がる人達からは生の匂いがしない

相反するように
背を向けた人を指差しても
何が言いたいのか判らない

重苦しいことを
自慢げに喋る人達は
足下の影の伸びる方向にも
 ....
真夜中。

ふと眼を覚ます瞬間がある。
見慣れた天井が、
突然偽者めいて僕を吸い込もうとする。
暗闇と静寂の中、
その木目を宙で擬えて、
負けないように息をする。
冷たい空気に、
肺 ....
久しぶりに取り出したCDは埃に塗れていた
だけど安物のスピーカーから流れてきた歌声は
今も誇りに溢れている

喝采を浴びても
あたしは笑えなかった
憧れていたはずの綺麗な服と踵の高い靴で
 ....
その銘柄は、
日の丸に……が直撃したのを受けて
名付けられたものらしいと
初めて知った

それも嘘だと知った

その苦味は、
私にとっては……を繰り返し
辿っては間違いだらけの腕を
 ....
僕は脱皮を繰り返す
冷たくなっていく空気に
肌を剥がされていく

背中の裂ける痛み
再生する痛み

少しずつ光に触れて
目が覚めた時には
例えばそれがたった数日でも
翔べる、

 ....
髪を切った
胸元まであった黒髪が
次々切り落とされて床に落ちた

首を晒した
丸く整えられた黒髪が
物珍しくて頭を振った

肩が軽くなって
心も軽くなった
美容師さんの魔法にかけら ....
膨大な量の本を目の前に
手を伸ばすことをためらう
どれを選べばいいのかわからない
すべてが必要すぎて
何一つ得られない

余り過ぎてる言葉が
むしろその意味を無くしていくように
目の前 ....
手の平サイズの辞書や
ボタン一つでたくさんの単語
知りたいことは何でも
教えてくれる電気機器
デジタル信号に囲まれて
起きてから眠るまで
無限大に有象無象

知らないことなど無さ過ぎて ....
碧空

光る雲

うねる風

穏やかな孤独

緩やかな絶望

涼やかな狂気

何もない幸福

胸を満たす静寂

通り過ぎる匂い

手に取れない横顔 ....
破壊と安寧が絡んでは軋む
音がする
たくさんの死体を背景にして
突き進む僕ら
それでも絶え絶え繰り返す
呼吸を続けた先で

そして見えたモノ
抱えて放り出さずに守ってよ
重ねる埃塗れ ....
所在ないよ
この手を加えた物が
少しずつ磨り減っていく

記憶は摩耗して
質感だけを生々しく残す

所在ないよ
君は黒髪翻し
我先にと誰よりも強く地面を蹴る

記憶は摩耗して
 ....
伴わない安寧を
手繰り寄せるように呼吸をする
いつも何処か背中越しに
冬の匂いを感じているのは
私が冬生まれだからだろうか
それとももっと違う何かがあるのか

雨降りの音を追って
傘を ....
願いは祈りになって
祈りは涙になって
涙は刃になって
刃は人になって
人は願うことが出来る
大好きな人達を置き去りに
大嫌いな人達を捨て去って
私は遠い空の下に立っています
それで良かったと思っています

ある日ふと空を見上げたら
突然流れ星が堕ちました
幼い頃の御伽噺なんて
 ....
潰れていく記憶の狭間を縫い合わせる

はみ出した綿はすでにセピア色に黄ばんでいて
新しいものを幾ら代わりに詰め込んでも
最初の中身は洗い流せない

それならいっそ捨ててしまおうかと
悩ん ....
思うに、
錆び付いてしまったものを
もう一度磨く努力というのは
自分を愛することにも似ていて
私はその作業が一番苦手だから
錆び付いてしまったものを
すぐに捨ててしまおうとする。

そ ....
心が引き千切られる瞬間を
何度も
見てしまった、気がする

それは誰かのもの、で、あったり
私のもの、で、あったような、気もする

思う、とか
気がする、が
口癖になっている

 ....
転げるように罠を張り
まんまとそれに引っ掛かった
執着と猜疑心と主張の狭間全て裏目
もがくあなた可笑しいったらありゃしない
硝子細工のふりしても所謂贋作
そんな眼じゃあたし殺せない

い ....
雨は甘い味がするらしい
子供の頃よく上を向いては口を開けた
未熟な舌には
転がり込む小さな水滴など
一瞬で解けては消えてゆく
だけど
日付変更線を越えたらその向こう側は
今日じゃなくて昨 ....
Mélodie(67)
タイトル カテゴリ Point 日付
ソネットは忘れた自由詩112/12/11 13:05
嵐が来る自由詩212/12/6 4:35
白昼夢自由詩212/11/26 2:31
明けない自由詩312/11/23 4:39
ワールドメイカー自由詩112/11/21 17:37
或る日のトリップ自由詩112/11/18 1:25
冬の朝日自由詩112/11/15 15:35
となりのひとり自由詩412/11/7 0:46
なまえのないうた自由詩210/11/30 13:17
体温自由詩009/11/19 20:23
子供境界自由詩009/11/14 1:43
生の匂い自由詩009/11/12 14:55
ダイブ自由詩209/11/8 22:33
偽物メッキ自由詩009/11/7 23:28
行方知れず自由詩009/11/4 22:14
脱皮自由詩109/11/3 19:58
重みの重さ自由詩109/11/1 21:55
本屋さんで自由詩109/10/24 22:39
こんな風に自由詩109/10/22 1:21
亀裂トラジ自由詩107/4/28 16:53
革新の時自由詩107/4/17 2:25
向こう側自由詩106/10/13 20:52
雨と殺戮自由詩406/10/4 0:34
リピート自由詩306/9/20 17:22
星屑リリック自由詩106/9/2 19:42
縫いぐるみ自由詩106/8/22 15:26
オーツー自由詩106/8/22 15:25
心音自由詩106/5/1 16:35
メツレツメィディ自由詩006/4/12 17:58
NEVER CRY ベイビー自由詩106/4/10 22:58

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