きみの声が世界を変えることなんてない
きみの声に世界を望む人がたくさん
きみの声はきみの世界を守ってくれない
きみの声で誰かの世界を叩くことはある
整わないリズムで鼓動を打つ
心臓一つ差し出したところで
誰かの声がきみに届くとも思えない
すれ違いながら
押し付け合いながら
見え透いた世界を織り上げる嘘たち
そのほんの隙間からそれでも
それでもどうかどうかと繰り返し
泣けないきみの声が聞こえた気がした
私の声がきみを変えることなんてない
私の声にきみが望むことなんてない
私の声はきみの世界を守れはしない
私の声できみの世界を叩くことはきっとない
それでもどうかどうかと繰り返し
所詮は世界を織り上げる嘘の一つ
きみが望めば望むほど嘘になって
誰かが望めば望むほどきみを嘘にする
でも叫んでみてもいい
試してみてもいい
届かなくてもいいくらいに小さな
その声はたしかに誰かの心臓を叩いては
整わないリズムで世界を打つんだと
私の声は今日も小さく嘘になる